世界三大時計ブランドの一角、スイスの老舗高級腕時計ブランド【パテックフィリップ】。数々の名作を輩出してきた【パテックフィリップ】の中でも『カラトラバ』は、”ドレスウォッチの完成形”とも称されているほどシンプルで高貴な作りが魅力のモデルです。

今回はそんな【パテックフィリップ】『カラトラバ』の原点とも言える「Ref.96」から始まった、通称”クンロク”シリーズのモデル(「Ref.3796」、「Ref.5196」、「Ref.5296」)を3世代遡り、徹底比較していきます!『カラトラバ』”クンロク”シリーズのモデルが欲しいけど、「どのモデルを購入しようか迷っている」、「『カラトラバ』”クンロク”の歴史を知りたい」という方は、必読な内容となっていますので、是非とも最後までご覧ください。

『カラトラバ』3世代の紹介

まずは今回比較する3つのモデル、「Ref.3796」、「Ref.5196」、「Ref.5296」をご紹介していきます。

2世代前 Ref.3796
スペック(仕様)
ケース径 30.5mm ベゼル 18KYG or 18KRG or 18KWG or PT
ダイヤル シルバー or ホワイト or アイボリー 夜光 なし
素材 18KYG or 18KRG or 18KWG or PT ブレスレット 革ベルト
防水性 日常生活防水 駆動方式 手巻き
Cal 215PS パワーリザーブ 約44時間

1982年頃から2000年頃まで製造され、ロングセラーモデルの初代『カラトラバ』「Ref.96」のデザインを受け継いでいる「Ref.3796」。直径30.5mmの小ぶりなケースに、シンプルで洗練された文字盤など、基本的なデザインは初代「Ref.96」とほとんど変わっていませんが、スペックが大きく進化しています。特に名機と名高いムーブメント「Cal.215PS」は、高精度かつ薄型化を実現しています。また、ケース・ダイヤルの組み合わせのバリエーションが豊富なモデルとしても知られています。

1世代前 Ref.5196
スペック(仕様)
ケース径 37mm ベゼル 18KYG or 18KRG or 18KWG or PT
ダイヤル シルバー 夜光 なし
素材 18KYG or 18KRG or 18KWG or PT ブレスレット 革ベルト
防水性 日常生活防水 駆動方式 手巻き
Cal 215PS パワーリザーブ 約44時間

2004年頃に登場した「Ref.5196」。現代のニーズに合わせ、ケースがサイズアップされました。大型化に合わせてラグをわずかに太くしているものの、ケースサイドを少し絞ったことにより、従来のスタイリッシュな印象を保ったまま大型化することに成功しています。

最新世代モデル Ref.5296
スペック(仕様)
ケース径 38mm ベゼル 18KRG or 18KWG
ダイヤル シルバー 夜光 なし
素材 18KRG or 18KWG ブレスレット 革ベルト
防水性 日常生活防水 駆動方式 自動巻き
Cal 324SC パワーリザーブ 約48時間

「Ref.5196」が登場した翌年にあたる2005年頃、直径38mmの史上最も大きいケースサイズで発表された「Ref.5296」。ムーブメントは自動巻きの「Cal.324SC」を搭載し、秒針をセンターに移動、3時位置に日付表示を追加し、実用性が一段とアップデートされました。

「Ref.3796」と「Ref.5196」のスペック比較

まずは「Ref.3796」と「Ref.5196」の比較をしていきましょう。
主なスペックは以下の通りです。

Ref.3796
Ref.5196
30.5mm ケース径 37mm
18KYG or 18KRG or 18KWG or PT ベゼル 18KYG or 18KRG or 18KWG or PT
シルバー or ホワイト or アイボリー ダイヤル シルバー
なし 夜光 なし
18KYG or 18KRG or 18KWG or PT 素材 18KYG or 18KRG or 18KWG or PT
革ベルト ブレスレット 革ベルト
日常生活防水 防水性 日常生活防水
手巻き 駆動方式 手巻き
Cal.215PS Cal Cal.215PS
約44時間 パワーリザーブ 約44時間

