映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第120弾の今回は、「デイヴ・バウティスタの腕時計」をお送りします。
GWの公開初日に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー volume3』(2023)を観て以来、いまだ他の映画について考える余裕がありませんので、今回も本作絡みのネタで参ります。
今回フォーカスするのは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(以下「GotG」)の一員、「おバカ&怪力」担当の脱獄戦士ドラックスを演じた俳優、デイヴ・バウティスタ。
*出典元:https://kenh14.vn/
デイヴ・バウティスタは、2002年から2014年にかけプロレス団体「WWE」に所属し、スターレスラーのひとりとして活躍。アスリート業と並行してテレビドラマやアクション映画にも出演する中で、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)のドラックス役として俳優としても大ブレイクを果たします。
その後は『ブレードランナー2049』(2017)や『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)など、数々の大作映画に出演。知的なマッチョからおバカなマッチョまで、「マッチョ役なら何でもお任せ」とばかりに、活躍の場を広げてきました。
今回は、そんなデイヴ・バウティスタが劇中で着用している腕時計に迫って参りましょう。
- ◆ 007 スペクター
- ◆ STUBER/ストゥーバー
- ◆ ナイブズ・アウト: グラス・オニオン
- ◆ まとめ
007 スペクター
SPECTRE(2015)
*出典元:https://batman-news.com/
メキシコシティで爆弾テロを防いだジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)。しかしそれは、彼が所属するMI6が指示した任務ではなく、上司の「M」(レイフ・ファインズ)は事件の詳細を語ろうとしないボンドを無期限の謹慎処分にする。しかし、ボンドは「M」の秘書であるマネーペニー(ナオミ・ハリス)に、今回の捜査は亡くなった前任の「M」の遺言であると打ち明けると、MI6から車を無断で持ち出し、単身で事件の捜査を続ける。
事件の真相を求めてローマに辿り着いたボンドは、テロを主導する秘密組織「スペクター」の会議への潜入に成功するが、そこで彼が目にした秘密組織の首領「ブロフェルド」の正体は、幼少期のボンドが生活を共にしていた義兄、フランツ・オーベルハイザー(クリストフ・ヴァルツ)だった。
ボンドが会議に潜入している事を知っていたブロフェルドは包囲網を敷くが、ボンドは辛くも脱出に成功。秘密組織の一員であるヒンクス(デイヴ・バウティスタ)との壮絶なカーチェイスの末に逃げ切るが、ボンドは、いずれ義兄フランツとの対決が避けられないであろうことを覚悟する。
*出典元:https://www.jamesbondlifestyle.com/
ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの4作目『007 スペクター』(2015)。MI6と敵対する「スペクター」の一員として、巨体と怪力でボンドを危機に陥れるヒンクスを演じたデイヴ・バウティスタが本作で着用している腕時計は、ラドー D-スター オートマチック クロノグラフ(Ref.R15198152)と思われます。
工業用ドリルなどに使われるハードメタルを素材に採用し「傷が付かない腕時計」として1962年に発売された「ダイヤスター」。そのスピリットやデザインを継承し、セラミックを素材として生まれ変わったモデルが「D-スター」です。
乗っている車の大破や炎上すらものともせずにボンドを追い詰めていく「ヒンクス」というキャラクターを、この「傷が付かない腕時計」で表現していると考えて間違いないでしょう。
STUBER/ストゥーバー
STUBER(2019)
*出典元:https://culturedvultures.com/
ロス市警の捜査官ヴィック(デイヴ・バウティスタ)は、麻薬組織のボス、テジョ(イコ・ウワイス)を追い詰めるが、あと一歩のところで反撃に遭い、相棒のサラ(カレン・ギラン)を殺されたあげく逃げられてしまう。この一件でテジョの捜査はFBIに移され、サラの仇を討つこともできなくなったヴィック。追い打ちをかけるように突然の視力低下に襲われた彼は、上司から休暇の取得と目の治療を命じられる。
