映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第125弾の今回は、「ジェラルド・バトラーの腕時計」をお送りします。

スコットランド出身のジェラルド・バトラーは、大学で法律を学んだ後、エリザベス女王をも顧客とする名門法律事務所に就職。しかし夢であった俳優業を目指す為に数年で退職すると、舞台俳優としてキャリアを重ね、やがてスペクタクル映画『300〈スリー・ハンドレッド〉』(2007)の主役、レオニダス王役への抜擢でブレイクを果たします。

*出典元:https://www.gq-magazine.co.uk/

シルヴェスタ・スタローンアーノルド・シュワルツェネッガーとは一味違う、ギリシャ彫刻の如き均整の取れた肉体美で世界の映画ファンを魅了するジェラルド・バトラー。

今回は、そんな彼が劇中で着用した腕時計に迫ってまいりましょう。

バウンティー・ハンター

THE BOUNTY HUNTER(2010)

*出典元:https://www.nme.com/

元警察官のマイロ(ジェラルド・バトラー)は、逃亡した保釈人や犯罪者を捕まえて賞金を稼ぐバウンティ・ハンター。ある日彼は、別れた妻で新聞記者のニコール(ジェニファー・アニストン)が賞金首となっていることを知り、ギャンブルで作った多額の借金を返す為、ニコールを捕まえることを決める。

捜索の末、競馬場でニコールを見つけたマイロは彼女を執拗に追うが、あの手この手で逃げまわるニコール。そのうちにマイロは借金取りに、ニコールは新聞記者として調査している事件の黒幕に、それぞれ追われることになり、やがて二人は嫌々ながら協力し合って逃避行を続けることになっていく、、、

*出典元:https://www.jasmiewton.pw/

賞金稼ぎの元夫と、賞金首の元妻というドタバタコンビが、ある事件をきっかけに、共に陰謀に巻き込まれていくサスペンスコメディ『バウンティー・ハンター』(2010)。本作で賞金稼ぎの元警官を演じたジェラルド・バトラーが着用しているのは、オメガ スピードマスター プロフェッショナル(Ref.3570.50.00)と思われます。

第6世代」のスピードマスターとして知られる「Ref.3570.50」。初期のトリチウム&旧バックル仕様ならば近年はかなりの高騰を見せておりますが、画像で見る限り焼け感はなく、中期以降のルミノバ仕様に思えます。劇中ではギャンブル好きのズボラなオッサンとして描かれているマイロですが、手巻きの腕時計を着けているところを見ると、意外とマメな性格をしているのかもしれません。あまりそんな風には見えませんでしたが。

ハンターキラー 潜航せよ

HUNTER KILLER(2018)

*出典元:https://www.pilar.id/

ロシア領バレンツ海で、アメリカ海軍の潜水艦「タンパベイ」が撃沈され、消息を絶つ。軍上層部は事件調査の為、ジョー・グラス中佐(ジェラルド・バトラー)を艦長とする攻撃型の原子力潜水艦「ハンターキラー」の現地への派遣を決定する。

その頃ロシアでは、アメリカに対し戦争も辞さない姿勢を示す国防大臣(ミハイル・ゴア)のクーデターにより、穏健派の大統領が身柄を拘束され、監禁状態に。ロシア政権がタカ派の手に落ちたことで、第三次世界大戦勃発の危機が迫っていた。

事態を察知したアメリカ政府は状況打開の為、「ハンターキラー」を率いるグラス艦長に、ロシア大統領の救出を命ずるのだった。

*出典元:https://www.metacritic.com/

第三次世界大戦の勃発を止めるため、ロシア大統領奪還の命を受けたアメリカ海軍の潜水艦部隊の死闘を描くポリティカルアクション『ハンターキラー 潜航せよ』(2018)。リアリティ溢れる潜水艦でのバトルシーン撮影は、アメリカ軍の協力により本物の最新鋭原潜の艦内を忠実に再現できたことで成し得たそうです。

本作で「ハンターキラー」の艦長を演じたジェラルド・バトラーが着用している腕時計は、オメガ シーマスター プラネットオーシャン。かなりのゴツさに見えますので、46mmサイズの「Ref.232.30.46.21.01.001」ではないかと思われます。潜水艦への搭乗なら本機の600m防水は充分な性能。大きなサイズが視認性を高め、電子機器が多い船内での耐磁性も確保している本機は、実用性を最大限に考慮した、いかにも軍人らしい選択であると言えるでしょう。

ロスト・フライト

THE PLANE(2023)

*出典元:https://www.news18.com/

パイロットのブロディ(ジェラルド・バトラー)は、ビジネスマンやインフルエンサー、護送中の凶悪犯、ルイス(マイク・コルター)を乗せた旅客機でシンガポールから飛び立つが、乱気流に見舞われてフィリピンのホロ島に不時着。しかしそこは、凶悪なテロ組織が不法占拠する恐るべき紛争地帯として知られる島だった。

電気系統の故障により、離陸はおろか通信すらできなくなってしまった旅客機の修理を諦めたブロディは、通信手段を求めて島を捜索。一方、旅客機の不時着を知ったテロリストたちは乗客を捕らえ、身代金を得ようと画策する。

世界から「消えた航空機」として注目が集まる中、ブロディは機長として人質となった乗客たちの奪還を目指し、殺人犯のルイスと力を合わせてテロリストへの反撃を開始する。

*出典元:https://www.watchprosite.com/

凶悪なテロリストが支配する島に不時着した旅客機機長たちのサバイバルを描くアクション映画『ロスト・フライト』(2023)。護送中の殺人犯と力を合わせてテロリストたちを倒していく、パワフルな機長を演じたジェラルド・バトラーが本作で着用しているのは、ジャガールクルト ポラリス クロノグラフ WT(Ref.Q905T480)と思われます。

本機は、10時位置のリューズ操作でインナーベゼルを回転させることで、世界の主要24都市の時間帯を瞬時に確認できる「ワールドタイム機能」を備えたダイバーズ・クロノグラフ。世界中を飛び回るパイロットには最適な腕時計と言えるでしょう。海に囲まれたフィリピンの島への不時着ですので、100m防水のダイバーズウォッチであることもまた、サバイバルにはプラスに働くものと思われます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

テルモピュライの戦い(紀元前480年)に300人のスパルタ兵士と共に参戦し、20万人以上と伝えられるペルシア軍にも互角以上に渡り合い、最期は壮絶な死を遂げたスパルタ王、レオニダス一世を『300〈スリー・ハンドレッド〉』(2007)で演じたジェラルド・バトラー。

自ら前線に乗り込んでいくタイプの「頼れるリーダー」を演じさせたらハリウッドでも右に出る者のいない、そんな圧倒的存在感を示してくれる稀有な俳優の一人です。

*出典元:https://www.menshealth.com/

現場で先陣を切って戦うリーダーらしく、身に着ける腕時計も一流品。「超高級品」という訳ではありませんが、演じるキャラクターに合わせた高い実用性と堅牢性を備えつつ、デザイン性と存在感を兼ね備えた「スクリーン映え」する高級腕時計が選ばれているように見えます。

いい腕時計を身に着けた「頼りになるリーダー」が、悪人をバッタバッタとなぎ倒していく様を見たいなら、ジェラルド・バトラーのアクション映画を迷わずチェック。彼がシークレット・サービス隊長のマイク・バニングを演じた『エンド・オブ・ホワイトハウス』(2013)もオススメです!

あ、でも、マイク・バニングが愛用している腕時計はG-SHOCKだった、、、
でもまあ、、、G-SHOCKもいい時計だし、、、

ではまた!

Actor's watch