映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第110弾の今回は、「クリス・ヘムズワースの腕時計」をお送りします。
*出典元:https://sports.yahoo.com/
北欧神話のトール神をモデルにしたヒーロー映画『マイティー・ソー』(2011)の主人公、ソー役で人気のクリス・ヘムズワース。ビルドアップされた肉体と、ワイルドながら甘いマスクで世界中の女性を虜にする新世代のイケメンアクションスターとして、日本でも「クリヘム」の愛称で親しまれています。
また『ゴーストバスターズ』(2016)の頃から彼のコメディ演技にも注目が集まっており、特に「顔と筋肉しか取り柄のないチャラ男」を演じさせたら、今やハリウッドで右に出る者はいないとすら言われております。
今回の「Actor’s Watch」は、そんなクリス・ヘムズワース(以下クリヘム)の腕時計に注目して参ります。
- ◆ ラッシュ/プライドと友情
- ◆ お!バカんす家族
- ◆ メン・イン・ブラック:インターナショナル
- ◆ タイラー・レイク -命の奪還-
- ◆ スパイダーヘッド
- ◆ まとめ
ラッシュ/プライドと友情
RUSH(2013)
*出典元:https://cinema.everyeye.it/
「コンピューター」と称される頭脳的なドライビングでシーズントップを独走するニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)と、それを猛追する自由奔放な壊し屋レーサー、ジェームズ・ハント(クリス・ヘムズワース)。この対照的な二人の走りが1976年のF1レース界を盛り上げていた。
その年のドイツグランプリ。豪雨で最悪のサーキット状況の中、ラウダはクラッシュし、生死の境を彷徨うほどの重傷を負ってしまう。彼がレースに出られない間、ハントの猛追によりラウダとの差は縮まっていく。病院でその様子を眺めるラウダは、大事故からわずか42日間の療養でレースへの復帰を決意する。
*出典元:https://www.backstage.com/
1970年代のF1界を代表する2人のレジェンドレーサーのライバル関係と友情を描いた『ラッシュ/プライドと友情』(2013)。野性的な情熱家の「壊し屋」レーサー、ジェームズ・ハントを演じたクリヘムは、劇中でホイヤー カレラ クロノグラフ(Ref.1158CHN)を着用しています。
Cラインの金無垢ケースに左リューズの「キャリバー11」を搭載した本機は、ジャック・ホイヤーがフェラーリのF1ドライバーに贈ることが伝統となっていた特別なクロノグラフ。しかし、本作の舞台である1976年当時、ジェームズ・ハントはマクラーレン所属。むしろ、フェラーリ所属だったライバルのニキ・ラウダが着けているべき腕時計です(実際にニキ・ラウダ本人がこの時計を着用している写真も残されています)。
調べたところ「ニキ・ラウダ役のダニエル・ブリュールが着けるハズだったが、制作陣が間違えてクリヘムに着用させてしまった」という事のようです。ラグジュアリーで個性的な金無垢クロノグラフなので、クールなニキ・ラウダより、派手好きなジェームズ・ハントの方が確かに似合うんですよね(笑)
お!バカんす家族
VACATION(2015)
*出典元:https://ew.com/
全米一のおバカ家族として有名なグリズワルド家の長男ラスティ(エド・ヘルムズ)は、仕事と家族を愛する気のいい男。しかし二人の息子は毎日喧嘩ばかり、毎年恒例のアウトドア旅行に妻は飽き飽き。そんなマンネリを打開して家族の絆を取り戻すべく、ラスティは自分が子供の頃に楽しんだ国民的テーマパーク「ワリー・ワールド」への家族旅行を思い立つ。
レンタカーに乗り、夢の「ワリー・ワールド」を目指してアメリカ横断旅行を開始したラスティ一家。途中で妹夫婦の家に寄り、イケメンセレブの義弟(クリス・ヘムズワース)とひと悶着あったり、温泉と間違えて下水に浸かったり、渓流下りのガイドが婚約者にフラれて自暴自棄だったりと災難続き。ラスティ一家は無事に『ワリー・ワールド』に辿り着けるのか!?
