映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第117弾の今回は、「ペドロ・パスカルの腕時計」をお送りします。
エミー賞やゴールデングローブ賞で数多くの栄冠に輝いたファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011)や、巨大麻薬組織と麻薬取締局の戦いを描いた実録ドラマ『ナルコス』(2015)など、大ヒットTVドラマでの熱演で、その人気と評価を確固たるものとしたチリ出身の俳優、ペドロ・パスカル。
*出典元:https://oquartonerd.com.br/
ヒゲが似合うヒスパニック系のワイルドな風貌ながら、サスペンスやアクション作品だけでなく、オタク好みの「アメコミ映画」「ゲーム原作ドラマ」「スターウォーズ関連作」などにも数多く出演している彼は、その幅広いファン層からの支持と人気により、今後の更なる活躍が期待されるニュースターのひとりと目されています。
今回はそんなペドロ・パスカルが着用した腕時計に注目して参ります。
- ◆ ナルコス
- ◆ キングスマン:ゴールデン・サークル
- ◆ ワンダーウーマン 1984
- ◆ まとめ
ナルコス
NARCOS(2015)
*出典元:https://batman-news.com/
南米の麻薬王として知られるエスコバル(ヴァグネル・モウラ)は、コロンビアの軍隊や警察を買収し、政府すら手が出せない巨大麻薬密売組織「メデジン・カルテル」を創設。効率的な麻薬ビジネスで巨万の富を築き、政界への進出すら始めようとしていた。
カルテルが流通させる膨大な量の麻薬により、アメリカ社会は深刻なドラッグ汚染に悩まされるが、麻薬生産国の軍隊や警察はカルテルとの結びつきを強めており、取り締まりは困難を極め、事態は悪化していくばかり。
問題を解決するため、アメリカ麻薬取締局(DEA)は捜査員をコロンビアに派遣。麻薬の上陸地であるマイアミの捜査官マーフィー(ボイド・ホルブルック)と、スペイン語に堪能なヒスパニック系の捜査官ペーニャ(ペドロ・パスカル)は特命チームを組み、コロンビア政府の法律執行組織と協力し、エスコバルの逮捕とアメリカへの麻薬流入阻止を目論むが、、、
*出典元:https://elgintime.blogspot.com/
1980年代から90年代にかけ、南米で巨大な麻薬密売組織を築き上げた実在の麻薬王パブロ・エスコバルと、彼を追い詰めた実在の捜査官、スティーブ・マーフィーとハビエル・ペーニャの活躍を忠実に再現した実録サスペンスドラマ『ナルコス』(2015)。
女性には甘いが人情家で、情報提供者の素性は決して口外しない寡黙な捜査官ペーニャを演じたペドロ・パスカルは、本作でオリエントスター オートマティック(Ref.BEM5X003D)を着用しています。
物語の舞台である1980~90年代は、日本製の自動車や家電製品などが「メイド・イン・ジャパン」と呼ばれ、世界中で高い人気を博していた時代。高精度で頑丈ながら価格の安いセイコー、シチズン、オリエントの腕時計も、庶民の平均年収が低い南米諸国で圧倒的な支持を受けていました。そんな時代背景を強く感じさせる一本が選ばれています。
キングスマン:ゴールデン・サークル
KINGSMAN: THE GOLDEN CIRCLE(2017)
*出典元:https://twitter.com/
世界平和の維持を目的として創設されたイギリスの独立スパイ組織「キングスマン」が、麻薬組織「ゴールデン・サークル」の襲撃に遭い、わずかな生存者を残して壊滅する。生き残った
若手エージェントのエグジー(タロン・エガートン)と補佐のマーリン(マーク・ストロング)は、本部に残されたウイスキーの酒瓶に残されたヒントを頼りに、アメリカへと向かう。
ウイスキーの製造元であるケンタッキーの醸造所を訪れた二人。不自然なほど厳重に警備されたウイスキー倉庫に忍び込んだ彼らは、そこが「キングスマン」と同じ独立スパイ組織「ステイツマン」の本部であり、そこには、死んだと思われていた「キングスマン」のベテランエージェント、ハリー(コリン・ファース)が記憶喪失となって暮らしていることを知る。
その頃「ゴールデン・サークル」は、アメリカ大統領に麻薬の合法化を要求。受け入れられない場合、麻薬に仕込まれた毒物により数億人のアメリカ人が死ぬことになると政府を脅迫する。事態を重く見たエグジーとマーリンは、記憶を取り戻したハリーと、「ステイツマン」のエージェント、ウイスキー(ペドロ・パスカル)と共に、「ゴールデン・サークル」の壊滅ミッションを開始する。
*出典元:https://productplacementblog.com/
