映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第132弾の今回は、前回の予告通り「ケヴィン・スペイシーのIWC」をお送りします。
40年近い俳優としてのキャリアの中で、長きに渡りIWCの腕時計を数多く愛用してきたケヴィン・スペイシー。その腕時計たちは着用シーンもモデルも実に多彩で、彼の「IWC好き」が如何なく発揮されたコレクションとなっています。
*出典元:https://www.leisurebyte.com/
エレガントなドレスウォッチから精悍なスポーツモデルまで、幅広いラインアップが揃った、「インター愛」溢れるケヴィン・スペイシー・コレクション。
それではさっそく、「ハリウッドNo.1のIWCファン」の呼び名に相応しい彼の装いを紹介して参りましょう。
- ◆ ジャスト・ア・ヒーロー
- ◆ マージン・コール
- ◆ ハウス・オブ・カード
- ◆ まとめ
ジャスト・ア・ヒーロー
INSEPRABLE(2011)
*出典元:https://www.amazon.de/
ローンの返済に追われ、妻とはスレ違い、仕事も上手くいかずに人生ボロボロのリー(ダニエル・ウー)は自宅で首吊り自殺を図るが、引っ越しの挨拶に来た隣人のチャック(ケヴィン・スペイシー)が、玄関のチャイムを鳴らしたことで自殺を思い留まる。これをきっかけにチャックと交流を始めたリーは、やがて「人の為に奉仕する」という理念に目覚め、二人は手作りのコスチュームを着て「世直しヒーロー」としての活動を開始する。
「CIAの殺し屋」を自称するチャックの指導のもと、自警団としての仕事に精を出して充実の日々を送るリー。しかも、チャックに勧められて買った宝くじが大当たりして、人生はどんどん好転していく。しかし、そんなリーの幸せな生活は、長くは続かなかった、、、
*出典元:https://www.spotern.com/
本作の監督、デイヤン・エンから送られてきたシナリオに惚れ込んだケヴィン・スペイシーが、出演だけでなく製作総指揮も務めた中国映画『ジャスト・ア・ヒーロー』(2011)。主人公をヒーロー業へと誘う謎の男を演じた彼が着用している腕時計は、IWC パイロット メカニカル フリーガー クロノグラフ(Ref.IW3706)と思われます。
IWCが得意とするパイロットウォッチを着け、いかにもな「プロフェッショナル感」を醸し出す謎の男、チャック。この腕時計が、「CIAの殺し屋」を自称する男に説得力を持たせるアイテムとして一役買っていると言っていいでしょう。
マージン・コール
MARGIN CALL(2011)
*出典元:https://www.sanook.com/
ウォール街の投資銀行で非公開の大量解雇が行なわれる。その中の一人、リスク管理部門の責任者エリック(スタンリー・トゥッチ)は、部下のピーターにUSBメモリーを渡して社を去っていった。託されたデータを分析したピーターは、自社が保有するサブプライム商品が過度のレバレッジにより大きな負債を生じさせる可能性が高く、今日中に売り抜けなければ社の存亡に関わるであろうことを知る。
ピーターからの報告を受けた上司のウィル(ポール・ベタニー)とサム(ケヴィン・スペイシー)は緊急役員会の招集を進言。役員たちは、サブプライム商品の破綻に市場が気づく前に全て売りさばく事を決定するが、サムは「無価値になる事が明らかな金融商品」を売り抜けることは顧客を裏切る行為であるとして最後まで反対する、、、
*出典元:https://www.spotern.com/
「リーマンショック」と「サブプライムローン問題」を題材に、不良債権を抱えた投資会社の24時間の決断を描く経済ドラマ『マージン・コール』(2011)。役員が決めた不良債権の売り抜けに反対する証券マンを演じたケヴィン・スペイシーが本作で着用している腕時計は、IWC ポルトギーゼ クロノグラフ(Ref.IW371447)と思われます。
証券マンやトレーダーは顧客の資産を預かる仕事ですので、一目で高額と判る腕時計の着用は避けたいもの。一般的には高額とは判りにくく、それでいて腕時計愛好家からの評価は高く、かつスーツとの相性が抜群に良い「ポルトギーゼ」を愛用している金融マンは現実にも多く、それを反映したチョイスと思われます。