❶【ケース】

ケース径

Ref.3796 30.5mm
Ref.5196 37mm
「Ref.3796」は、初代「Ref.96」と同じく30.5mmの小ぶりなサイズとなっていますが、「Ref.5196」では、現代のニーズに合わせて37mmへと大型化されています。このサイズの違いは大きく、手首の太さや好みによって選ぶことをおすすめいたします。

❷【ダイヤル】

スモールセコンドの位置

Ref.3796 ダイヤル中心部から見て外側寄り
Ref.5196 ダイヤル中心部から見て内側寄り
「Ref.5196」は「Ref.3796」のデザインを忠実に受け継いでいるため、一見するとデザインに違いは見られませんが、スモールセコンドの位置が変更されています。初代「Ref.96」に近い「Ref.3796」、モダンな雰囲気の「Ref.5196」、とお好みによって選ぶことをおすすめいたします。

針の長さ

Ref.3796 短い
Ref.5196 長い
初代「Ref.96」から受け継いでいるドルフィン針の形状はそのままに、ケースサイズアップに伴い、針が長くなりました。

6時位置のインデックス

Ref.3796 なし
Ref.5196 あり
こちらもケースのサイズアップに伴い、文字盤も大型化したことで、6時位置のインデックスが付けられました。
「Ref.5196」と「Ref.5296」のスペック比較

続いて「Ref.5196」と「Ref.5296」の比較をしていきましょう。
主なスペックは以下の通りです。

Ref.5196
Ref.5296
37mm ケース径 38mm
18KYG or 18KRG or 18KWG or PT ベゼル 18KRG or 18KWG
シルバー ダイヤル シルバー
なし 夜光 なし
18KRG or 18KWG 素材 18KYG or 18KRG or 18KWG or PT
革ベルト ブレスレット 革ベルト
日常生活防水 防水性 日常生活防水
手巻き 駆動方式 自動巻き
Cal.215PS Cal Cal.324SC
約44時間 パワーリザーブ 約48時間

❶【ケース】

ケース径

Ref.5196 37mm
Ref.5296 38mm
30.5mmから37mmへと大型化した「Ref.5196」に対し、「Ref.5296」ではさらに1mm大型化され、38mmとなりました。

❷【ダイヤル】

ダイヤルバリエーション

Ref.5196 1種類
Ref.5296 2種類
「Ref.5196」は文字盤のバリエーションが一種類であるのに対し、「Ref.5296」では「Ref.96」のデザインを継承したシンプルな文字盤と、トリプルサークルに放射上の目盛りが刻まれた文字盤の二種類となっています。

針の太さ

Ref.5196 細い
Ref.5296 太い
ケースのサイズアップに伴い、視認性を考慮したのか、針が少し太くなっています。

❸【ムーブメント】

ムーブメント

Ref.5196 手巻きムーブメント Cal.215PS
Ref.5296 自動巻ムーブメント Cal.324SC
「Ref.5196」がスモールセコンドを備えた手巻きムーブメント「Cal.215PS」を採用しているのに対し、「Ref.5296」はセンターセコンドに日付表示を搭載した自動巻ムーブメント「Cal.324SC」を搭載しています。
まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回、【パテックフィリップ】『カラトラバ』の3世代を比較してみましたが、年月を経て、どのように進化を遂げてきたのかがお判りいただけたかと思います。

小ぶりなサイズ感が特徴的な「Ref.3796」、「Ref.96」の意匠はそのままに、ケース径が大幅にサイズアップし、より現代的なモデルへと変貌を遂げた「Ref.5196」、ケースサイズが更にアップし、デイト表示も追加されたことで実用性が増した「Ref.5296」と、各々違った魅力がある『カラトラバ』。

是非とも皆さんのお好きなモデルを探してみてください。

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