映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第44弾の今回は「マッツ・ミケルセンの腕時計」をお送りします。

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2006年公開の『007 カジノロワイヤル』で、ジェームズ・ボンドの敵となる悪役、ル・シッフルを演じて世界的な人気を獲得したマッツ・ミケルセン。その後は『スター・ウォーズ/ローグ・ワン』『ドクター・ストレンジ』などのハリウッド超大作や、『ハンニバル』などの大ヒットTVシリーズにおいて、知的で筋の通ったミドル役を数多く演じ、いまや世界を代表する「No.1イケオジ俳優」の座に君臨しています。

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また映画やドラマだけでなく、『メタルギア』シリーズで世界的に有名なゲームデザイナー、小島秀夫監督の独立後初のゲーム作品『デス・ストランディング』にも登場。歴戦の特殊部隊兵士”クリフ”役をモーションキャプチャーで演じ、新しい表現媒体にも臆せず参加する柔軟性と懐の深さを見せてくれています。

それでは早速、デンマークを代表する演技派俳優であり「北欧の至宝」と呼ばれるほどの人気俳優でもある、マッツ・ミケルセンの腕元に注目して参りましょう。

ハンニバル

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HANNIBAL(2013)

1991年のアカデミー賞受賞作『羊たちの沈黙』でアンソニー・ホプキンスが演じた猟奇殺人犯ハンニバル・レクター。そのキャラクターを活かし、舞台を現代に移して繰り広げられるリブートTVシリーズ『ハンニバル』

マッツ・ミケルセンが演じるのは、もちろん主役のハンニバル・レクター。高名な精神科医でありながら、殺した相手を料理して人に振るまう「人食い殺人鬼」、そして歴史や美術にも詳しいインテリで、剣術家であり美食家でもあるレクター博士を、紳士的かつ知的に演じきっています。

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このドラマでレクター博士が着けている腕時計は、ゼニス クロノマスター エルプリメロ トリプルカレンダー ムーンフェイズ(Ref.02.0240.410)。クロノグラフの名機エル・プリメロを搭載しながら、クラシカルなエレガントさも兼ね備えた一本です。

溢れるほどの教養を見せながら、時に高い身体能力も垣間見せるレクター博士にピッタリの、エレガントなラグジュアリースポーツモデルではないでしょうか。

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残された者 -北の極地-

ARCTIC(2018)

北極圏に墜落した飛行機のパイロット(マッツ・ミケルセン)が極寒の極地での生き残りに挑む、アイスランドのサバイバル映画。救出に現れたヘリコプターすらもブリザードで墜落し、乗員の女性も大けがを負ってしまう。生命の危機に瀕した彼女を救う為、パイロットは彼女の持っていた地図を頼りに、命がけで医療施設のある観測基地に向かうことを決意する。

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この映画でマッツ・ミケルセンが身に着けているのは、セイコー スポーチュラ ソーラー クロノグラフ パーペチュアル(Ref.SSC357)。2100年までの永久カレンダーとクロノグラフを備えた太陽光発電腕時計です。

エクストリームなサバイバルに必要なのは、どんなに過酷な環境でも故障したり止まったりしない「信頼できる道具」。そうなると選ぶべき腕時計は、メイド・イン・ジャパンになることは必然と言えるでしょう。

ちなみに、日本を代表する冒険家の故植村直己氏が愛用した腕時計もセイコー プロスペックスでした。信頼性という点では、日本製品はまだまだ一日の長がありそうです。

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第69回カンヌ映画祭 オープニングセレモニー(2016)

ここからは、マッツ・ミケルセンが映画祭のセレモニーなどで着用した腕時計を見ていきましょう。まずは2016年のカンヌ映画祭。

タキシードに蝶ネクタイの正装で現れたマッツ・ミケルセンが着けているのは、モンブラン ヘリテージ クロノメトロ エグゾ トゥールビヨン(Ref.112542)。トゥールビヨンとワンプッシュクロノグラフを搭載した複雑機構の一本です。

*出典元:https://shortfilmcornercannes.wordpress.com/

マッツ・ミケルセンは、この年のカンヌ映画祭コンペティション部門の審査員を務めており、その大役に恥じぬ、エレガントかつインパクトのある腕時計と言えるでしょう。

第71回カンヌ映画祭レッドカーペット(2018)

続いては2018年。是枝裕和監督の『万引き家族』がパルム・ドールを受賞した年のカンヌ映画祭でのひとコマです。先程ご紹介した『残された者 -北の極地-』の発表の為にカンヌを訪れたマッツ・ミケルセン。2016年のオープニングセレモニーとは打って変わって、ノーネクタイのカラーシャツという、カジュアルないでたち。

その腕に着けている時計は、ユリスナルダン エグゼクティブ スケルトン トゥールビヨン(Ref.1712-139)。極限まで肉抜きされた地板と、インデックスをブリッジに用いた構造は、まるでムーブメントが中空にあるような浮遊感を見る者に与える、不思議な腕時計です。

*出典元:https://watch-media-online.com/

ユリスナルダンはこの腕時計に「信念を持ち、恐れず挑戦する人たちに贈る腕時計」というコンセプトを与えていますが、常に新しいジャンルや表現媒体への挑戦を恐れないマッツ・ミケルセン自身を体現しているのではないでしょうか。

まとめ

知的でクール、何よりファッショナブルなマッツ・ミケルセンですが、実は「ジャージ大好きおじさん」としても知られております。「Y-3」などではなく、ドン・キホーテに行くのにちょうどよさげな、スポーツショップで売っている三本線のアディダスなどを着た姿がネット上でも多く見られます。

本人曰く「街で誰かがバスケしていたらすぐ参加できるでしょ? 僕はフィジカルな人間だから、こういう格好が好きなんだ」との事。こういう飾らない姿も魅力的です。

*出典元:https://baba-yaga-not-only.tumblr.com/

シュッとした正装姿と、普段着の飾らない姿。
この「ハレ」「ケ」のギャップがマッツ・ミケルセンの魅力を一段と引き立てているように思えます。

同じように、着ける腕時計も過酷な環境に耐えるエクストリームウォッチから、繊細なトゥールビヨンまで、シチュエーションに合わせた「ギャップ」ある着けこなしを見せてくれます。

皆様もぜひ、オンタイムとオフタイムではファッションの着こなしや腕時計を大きく変えて、魅力ある「ギャップ」を演出してみてはいかがでしょうか?
自分でも気づかなかった新たな一面が発見できるかもしれません。

ではまた!

Actor's watch