ハウス・オブ・カード
HOUSE OF CARDS(2013)
*出典元:https://www.wired.com/
ベテラン下院議員のフランク(ケヴィン・スペイシー)は、大統領候補のウォーカーを応援し、彼を勝たせることで国務長官の座を得ようとしていた。しかし当選を果たしたウォーカーの裏切りにより、国務長官のポストは他人の手に渡ってしまう。大きな屈辱を味わったフランクは、NPO法人の代表を務める妻のクレア(ロビン・ライト)と共に謀略を張り巡らせ、弱みを握った議員たちを手駒としてコントロールし、自らの力で政界をのし上がっていく。
将来の大統領選への地固めとして、ペンシルバニア州知事選挙に自分の息がかかった下院議員、ルッソ(コリー・ストール)を送り込んだフランク。しかし、ルッソが公約として掲げた環境法案は、天然ガス企業のロビイストの策略により否決されてしまう。当選の可能性が無くなり用済みとなったルッソをフランクは自殺に見せかけて殺害するが、そのことを懇意の記者に気づかれてしまう、、、
*出典元:https://www.sueddeutsche.de/
汚い手を使ってでも大統領の座を手に入れようとする、野心溢れるベテラン議員の姿を描いたNetflixの人気ドラマシリーズ、『ハウス・オブ・カード』(2013-2018)。主人公のフランクを5シーズンに渡って演じたケヴィン・スペイシーは、本作で複数のIWCの腕時計を着用しています。今回は、その中からモデルが判明している2本をご紹介いたしましょう。
*出典元:https://espaciolujo.com/
まずは、IWC パイロット ウォッチ スピットファイア クロノグラフ(Ref.IW387804)。ケース径43mmのパイロットウォッチながら、サテンとポリッシュのコンビ仕様のエレガントな仕上げにより、スーツやワイシャツにも違和感なく合わせられる一本となっています。
一見すると政治家らしく見えない大ぶりな腕時計ですが、大統領の座を狙わんとするフランクの野心を、アクティヴなパイロットウォッチで表現しているように思えます。
*出典元:https://www.miecas.pw/
続いては、IWC ポルトギーゼ オートマティック 7デイズ(Ref.IW500113)。大統領の座を射止めたフランクが着用するのは、議員時代に着けていたパイロットウォッチよりも遥かに高額な、18Kレッドゴールドの金無垢ドレスウォッチです。
アラビアインデックスにリーフ針、レイルウェイのミニッツサークルという、腕時計の伝統を感じさせるクラシカルなデザインの腕時計を着用することで、アメリカの歴史を象徴する「大統領」という存在を表現しているように感じられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
、、、と、まとめに入ろうと思ったタイミングでこのような写真を発見。雑誌インタビューでの一幕のようです。着用している腕時計は、IWC アクアタイマー クロノグラフ デイデイト(Ref.IW376803)。
映画だけでなく、オフショットでもIWCを着け続けるケヴィン・スペイシー。
大好きにも程があります。
*出典元:https://www.hollywoodreporter.com/
前回もお伝えした通り、2017年頃からセクハラや性暴力で複数の訴訟を受け、映画やドラマの降板が続いていたケヴィン・スペイシー。しかし今年に入り、ロンドンの裁判所で無罪判決を受け、疑いを晴らすことに成功。早くも復帰作の製作が開始されています。その劇中では、どんな腕時計を着けてくれるのでしょうか?
☞#131 【思い出がいっぱい】ケヴィン・スペイシーの腕時計 を読む
1950年代のIWCを支えた時計師アルバート・ペラトンの理念に基づき、堅牢性を重視し、故障しにくく、修理もしやすい設計となっているIWCの腕時計。それを愛用するケヴィン・スペイシーも同じく、たとえキャリアにキズを付けられても、その卓越した演技力で何度でも復活してくれるハズです。
また再び映画館で彼の演技を観られる日を、『セブン』(1995)の頃から追いかけているファンとして楽しみに待ちたいと思います。
おかえりなさい、ケヴィン・スペイシー。
ではまた!