そんなある日、レーシック手術を受けたばかりのヴィックのもとに、テジョの情報が舞い込む。すでに捜査権を失っているヴィックだが、サラの仇を討つため、彼は自分ひとりでテジョを追うことを決意する。しかし、手術直後でほとんど目が見えず運転もままならない彼は、Uberで呼んだ車でテジョを追うことを思いつく。配車を依頼した彼のもとに現れたのは、評価を上げるため、どうしても「星5」のレビューが欲しい移民ドライバー、ストゥ(クメイル・ナンジアニ)だった。
*出典元:https://www.youtube.com/
恋人の夢を叶えるためにUBERで稼ごうと奮闘する移民ドライバーが、殺された相棒の仇を討つために復讐の鬼と化したマッチョ捜査官に、無理やり協力させられる傑作バディムービー『STUBER/ストゥーバー』(2019)。本作で、悩み多き移民ドライバーに「男とは何か」を叩きこむ捜査官、ヴィックを演じたデイヴ・バウティスタの腕には、アーミトロン スポーツ(Ref.45/7004BLU)が着けられています。
創業は1956年のニューヨーク。TIMEXなどと並び、アメリカのカジュアルウォッチ業界で常に五指に入る売り上げを誇るアーミトロンは、日本製ムーブメントの採用により高精度で耐久性のある腕時計として知られ、アメリカ人に長年愛され続けているブランドのひとつです。腕っぷしだけが頼りの剛腕捜査官の腕には、やはりこのようにマッシブな腕時計が最もお似合いと言っていいでしょう。
ナイブズ・アウト: グラス・オニオン
Glass Onion: A Knives Out Mystery(2022)
*出典元:https://batman-news.com/
巨大ハイテク企業「アルファ」の創業者マイルズ(エドワード・ノートン)は、ギリシャにあるプライベート・アイランドに友人たちを招待する。マイルズに呼ばれたのは、上院議員候補のクレア(キャスリン・ハーン)や、男権活動家のデューク(デイヴ・バウティスタ)など、マイルズが支援する7人の男女。
そしてなぜか、マイルズが招待していないはずの名探偵、ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)と、「アルファ」を追い出された共同創設者、アンディ(ジャネール・モネイ)も招待状を受け取り、島を訪れていた。
招待初日の夕食時、マイルズは「自分が誰かに殺される」という設定の、趣向を凝らした殺人ミステリーゲームの開催を宣言する。用意された謎を片っ端から解き明かしてしまうブランに一同はしらけ顔だったが、マイルズのグラスで酒を飲んだデュークがもがき苦しんだあげく、本当に死んでしまったことで状況は一変。干潮の影響で翌朝まで医者も警察も島に入れない中、マイルズはブランに犯人捜しを依頼する。
*出典元:https://wegotthiscovered.com/
ダニエル・クレイグが「紳士的だがクセの強い名探偵」ブノワ・ブランを演じるサスペンスシリーズの2作目『ナイブズ・アウト: グラス・オニオン』(2022)。デイヴ・バウティスタは事件の最初の被害者となる「自慢話ばかりの男権思想YouTuber」デューク・コーディを演じています。
劇中で彼の腕に着けられているのは、パネライ サブマーシブル ゴールドテック(Ref. PAM01164)。男性的なデカ厚ウォッチの代名詞、パネライの中でも、特に堅牢性や耐傷性に優れたモデルの多いサブマーシブルが選ばれています。やっぱりここでも「頑丈さ」がキーワードとなっておりますが、金回りの良いインフルエンサー役らしく、そこに「ラグジュアリーさ」が加味されているのが、前の2作と比べて新鮮な印象をもたらしています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
見事「頑丈さが売りの腕時計」が3本並ぶ結果となりました。ドレッシーな腕時計では、自慢の剛腕を思う存分に振り回すこともできませんので、当然といえば当然の選択と言えますね。
「名は体を表す」ならぬ「時計は体を表す」という表現が、まさにピッタリです。今後もどれだけゴツい腕時計を着けてくれるか、注目して参りましょう。
*出典元:https://deadline.com/
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー volume3』でめでたく大団円を迎えた「GotG」シリーズ。監督のオタク感性とサービス精神、俳優たちの確かな演技が完璧に噛み合わさり、近年まれに見る傑作となったように個人的に思っています。
主役のスター・ロードを演じたクリス・プラット。
宇宙一危険なアライグマ「ロケット」の声を演じたブラッドリー・クーパー。
「GotG」シリーズ全作品でメガホンを取ったジェームズ・ガン監督。
そして今回のドラックス役、デイヴ・バウティスタ。
これにて当コラムでは「GotG」の監督&主要男性キャスト全員を完全制覇と相成りました。
彼らがどのような腕時計を着用していたかは、こちらのリンクからご確認を。
「GotG」シリーズは完結しましたが、彼らの物語はまだまだ続くようです。それがどういう形の作品になるのかは判りませんが、彼らに再び会える日を楽しみに待ちたいと思います。
ではまた!