映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第109弾の今回は、「クリス・エヴァンスの腕時計」をお送りします。
*出典元:https://www.cbr.com/
アイアンマンや超人ハルクなど、マーベルコミックスに登場するヒーローたちの活躍を描いたハリウッド映画「MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)」シリーズにおいて、ヒーローチーム「アベンジャーズ」の一員キャプテン・アメリカを演じるクリス・エヴァンス。
端正な顔立ちの二枚目俳優ながら、ヒーローだけでなく「富豪一族のドラ息子」や「サイコパスな暗殺者」など、曲者や悪人も喜んで演じるギャップが魅力的な、ハリウッドを代表するスター俳優のひとりとして知られています。
今回の「Actor’s Watch」は、そんなクリス・エヴァンスの腕時計に注目して参ります。
- ◆ アベンジャーズ
- ◆ ナイヴズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
- ◆ グレイマン
- ◆ まとめ
アベンジャーズ
MARVEL’S THE AVENGERS(2012)
*出典元:https://variety.com/
神の国アスガルドから宇宙の果てへと追放されたロキ(トム・ヒドルストン)は、そこで
宇宙人種チタウリのリーダー「ジ・アザー」と遭遇し、地球侵略の為に手を組む。ワームホールを利用して地球へと舞い戻ったロキは、NASAで研究中の超エネルギー物質「キューブ」の強奪に成功する。
恐るべきパワーを秘めた「キューブ」が悪の手に渡り、滅亡の危機に瀕する人類。事態を重く見た国際平和維持組織「S.H.I.E.L.D.」長官のニック・フューリー(サミュエル.L.ジャクソン)は、スーパーヒーローを集めた最強チーム「アベンジャーズ」の結成を決意する。彼の説得により、アイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr)と、70年の眠りから目覚めたキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)が、地球の平和のために立ち上がる。
「MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)」の第6作目であり、シリーズを通した起承転結の「起」に当たる「フェーズ1」の最終作として製作された『アベンジャーズ』(2012)。本作でキャプテン・アメリカ役を演じるクリス・エヴァンスは、ハミルトン カーキ フィールド オート 42mm(Ref.H70555533)を着用しています。
残念ながら着用がハッキリ見て取れるシーンが無いので、かわりにハミルトンの公式フェイスブック記事をご紹介。「高評価かつ大ヒットを記録した『アベンジャーズ』(2012)では、こちらのカーキ フィールド オートが、キャプテン・アメリカを演じたクリス・エヴァンスの手首に装着されていました」との事。
現在はスイスのスウォッチグループの傘下ですが、もともとはアメリカの鉄道時計メーカーが発祥のハミルトン。1910年代にはナチスと戦うアメリカ陸軍の支給品となっていたハミルトンの腕時計は、第二次世界大戦中の人体実験により超人化し、英雄となったキャプテン・アメリカにとって「自由」や「博愛」を守るための馴染み深い腕時計だったと言えるでしょう。
ナイヴズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
KNIVES OUT(2019)
*出典元:https://chris-evans.boards.net/
老ミステリー作家の変死事件。作家の長女リンダ(ジェイミー・リー・カーティス)は不動産業界の大物、その夫リチャード(ドン・ジョンソン)は妻が稼いだ金で遊びほうけている浮気者、孫のランサム(クリス・エヴァンス)とジェイコブ(ジェイデン・マーテル)は、絵にかいたようなドラ息子&ネオナチかぶれ。富豪のベストセラー作家の一族たちは、みな何かしら問題を抱えており、誰が犯人でもおかしくないようなありさま。
警察は老作家の死を自殺と判断したが、匿名の人物から依頼を受けて屋敷に現れた探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)は、持ち前の推理力で隠された事件の真相へと迫っていく、、、
*出典元:https://bamfstyle.com/
