映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第90弾の今回は、「ジェイミー・フォックスの腕時計」をお送りします。

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1990年代からスタンダップ・コメディアン、ミュージシャンとして活躍し、カニエ・ウェスト50セントといった人気HIP-HOPアーティストのアルバムにも参加。2000年代に入るとスクリーンに活躍の場を移し、伝記映画『Ray/レイ』(2004)では、レイ・チャールズの生涯を迫真の演技で表現してアカデミー主演男優賞に輝いた事は、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

ワイルドなだけでなく、コメディアンとして培った巧みな話術やリアクションと、ミュージシャンらしいクールな佇まいで、大企業のエグゼクティブから荒くれ者のギャングまで、実に幅広い演技を見せる「変幻自在」なスター俳優ジェイミー・フォックス

今回は、そんな彼が劇中で着用した腕時計に注目してまいります。

マイアミ・バイス

MIAMI VICE(2006)

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司法機関の捜査情報が漏洩し、全米各地に散らばる潜入捜査官たちの身元が巨大ドラッグコネクションに知られかねない事態となる。この司法の危機に、情報漏洩ルートを突き止める任務を託されたのは、マイアミ警察特捜科に所属するソニー(コリン・ファレル)と、タブス(ジェイミー・フォックス)の刑事コンビ。

信用する情報屋とその家族の死をきっかけに潜入捜査を引き受けた二人は、ドラッグディーラーになりすまして犯罪組織と接触。南米のドラッグコネクションに乗り込んだ二人は、危険な潜入捜査を開始する。

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1980年代に、アメリカはもちろん日本でも高い人気を誇った刑事ドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』。当時、ドラマの脚本や製作総指揮を担当していたマイケル・マンを監督として製作されたリメイクムービー『マイアミ・バイス』(2006)では、ジェイミー・フォックス演じるクールな黒人刑事リカルド・タブスが、IWC ポルトギーゼ クロノグラフ(Ref.IW371404を着用しています。

コリン・ファレル演じるワイルドなソニー刑事に比べ、クールで落ち着いた雰囲気のタブス刑事。「スーツに合わせたい腕時計」といったランキングで上位に食い込むことも多いポルトギーゼ クロノグラフが、危険な香りを漂わせる潜入捜査官というキャラクターに、理知的なエレガンスをもたらしています。

ANNIE/アニー

ANNIE(2014)

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幼い頃、両親にレストランに置き去りにされた10歳の少女アニー(クヮヴェンジャネ・ウォレス)は、他の孤児たちと共に施設で暮らしていた。ある日、街中で車に轢かれそうになったアニーは、通りがかった通信会社社長のスタックス(ジェイミー・フォックス)に助けられる。次期市長選挙での当選を狙う彼は、アニーを引き取ることでイメージアップを図ろうとし、アニーも両親を見つける為、知名度のあるスタックスとの暮らしに同意する。

そんな中、スタックスの選挙コンサルタントは当選を確実にするため、アニーの両親を見つけ出し「感動の再会」をお膳立て。両親を見つけたアニーはスタックスの元を去るのだが、、、

*出典元:https://www.montres-de-luxe.com/

孤児院に住む少女アニーが、両親を探す中で親切な大富豪と出逢うハートウォーミングなブロードウェイミュージカル『アニー』。全世界で舞台化が行われている名作ミュージカルの三度目の映画化となる本作『ANNIE/アニー』(2014)では、ジェイミー・フォックス演じる大企業の社長が、ジャガールクルト グランドレベルソ カレンダー(Ref.3752520)を着用しています。いかにもエグゼクティヴらしい、理知的な雰囲気を湛えたチョイスと言えるでしょう。

『アニー』と言えばブロードウェイ。ブロードウェイといえばマンハッタン。マンハッタンは、クライスラー・ビルなどの「アールデコ様式」の建築物が多く立ち並んでいる街としても有名です。そしてレベルソも「アールデコ様式」のデザインを踏襲した高級腕時計の代表格。「アールデコ」繋がりでレベルソが選ばれた?などと想像するのも面白いかもしれません。