何よりも礼儀とマナーを重んじ、敵と戦う際にもスーツ&革靴のフォーマルスタイルを決して崩さない英国紳士エージェントの活躍を描いた『キングスマン』(2014)。そのシリーズ第二作『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)で、ペドロ・パスカルは、カウボーイスタイルのアメリカンなスパイ組織「ステイツマン」のメンバー、コードネーム「ウイスキー」を演じています。
そんな彼が劇中で着用している腕時計は、タグホイヤー モナコ キャリバー11 クロノグラフ(Ref.CAW211P.FC6356)。「ステイツマン」の他のメンバーも同じ腕時計を着用しているので、組織に制式採用されている腕時計なのかもしれません。
キャリバー11を搭載した左リューズのモナコは、ハリウッドの名優スティーブ・マックイーンが愛用していた事で知られるモデル。その復刻版である本機を着用することで「アメリカ」を象徴させているように思えます。
ワンダーウーマン 1984
WONDER WOMAN 1984(2020)
*出典元:https://variety.com/
米ソ冷戦下の1984年、アメリカ。ダイアナ・プリンス(ガル・ガドット)はスミソニアン博物館の考古学者として働きながら、ワンダーウーマンとして悪と戦い続けていた。ある日、密輸された盗品の鑑定のため博物館に届けられたのは「何でも一つだけ願いを叶える」と彫られた奇妙な鉱石。ダイアナが「遠い昔に亡くなった恋人のスティーブ(クリス・パイン)を生き返らせて欲しい」と願うと、本当にスティーブが現代に蘇る。
その代償として、ダイアナはワンダーウーマンとしてのスーパーパワーを失ってしまうが、逆に、鉱石に「ダイアナのようになりたい」と願った同僚の女性学者バーバラ(クリステン・ウィグ)はスーパーパワーを手にすることに。
実は、もともとその鉱石を密輸しようとしていたのは、大きな野望を抱く石油ビジネスの起業家、マックス・ロード(ペドロ・パスカル)。彼はバーバラに近づくと、彼女を騙して鉱石を奪うことに成功し、鉱石の持つ巨大な力を手に入れる、、、
*出典元:https://www.gq-magazine.co.uk/
DCコミックを代表する女性ヒーローの活躍を描く『ワンダーウーマン』シリーズの第二作、『ワンダーウーマン 1984』(2020)。1984年を舞台としたレトロ感のある本作。ペドロ・パスカルは、魔法の鉱石の力で世界を我が物にしようとする新興石油会社の胡散臭い経営者、マックスを演じています。
某アメリカ元大統領の若い頃(不動産王時代)にそっくりなマックス(笑)。そんな彼が劇中で着用している腕時計は、金無垢&10Pダイヤのロレックス デイトジャスト(Ref.16238G)と思われます。
金無垢のデイデイトやデイトジャストは、映画に登場する詐欺師や投資家などが決まって身に着けている腕時計。それだけ、身に着ければ他人からの信用を獲得する効果が高いということなのでしょう。善き人が着ければ善き腕時計に、悪しき人が着ければ、、、という「腕時計と着用者の関係性」がよく表れるモデルと言えるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ヒスパニック系俳優として、いまやハリウッドで一二を争う人気スターとなりつつあるペドロ・パスカル。演技力やカリスマ性もさることながら、下積みの長い苦労人だからか、共演者から「謙虚すぎて大嫌い」と冗談を言われるほどの人格者でもあります。性的なゴシップやパワハラによる主役級俳優の降板が相次ぐTVドラマ界で、そういったトラブルとは無縁の彼が、主要キャラクターとして重宝されるのは当然の結果と言えるでしょう。
*出典元:https://wegotthiscovered.com/
ここ数年、商業的すぎるとしてファンの間であまり評判がよろしくない『スター・ウォーズ』の新作映画やTVドラマですが、その中で唯一と言っていい「古くからのファンも納得の作品」として高い評価を受けているのが、TVドラマシリーズ『マンダロリアン』(2019)。
人気キャラクター「ボバ・フェット」のルーツとなる戦闘民族「マンダロリアン」の戦士が、フォースを操る赤ん坊を救ったことで帝国軍から追われる身となる物語を描いた本作。主役の戦士「マンドー」を熱演し、世界中の『スター・ウォーズ』ファンから喝采を浴びまくっているペドロ・パスカルの人気と知名度が、今後一層高まっていくことは間違いありません。
*出典元:https://i-d.vice.com/
また、プライベートやオフショットでは個性的な装いの多い「ファッション番長」としても知られるペドロ・パスカル。このようなスタイルに、彼がどのような腕時計を合わせるのか?メディアへの露出が増えれば、それを目にする機会も増えていくに違いありません。GWには、それを楽しみに『マンダロリアン』の続きを観たいと思います!
ではまた!