*出典元:https://www.allocine.fr/
ハリウッドのおバカコメディ『ナショナルランプーン』シリーズの一作、『お!バカんす家族』(2015)。本作で主人公ラスティの妹夫婦の夫、ストーン・クランドル役を演じるクリヘムは、イケメンセレブの金持ちらしく、ラグジュアリーなダイヤ巻きのロレックス デイデイトⅡ(Ref.218348)と思われる腕時計を着用しています。
劇中では、パンツ一丁にこの時計だけを着け、照れ照れでポージングするクリヘムの姿が堪能できますので、興味ある方は是非ご覧ください。
メン・イン・ブラック:インターナショナル
MEN IN BLACK:INTERNATIONAL(2019)
*出典元:https://www.ign.com/
人知れず地球に生息している異星人たちを監視し、取り締まる秘密機関MIB(メン・イン・ブラック)。真面目な新人エージェントの「M」(テッサ・トンプソン)は、MIBロンドン支局に潜したスパイ摘発の任務を受け、調査を開始する。
チャラいイケメン先輩エージェントの「H」(クリス・ヘムズワース)を相棒に任務を遂行していく二人だが、潜入スパイが仕掛けた罠により、自分たちがMIBに追われる身となってしまう。
*出典元:https://www.fromthemovie.com/
ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズ主演で人気となったSFコメディアクションシリーズ『メン・イン・ブラック』(1997)。全米に住むエイリアンたちを監視する「MIBニューヨーク本部」の活躍を描いた前作に対し、本作は「MIBロンドン支局」を舞台としたスピンオフ作品。
当シリーズにおいてMIBのエージェントはハミルトン ベンチュラの着用が義務付けられていますが、その伝統は本作でも健在。クリヘム演じるエージェント「H」も、ハミルトン ベンチュラ オート(Ref.H24515551)を着用しています。1957年に「世界初の電池式腕時計」として発売され、未来感のあるデザインと相まって強烈な先進性を感じさせたベンチュラ。それが機械式時計として現代に蘇り、SFコメディに温かみのあるレトロフューチャー感をもたらしています。
タイラー・レイク -命の奪還-
EXTRACTION(2020)
*出典元:https://whatculture.com/
裏社会の傭兵タイラー・レイク(クリス・ヘムズワース)は、敵対組織に誘拐されたバングラデシュの麻薬王の息子、オヴィ(ルドラクチャ・ジェイスワル)の救出を依頼される。首都ダッカでミッションを難なく成功させたタイラーだが、救出したオヴィを連れたタイラーは、敵対組織と警察から追われる身となる。
仲間からオヴィを見捨てて逃げるよう説得されたタイラーだが、息子を失った過去を持つタイラーは、オヴィを守ることを決断。二人はダッカからの脱出を目指す。
*出典元:https://timeandtidewatches.com/
インタビューでクリヘムが「これほどのアクションは初めてだ」と語り、Netflixにおける「1ヶ月間の視聴世帯数記録」を1週間で塗り替えたミリタリーアクション大作『タイラー・レイク -命の奪還-』(2020)。本作で彼はカーキ色の カシオ G-SHOCK レンジマン(GW-9400)を着用しています。
2013年にG-SHOCKにラインナップされた「レンジマン」は、山岳地帯やジャングルで活動するレンジャー部隊の使用を想定した「究極のサバイバルタフネス」をコンセプトとした腕時計。「一流の傭兵が自分の命を預ける腕時計」として、これほど信頼性の高いモデルはありませんね。
スパイダーヘッド
ESCAPE FROM SPIDERHEAD(2022)
*出典元:https://thenerdsofcolor.org/
受刑者を使った新薬の治験を行なっているスパイダーヘッド刑務所。治験に協力する見返りとして、受刑者たちは刑務所内での自由行動が許可されていた。大きな後悔を抱えて入所した囚人のジェフ(マイルズ・テラー)も、過去に犯した罪を償うため「多くの人の命を救う新薬開発の為」という説明に納得し、自ら進んで治験に協力していた。
しかし、刑務所の全権を握る天才科学者アブネスティ(クリス・ヘムズワース)の真の目的は反倫理的な「薬物による人間のコントロール」。それに気づき始めたジェフは、徐々にアブネスティへの反抗心を強めていく。
*出典元:https://cdn.mos.cms.futurecdn.net/
クリヘムが冷徹でサイコパスな天才科学者を演じるNetflixオリジナルムービー『スパイダーヘッド』(2022)。『トップガン マーヴェリック』(2022)の大ヒットも記憶に新しいジョセフ・コシンスキーが監督を務め、同作でマーヴェリックの元同僚、グースの息子役を演じたマイルズ・テラーが囚人ジェフ役という、「旬」のスタッフ&キャストが揃った話題のSFスリラーです。
本作でクリヘムが着用している腕時計は、タグホイヤー カレラ(Ref.CBN2012.FC6483)。1960年代の初代カレラのDNAを継承したスタイリッシュな一本です。スポーティーながら、革ベルトで知性的なイメージも感じさせる「知的なクリヘム」にぴったりの腕時計と言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
イケメンマッチョらしく、ラグジュアリーなデイデイトすらスポーティーで大ぶりなデイデイトⅡを選ぶあたり、自分に似合う腕時計がよくわかっておりますね。現在は遺伝的疾患のリスクが見つかったということで診療休養中のクリヘム。復帰時期は未定ですが、またいつか、元気にスクリーンに舞い戻って来てくれることでしょう。
*出典元:https://reelrundown.com/
さて、クリス・エヴァンス、クリス・ヘムズワースときて、残る「クリス」は『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』が控えるクリス・パインと、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』のクリス・プラットの二人。
☞#109 【キャプテン・アメリカ】『クリス・エヴァンスの腕時計』を読む
次回の「Actor’s Watch」には、どちらの「クリス」が登場するのか、それとも全く別の誰かが登場するのか、乞うご期待!でもまだ何も決まってない!どうしよう!
ではまた!