映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第113弾の今回は、クリス四天王の四人目「クリス・パインの腕時計」をお送りします。
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*出典元:https://www.revistagq.com/
世界中に多くのファンがいるSF映画シリーズ『スター・トレック』(2009)でカーク船長役を射止め、スター俳優の仲間入りを果たしたクリス・パイン。クリス四天王の中でも、特に落ち着いた大人の雰囲気を感じさせ、アイドル俳優的な人気ではなく、その「渋さ」「ナイスミドル感」が、彼の人気の秘密と言っていいでしょう。
*出典元:https://www.youtube.com/
そんなクリス・パインも、若手時代にはこんなハッチャけた役もやっていたことを私は知っておりますが(そして大好きなキャラクターですが)、それは内緒にしておきます。興味ある方は『スモーキン・エース』(2006)、「トレモア3兄弟」で検索を。
それではさっそく、クリス・パインの腕時計に注目して参りましょう。
- ◆ エージェント:ライアン
- ◆ ワンダーウーマン 1984
- ◆ オールド・ナイブス
- ◆ まとめ
エージェント:ライアン
JACK RYAN: SHADOW RECRUIT(2014)
*出典元:https://www.npr.org/
2001年のアメリカ同時多発テロの後、元海兵隊員のジャック・ライアン(クリス・パイン)はウォール街の金融マンとして働きながら、CIAのエージェントとしてテロリストの資金の流れを監視していた。
ある日、ロシアの大富豪ヴィクトル(ケネス・ブラナー)の口座に怪しい動きがあったことを察知したライアンは、監査のためにモスクワを訪れる。ヴィクトルがアメリカ経済の崩壊を狙って米国債の暴落工作を仕掛けていると睨んだライアンは、謎の暗殺者に追われながらもヴィクトルのオフィスに忍び込み、機密情報を手に入れることに成功するが、、、
*出典元:https://icbritanico.edu.ar/
『レッド・オクトーバーを追え』(1990)、『今そこにある危機』(1994)などで知られる、トム・クランシー原作の人気アクション映画「ジャック・ライアン」シリーズ。類い稀な情報分析能力を有した元海兵隊員の金融マン兼任スパイ、ジャック・ライアンは、長年に渡りハリソン・フォードやベン・アフレックら、スター俳優が演じてきた人気のキャラクター。12年ぶりの新作『エージェント:ライアン』(2014)では、クリス・パインが演じることに。
そんな彼が劇中で着用している腕時計は、カシオ SGW300H-1AV。複数のセンサーを備え、気圧計、温度計、高度計として使用できる多機能デジタルウォッチです。アクションシーンはともかくとして、ウォール街の金融マンらしい、仕立ての良いスーツを着ているシーンでもこの腕時計が着用されており、正直なところ、木に竹を接いだような違和感が否めません(笑)
ワンダーウーマン 1984
WONDER WOMAN 1984(2020)
*出典元:https://www.youtube.com/
米ソ冷戦下の1984年、アメリカ。ダイアナ・プリンス(ガル・ガドット)はスミソニアン博物館の考古学者として働きながら、ワンダーウーマンとして悪と戦い続けていた。ある日、密輸された盗品の鑑定のため博物館に届けられたのは「何でも一つだけ願いを叶える」と彫られた奇妙な鉱石。ダイアナが「遠い昔に亡くなった恋人のスティーブ(クリス・パイン)を生き返らせて欲しい」と願うと、本当にスティーブが現代に蘇る。
その代償として、ダイアナはワンダーウーマンとしてのスーパーパワーを失ってしまうが、逆に、鉱石に「ダイアナのようになりたい」と願った同僚の女性学者バーバラ(クリステン・ウィグ)はスーパーパワーを手にすることに。
実は、もともとその鉱石を密輸しようとしていたのは大きな野望を抱く石油ビジネスの起業家マックス・ロード(ペドロ・パスカル)。彼はバーバラに近づくと、彼女を騙して鉱石を奪うことに成功する。
*出典元:https://www.warnerbros.com/
DCコミックを代表する女性ヒーローの活躍を描く『ワンダーウーマン』シリーズの第二作、『ワンダーウーマン 1984』(2020)。1984年を舞台とした昭和レトロ感のある本作で、魔法の石の力で生き返ったワンダーウーマンの元恋人、スティーブを演じるクリス・パインが身に着けているのは、カシオ A168W-1。まさに「ザ・80年代」を感じさせる一本と言っていいでしょう。
3000円以下で買える「チープカシオ」の代表格といえる本機は、価格に見合わない高精度&堅牢性、そして、どのような服装にも合うスタイリッシュなデザインで世界中に愛好者が存在するデジタルウォッチ界の名品中の名品。1989年頃から販売されている腕時計なので、厳密には時代が合っていないのですが、安さに免じて細かいことは言いっこなしでお願い致します。
オールド・ナイブス
ALL THE OLD KNIVES(2022)
*出典元:https://theplaylist.net/
8年前に起きた、イスラム過激派によるハイジャックテロ事件。事件の首謀者イリヤスが捕まり、CIAに内通者がいると証言したことから、事件の当事者でもあるCIAの諜報部員ヘンリー(クリス・パイン)は再捜査を指示される。捜査線上にあがった内通の容疑者は、事件当日にイラクに電話していたCIAウィーン支局のナンバー2、コンプトン(ジョナサン・プライス)と、その部下シリア(タンディ・ニュートン)。
ヘンリーは、CIAを引退した元同僚であり、かつての恋人でもあったシリアに話を聞くため、彼女が住むカリフォルニアのレストランで会う約束を交わす。久々に出会った二人が事件当日の記憶を思い出していくと、次第に事件の真相へと近づいていく、、、
*出典元:https://www.fromthemovie.com/
かつての恋人が裏切り者かもしれないという、スパイの宿命を描いた『オールド・ナイブス』(2022)。自分が防げなかったハイジャックテロ事件を捜査するCIAの諜報員を演じたクリス・パインは、本作で セイコー プレザージュ カクテルタイム(Ref.SARY165)を着用しています。
定価5万円ほどのドレスウォッチでありながら、ギョーシェ風の型押しとフュメグラデーションが施されたカラーダイヤル、インデックスの数字フォントなど、細部までヴィンテージ風のこだわりが詰め込まれたプレザージュ カクテルタイム。「旅先で偶然に訪れたバーで出会った、ヴィンテージグラスに注がれたカクテル」をイメージしてデザインされたこの腕時計は、渋い大人の魅力を押し出してきた最近のクリス・パインによく似合っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
クリス・パインはプライベートやオフショットでも、ロレックスのごく普通の黒のサブマリーナーくらいしか着用しておらず、劇中の腕時計も含めて「実用本位」「コスパ重視」がポリシーのように思えます。ドレスウォッチが似合う役柄でもセイコー プレザージュという、非常にコスパの良い腕時計が選ばれており、当店で扱う高級腕時計とは一線を画すものの、コレはコレで、ひとつの「腕時計哲学」と言えるでしょう。
*出典元:https://reelrundown.com/
さて、ハリウッドが誇る「クリス四天王」。その全員の着用した腕時計をリサーチするという前人未到(誰もやらないだけ)の偉業を成し遂げ、私は今、感動で心が震えております。(笑)
今後も面白そうな「くくり」や「テーマ」があれば、同様にリサーチ&ご報告していきたいと思いますので、どうか引き続き「Actor’s Watch」をご愛読のほど、よろしくお願いいたします。
ではまた!