デイ・シフト

DAY SHIFT(2022)

*出典元:https://www.flicks.co.nz/

カリフォルニアでプール清掃員を務めているバド(ジェイミー・フォックス)。しかし彼の本職は吸血鬼ハンターだった。「吸血鬼の存在を一般人に知られてはならない」というハンター組合の掟を守り、妻子にも本職を隠してこっそり吸血鬼を仕留めに行くバド。そんな夫の行動に不倫疑惑を抱く妻ジョセリン(ミーガン・グッド)は、夫の収入が不安定なことも相まって、娘を連れて実家に帰ろうとする。

妻子を引き留める為、高い賞金が掛けられた吸血鬼を狙って無茶を続けるバド。問題行動が増えた彼のお目付け役として、ハンター組合から若い白人の事務員セス(デイヴ・フランコ)が派遣されてくる。この急造凸凹コンビの前に、バドに娘を殺され、復讐に燃える超大物吸血鬼オードリーが立ちはだかる。

*出典元:https://www.vanityfair.com/

娘の学費と歯の矯正費用を稼ぐために吸血鬼を狩りまくるハンターの活躍(?)を描いたアクションコメディ『デイ・シフト』(2022)。『ワイルド・スピード』(2001)や『ジョン・ウィック』(2015)のアクションコーディネーターとして知られるJ・J・ペリーが監督を務めているだけあり、血しぶき飛び散るスタイリッシュな吸血鬼殺戮アクションが最大の見どころ。

本作で金に困った吸血鬼ハンター、バドを演じるジェイミー・フォックス。劇中でほぼアロハシャツスタイルの彼が着けている腕時計は、カシオ G-SHOCK(Ref.GA-100-1A1)と思われます。50mmを超える無骨なケースサイズに、カリフォルニアのギラギラした陽光の元でモスグリーンっぽく見える渋めのブラックカラーが、カジュアルながらもプロフェッショナルな存在感を醸し出しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
冷静で知的なキャラクターを演じる際にはポルトギーゼレベルソ。ワイルドなキャラクターにはG-SHOCKと、演じる幅の広さに合わせて最適解の腕時計が選ばれているように思えます。そんなジェイミー・フォックスですが、オフショットやプライベートで着用している腕時計は、劇中とは異なりかなり「ギラギラ」しております。

*出典元:https://www.dmarge.com/

まずはカルティエ サントス ドゥ カルティエ スケルトン(Ref.WHSA0019)。老舗ジュエラーの、これぞ「ラグジュアリーの極み」とでもいうべき宝飾モデルですが、スポーティーなホワイトのコーディネートにさりげなく合わせられております。39.8mmという標準的なケースサイズの腕時計ではありますが、サントスの特徴的なスクエアケースが実サイズ以上の存在感を演出しています。

*出典元:https://www.popsugar.com/

続いては、プレジデントブレスとルビー&ダイヤのインデックスが高級感を漂わせるロレックス デイデイトⅡ(Ref.218238BG)カニエ・ウェスト50セントスヌープ・ドッグといったHIP-HPOアーティストとも親交の深いジェイミー・フォックス。彼らが得意とする「ラグジュアリーストリート」スタイルに欠かせないイエローゴールドのロレックスは、大金を稼ぐギャングスタ・ラッパーにとって、「お約束」とも言える定番のチョイスです。

*出典元:https://www.wonews.it/

アカデミー主演男優賞を獲得した『Ray/レイ』(2004)では、レイ・チャールズ本人と見間違えそうなほどの「なりきり演技」を見せたジェイミー・フォックス。どのような役柄でも「その人」になりきって、変幻自在に演じることができるのですから、「その人」に似合うどんな腕時計でも、変幻自在に着けこなせるのは当然の話と言えるでしょう。

今までと違う役柄を演じれば、今までと違う腕時計を着けてくれる。そんな期待をもたせてくれるジェイミー・フォックスの出演映画は、腕時計愛好家ならば今後も要チェックと言えそうです。それでは、彼の次回作を楽しみに待ちたいと思います。

ではまた!

Actor's watch