アガサ・クリスティ―のミステリーをオマージュした謎解きサスペンス『ナイヴズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)。トボケた雰囲気の名探偵、ブノワ・ブランを演じるのは「6代目ジェームズ・ボンド」ことダニエル・クレイグ。そして死んだ老作家の孫であり、容疑者のひとりでもある一族の嫌われ者、ランサムを演じるのがクリス・エヴァンス。自由と博愛のヒーローたるキャプテン・アメリカとは180度真逆の、陰険で怪しさ満点の不穏な男を演じています。
そんな彼が劇中で身に着けているのはペプシベゼルのGMTウォッチ。細部まではハッキリと見えませんが、祖父や母親の稼ぐ大金で放蕩暮らしをしているドラ息子ですので、安物の腕時計ではないでしょう。プラスティック風防のように見えますので、おそらくロレックス GMTマスター(Ref.16750)ではないかと思われます。レザーベルトに着け替えられており、彼お気に入りのセーターと相まってカジュアルな雰囲気を醸し出していますね。
グレイマン
THE GREY MAN(2022)
*出典元:https://www.netflix.com/
殺人罪で刑務所に収監されていたコートランド(ライアン・ゴズリング)のもとにCIAのエージェントが訪れ、「司法が手を下せない悪党を抹殺する暗殺者(グレイマン)になること」を条件に釈放するという取引を持ちかける。
釈放され、秘密部隊「シエラ」のエージェントとなったコートランドは、CIAの暗殺指示を着実に遂行していく。ある日、指示通りにバンコクで男を暗殺したコートランド。しかし相手は息絶える寸前、自分もCIAの「グレイマン」であり、上司の不正の証拠を握った為に消されることになったとコートランドに伝えると、証拠のデータチップを彼に託す。
不正の証拠がコートランドの手に渡った事を知ったCIAの黒幕は、コートランドのかつての同僚ロイド(クリス・エヴァンス)に彼の捜索と抹殺を指示。世界を股にかけた凄腕暗殺者たちの追跡劇が始まろうとしていた。
*出典元:https://www.watch-id.com/
人気スパイ小説『暗殺者グレイマン』を原作に、ネットフリックス最高額となる2億ドルもの予算を投じて製作された配信映画『グレイマン』(2022)。主人公となるグレイマン「シエラ・シックス」を演じるのは、『ラ・ラ・ランド』(2016)や『ブレードランナー2049』(2017)のライアン・ゴズリング。クリス・エヴァンスは、彼を執拗に追うサイコパス気質なCIAエージェント、ロイドを演じています。
本作で彼が身に着けているのは、ハミルトン アメリカン クラシック ボルトン (Ref. H13431553)。1920~30年代のニューヨークで隆盛を極めたアールデコの潮流を受け継いで1940年代に登場した「ボルトン」。そのデザインを再構築し、ヘリテージモデルとして現代に蘇らせたのがこちらのモデルです。アイビーカットに口ひげ、タイトな柄物のポロシャツという60年代的なルックスを好むロイドらしい、時代性を感じさせる一本となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ところで、『マイティー・ソー』(2011)のクリス・ヘムズワース、『ワンダーウーマン』(2017)のクリス・パイン、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)のクリス・プラットと、近年、アメコミ映画に主演した「クリス」が何人もいるので、もしかしたら彼らとクリス・エヴァンスを混同されている方も多いかもしれません。
SNS上で「最も不要なのはどのクリス?」というアンケートが採られたりなど、ジョークのネタにすらなっている深刻な「クリス多すぎ問題」。
*出典元:https://reelrundown.com/
こういう時こそ腕時計の出番。アメリカを象徴するハミルトンの腕時計を着け、アメリカを象徴するヒーロー「キャプテン・アメリカ」を演じた俳優はクリス・エヴァンス。腕時計愛好家なら、これでもう確実に憶えていただけたのではないでしょうか。
身に着けた人の個性と紐づき、その人のことを印象に残しやすくするというのも、腕時計というアイテムが持つ大きな特性のひとつ。そう考えれば、どうせ着けるなら、より個性的でステイタスの高い腕時計を選びたいもの。より強い印象を残すためには、資産性やブランドバリューだけでなく「人とカブらないレアな限定モデル」などを選ぶというのも、ひとつの判断基準になるのではないでしょうか。
さて、次回はどの「クリス」が登場するか、今後も「Actor’s Watch」ご期待ください!
ではまた!