映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第45弾の今回は「キーファー・サザーランドの腕時計」をお送りします。
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マット・ディロン主演『アウトサイダー』、エミリオ・エステベス主演『ブレックファスト・クラブ』、モリー・リングウォルド主演『プリティ・イン・ピンク』、マシュー・モディーン主演『メンフィス・ベル』などなど…。
1980年代、若手俳優たちを起用したこれらのハリウッド青春映画が日本でも流行していたことを、その時代に青春時代を過ごした往年の映画ファンなら憶えているかもしれません。
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当時の若者たちから大きな支持を得た、これら青春映画出身の俳優・女優たちは、ハリウッドでは「ブラット・パック」(小僧の集団)と呼ばれていたそうです。今回はそんなブラット・パック俳優のひとり、『ロストボーイ』(1987年)で若き吸血鬼を演じてアイドル的な人気を博したキーファー・サザーランドの腕時計に迫っていきたいと思います。
- ◆ グリーンズ
- ◆ 24 TWENTY-FOUR
- ◆ まとめ
グリーンズ
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A SOLDIER’S SWEETHEART(1998)
ベトナム戦争の最中、過酷な前線部隊に比べると、いくらか平穏な日々を送る医療部隊所属のラット(キーファー・サザーランド)とフォッシー(スキート・ウールリッチ)。ある日、フォッシーが「自分の彼女をベトナムに呼ぶ」と言い出し、彼女であるマリアンを本当に呼び寄せてしまう。マリアンは部隊のアイドルとして人気者になるが、やがて彼女は精鋭部隊グリーン・ベレーの隊員たちと行動を共にするようになり、戦争の闇に飲み込まれていく…。
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ベトナム戦争を舞台にした、この少し風変わりな人間ドラマの劇中でキーファー・サザーランドが着けている腕時計は、セイコー セカンドダイバーズ(Ref.6105)。名作『地獄の黙示録』でマーティン・シーン演じるウィラード大尉が着けていたことから「キャプテン・ウィラード」の愛称で親しまれている一本です。
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ベトナム戦争当時、この腕時計は軍の売店で免税品として安く売られており「丈夫で正確な腕時計」として、多くのアメリカ兵に愛されていたそうです。ベトナム戦争当時の、非常にリアルな腕時計のチョイスではないかと思います。
24 TWENTY-FOUR
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24 TWENTY-FOUR(2001~2014)
キーファー・サザーランドが『スタンド・バイ・ミー』の不良少年役で注目されたのが20歳の頃。その後、多くの青春映画やアクション映画に出演したものの大ヒット作に恵まれず、2000年頃には「あの人は今」状態だった彼が、35歳にして一躍スター俳優の仲間入りを果たした作品が、皆様ご存知のTVドラマ『24 TWENTY-FOUR』。
テロ対策機関「CTU」の捜査官、ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)のテロとの戦いを描く連続ドラマ『24 TWENTY-FOUR』は、劇中で経過する1時間が、そのまま放映時間の1時間になり、事件発生から解決までの24時間を24話で描くというのが最大の特徴。もはや有名すぎて説明は不要とは思いますが(笑)
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この『24 TWENTY-FOUR』は、短編やスピンオフを含めて10のストーリーが製作されておりますが、劇中でキーファー・サザーランド演じるジャック・バウアーが着用している時計は3本。順を追ってご紹介していきます。
まずは『24 TWENTY-FOUR』の記念すべき1stシーズン。ジャック・バウアーが着用している腕時計は、ロレックス サブマリーナー(Ref.16610)。これはサブマリーナーを頻繁に着けていたジェームズ・ボンドへのオマージュでしょうか?勝手な想像ですが、もしかしたら『007』シリーズのように息の長い人気作となる様、ゲンを担いだのかもしれません。
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続いて2ndシーズン。あまりにも過酷で、1秒の遅れすら大惨事になりかねないテロとの戦い。ジャック・バウアーが身に着ける腕時計は、頑丈で正確無比なG-SHOCK DW6600へと変わります。
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この腕時計は、ブラッドリー・クーパーが実在の伝説的スナイパーを演じた『アメリカン・スナイパー』でも着用された腕時計。2000年代のアメリカ軍で、兵士たちに最も人気があったと言われるモデルです。『グリーンズ』のセイコー セカンドダイバーズに続き、リアル軍人に人気の腕時計が、ここでもチョイスされています。
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そして4thシーズン以降、ジャック・バウアーの腕に着けられるようになったのは、MTM スペシャルOPS ブラックホーク(Ref.NVL05026914)。2002年創業のアメリカのミリタリーウォッチメーカー「MTM」が開発した、クォーツ式の特殊部隊用腕時計です。
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最大の特徴は、文字盤に配置されたLEDライト。最大1マイル先まで届くトーチライト級の輝度を誇り、暗闇の照射はもちろん、通信手段としても使用できる優れモノです。こちらも、現役兵士から過酷な状況下での任務を遂行させる時計として要請され、開発された腕時計。キーファー・サザーランドの「リアル指向」が感じられる一本です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
キーファー・サザーランドが着用した腕時計を調べると、ラグジュアリーな宝飾時計や、ドレスウォッチなどは全く見つからず、出てくるのはミリタリー系、しかも実際に兵士や軍人に人気だったモデルばかり。
プライベートではあまり腕時計に興味はなく、映画撮影時にはとことんリアリティにこだわった腕時計を選ぶ、というポリシーが貫かれているように見えます。
*出典元:https://www.independent.co.uk/
若手時代にアイドル的な人気を博しながら、その後、消えてしまう俳優も少なくない中、一定の人気を維持し、人気を再燃させられる力の源は、そういった「こだわり」の賜物なのかもしれません。
いろいろな腕時計を付け替えて、シーンごとに違った自分を演出する楽しみもありますが、自分の好きなジャンルの腕時計にとことんこだわってみるのも、また別の楽しみ方。どちらも捨てがたい腕時計の魅力と言えますね。両立はできませんけど(笑)
ではまた!