みなさん、こんにちは。

今回は11月27日(土)に香港で開催された【CHRISTIE’S(クリスティーズ)】のオークション結果に基づき【パテックフィリップ】の時計についてお話をしていきます。

※価格については、オークションの落札価格に手数料(25%)が入った金額となっております。
※日本円につきましては、オークション開催直近レートを参照しております。
※HKD(香港ドル)=15.17円
※画像は全てCHRISTIE’S参照

Lot.2340
アクアノート ジャパンブルー SS
Ref.5066A-010

HKD 750,000(JPY 11,377,500)

ジュネーブ開催の【PHILLIPS(フィリップス)オークション】でも出品されており、1998年に日本市場向けとして、1000本限定で販売された『アクアノート』”ミディアム”サイズ。マット調のブルー文字盤に、ほんのり焼き色の付いたインデックス・針夜光が絶妙でカッコいいです。このモデル専用の文字盤と同色のトロピカルバンドの相性も抜群です。今回のオークションでも安定の1000万オーバー。保証書も付属しており、コレクションに最適ですね。

Lot.2342
アクアノート TIFFANY SS
Ref.5167/1A-001

HKD 875,000(JPY 13,273,750)

現行『アクアノート』エクストラ・ラージ、SS(ステンレススチール)ブレスレット仕様「Ref.5167/1A-001」の”TIFFANY&CO.”Wネームモデルで、トロピカルバンドのお得な仕様となっています。申し訳なさそうに入っているロゴが可愛らしいですね(笑)ここのところ、通常モデルも価格が高騰しており、Wネームでこの値段は良いプライスであったかと思います。

Lot.2352
ノーチラス SS
Ref.3700/1

HKD 1,000,000(JPY 15,170,000)

初代『ノーチラス』通称”ジャンボ”が発表されたのが1976年。こちらは、アーカイブによると比較的初期にあたる1977年製造の「Ref.3700/1」。文字盤の経年変化により、”トロピカル”に見えますが、そこまで綺麗な変化ではなかったため、この落札結果であったかと思います。やはりヴィンテージの時計は、状態がとても大切になってきますね。

Lot.2353
ノーチラス 18KYG
Ref.3700/1

HKD 1,500,000(JPY 22,755,000)

こちらは”ジャンボ”サイズである「Ref.3700/1」の18KYG(イエローゴールド)仕様。文字盤が交換されているようですが、18KYGケースは数が少なく、価格も高騰しています。海外オークションでも、SS(ステンレススチール)ケースよりも見かけることは少ない印象です。

Lot.2355
ノーチラス SS
Ref.5711/1A-014

HKD 3,250,000(JPY 49,302,500)

2021年新作モデルとして発表された『ノーチラス』グリーン文字盤「Ref.5711/1A-014」。既に生産が終了したのでは?と言われているほど、市場での流通は極めて少ないです。正規販売価格からすると、びっくりする高騰ぶりですが、将来性を秘めた面白いモデルであると思います。コミット銀座にも1本展示しておりますので、お近くにいらした際はお立ち寄りください。

Lot.2357
10デイズ Platinum
Ref. 5100P-001

HKD 350,000(JPY 5,309,500)

ミレニアム(2000年)を記念して、限定で発表された10デイズ「Ref.5100」。独特なケースデザインですが、1950年代に発表された「Ref.2554」からインスパイアされたと言われており、通称”マンタ・レイ”とも呼ばれています。ケースは4素材(YG、RG、WG、PT)で発表されましたが、こちらのPlatinumは300本と一番生産本数が少なく、文字盤も黒でコレクションとして持つのには最適だと思います。付属品はアーカイブのみであったため、リーズナブルな落札金額になったかと思います。

Lot.2368
パーペチュアルカレンダー クロノグラフ 18KYG
Ref.3970

HKD 1,625,000(JPY 24,651,250)

レマニア・ベースのムーブメントを搭載した【パテックフィリップ】の代表作であるパーペチュアルカレンダークロノグラフ「Ref.3970」。こちらは100本ほどの少数製造と言われている1stシリーズにあたる個体で、ケースバック(裏蓋)がスナップバック仕様になっており、リーフハンドにバトンインデックスの組み合わせがクラシカルな雰囲気を放っております。落札金額もかなり伸びたと感じますが、レマニアベースのムーブメント需要も高くなっていると思いますし、このように数が少ないモデルは将来性もあって面白いですね。

Lot.2371
パーペチュアルカレンダー クロノグラフ 18KWG
Ref.5970G-001

HKD 1,125,000(JPY 17,066,250)

先ほど同様、レマニア・ベースのムーブメントを搭載したパーペチュアルカレンダークロノグラフ。こちらはその最終モデルにあたる「Ref.5970」。18KWG(ホワイトゴールド)ケースは、18KRG(ローズゴールド)ケースとともに2004年のバーゼルワールドで発表されました。コミット銀座でも比較的直近に18KRG(ローズゴールド)仕様を取り扱いましたが、最近はめっきり見かけなくなったモデルのひとつです。

Lot.2372
パーペチュアルカレンダー スプリットセコンド・クロノグラフ 18KYG
Ref.5004J-012

HKD 1,875,000(JPY 28,443,750)

1994年から2010年頃まで製造されたと言われる、レマニアベースのムーブメントを搭載したパーペチュアルカレンダースプリットセコンド・クロノグラフ「Ref.5004」。生産数も少なく市場でもなかなかお目にかかれない希少モデルです。こちらは、保証書の日付が2011年と極めて稀な個体であります。状態も良く、付属品類もしっかりと揃っており、密かに落札も企てていましたが、競り負けてしまいました(笑)

Lot.2375
パーペチュアルカレンダー スプリットセコンド・クロノグラフ Platinum
Ref.5204P-011

HKD 1,500,000(JPY 22,755,000)

先ほどご紹介した「Ref.5004」の後継機として発表された「Ref.5204」。発表当初はシルバー文字盤のみの展開でしたが、2014年のバーゼルで発表されたのがこちらの黒文字盤です。コミットでも販売の実績はございますが、Platinum(プラチナ)ケース×黒文字盤の組み合わせは、格別にカッコいいです。残念ながら、現行ではPlatinum(プラチナ)仕様の「Ref.5204」はラインアップされておりません。この落札金額、、、欲しかったです(笑)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、現行・比較的現行に近い年代のモデルを中心にピックアップさせていただきました。前回のパテック論でもお伝えした通り、驚くような値が付くことも多くあるオークションですが、市場で流通している相場感よりも全体的にリーズナブルな価格となっていたのは意外でしたね。

今後も海外オークションの結果につきましては、パテック論にてお伝えさせていただきたいと思います。

次回もお楽しみにしてください。
では、また!

阿部泰治のパテック論