みなさま、こんばんは!

今週も新連載の今さら聞けないシリーズをお届けしていきたいと思います。この新企画では、高級腕時計にあまり詳しくない方、これから勉強していきたい方へ向けて「今さら聞けないよ!」といった、高級腕時計の基本的な事をわかりやすくお伝えしていきます。

第11回目となる今回は

高級腕時計入門編】:クロノグラフ

時計に詳しくない方でも、『クロノグラフ』というワードは小耳に挟んだことがあるのではないでしょうか。しかし、それほど認知がありながら、その使い方や種類などは意外と知らない方が多いかと思います。

そこで今回は、【ロレックス】『デイトナ』や【オメガ】『スピードマスター』など人気モデルに搭載されている『クロノグラフ』について詳しく解説していきます。「『クロノグラフ』が搭載された時計が好きだけど使い方がわからない」「『クロノグラフ』の時間経過の読み方がわからない」という方は是非参考にしてみてください。

『クロノグラフ』とは

クロノグラフ』=「ストップウォッチ

『クロノグラフ』とは”時間経過を計測する機能”のことで、「ストップウォッチ」を思い浮かべていただくと、分かりやすいかと思います。この『クロノグラフ』の語源は、ギリシャ語の「クロノス(時間)」と「グラフォス(記す)」をあわせた造語です。

『クロノグラフの使い方』

一般的にはリューズの上、2時位置にあるプッシュボタン(赤〇)がスタート・ストップボタン、リューズの下、4時位置のプッシュボタン(青〇)がリセットボタンとなります。

『クロノグラフ』の使用方法
1.スタートボタンを押す
2.計測を止めたいタイミングで、もう一度スタートボタンを押して針を止める
3.計測が終了したらリセットボタンを押して終了

『クロノグラフの読み方』

   ※3カウンタークロノグラフ

『クロノグラフ』には、主に秒積算計+分積算計が搭載された2カウンタータイプと、秒積算計+分積算計+時積算計が搭載された3カウンタータイプがあります。
一般的な『クロノグラフ』の積算計は、下記のように見分けることができます。

積算計の見分け方
・秒積算計:文字盤中央についている針
・分積算計:30までの目盛りを持つ針
・時積算計:12までの目盛りを持つ針

   ※2カウンタークロノグラフ

「買ったばかりなのに秒針が動かない」などとご相談をいただくことがありますが、良く見てみると、『クロノグラフ』の針を”秒積算計”の針と間違えていた、なんてことが多く見受けられます。

『クロノグラフ』の種類

一言で『クロノグラフ』と言っても、種類が様々ございますので、ここでは代表的な『クロノグラフ』をご紹介していきたいと思います。

『フライバッククロノグラフ』

『フライバッククロノグラフ』は、『クロノグラフ』を作動中に「クロノグラフ針」をリセットし、再計測できる機構のことです。通常「スタート→ストップ→リセット→リスタート」の流れになりますが、この作業を1回の操作だけで再計測することが可能となっております。これには、軍用時計として使われていた背景が大きく関わっており、操縦中のパイロットが『クロノグラフ』を操作する際、なるべく操縦桿から手を離さないために開発されました。

代表モデル

パテックフィリップ】『アニュアルカレンダークロノグラフ

『スプリットセコンドクロノグラフ』

『スプリットセコンドクロノグラフ』は、名前の通り2本の「クロノグラフ針」を搭載し、複数の時間経過を計測できる機構のことです。針を始動→停止した後に再始動させると既に動いている針の位置まで瞬時に移動して、再び計測できるという設計です。非常に便利な機能かつ複雑機構のため、高い人気を誇りますが、高度な製造技術が必要となり、作っているブランドの数自体限られており、個体数も少なくなっています。

代表モデル

A.ランゲ&ゾーネ】『1815 ラトラパント

『ワンプッシュクロノグラフ』

『ワンプッシュクロノグラフ』は、一つのボタンでスタート、ストップ、リセットが可能な『クロノグラフ』機構のことです。操作するボタンは一つのみとなっている為、操作がしやすく、最小限の大きさに収めることができます。現行のモデルに搭載されていることはあまりなく、アンティークウォッチや昔のパイロットウォッチなどに搭載されていることが多いです。

代表モデル

ブランパン】『ヴィルレ ワンプッシュクロノグラフ

『レガッタクロノグラフ』

主にヨットレースなどで使用される『レガッタクロノグラフ』機構は、『クロノグラフ』に追加して”カウントダウン”機能も搭載した機構のことです。ヨットは風を動力源としているので、スタート地点に止まったまますぐに加速することはできません。そのため、”〇分後にスタート”とカウントダウンが始まり、それに合わせてスタートラインに向けて加速し始め、合図が鳴った後にラインを通過することで、スタート成立となるのです。ブランドやモデルによってももちろん異なりますが、主にベゼルを用いてカウントダウンの設定を行うことができます。

代表モデル

ロレックス】『ヨットマスターⅡ

まとめ

今回は『クロノグラフ』機能について種類や使い方を解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

時間経過を計測できる『クロノグラフ』は、文字盤に配置されたスモールセコンドで読み取ることができます。ご紹介したように、様々な種類やデザインがございますので、是非皆さんお気に入りの『クロノグラフ』搭載モデルを探してみてください。

今回も、この記事を見ていただいたことで高級腕時計に興味を持っていただければ幸いです!

ではまた!

コミットtv 八木コラム