『高級時計の革ベルト』
皆様はどちらで買われていますか?
メーカーオリジナル?オーダー?革製品メーカー?
高級時計(特にドレスウォッチ)にとって、革ベルトは非常に重要なアイテムです。革ベルトの雰囲気ひとつで、せっかく大金をはたいて手にした高級時計が、何倍も”格好良く”も”悪くも”なります。
今回は、失敗しない為の「おすすめの革ベルト」をお伝えすると共に、どこで購入したら良いのか迷われている方へ向けて、わかりやすく執筆していきたいと思います。
革ベルトの魅力
メタルブレスにはない個性と味わいを感じられる革ベルト。
そんな革ベルトの魅力について3つのポイントにまとめてお伝えしていきたいと思います。
①バリエーション
革ベルトには、素材・カラーなど豊富な選択肢から自分のお気に入りの1本を探すことができる魅力があります。時計それぞれに合った選択ができ、自分の好みも反映できるため、時計ライフが華やかになりますね。また、選ぶ際もワクワクするものです。質感や素材の雰囲気、染色からなる一点一点異なる風合いなど、自分の愛機に装着させ、その後の経年変化までもをイメージしながら選ぶ楽しさはたまらない瞬間でもあると思います。
気分を変えたいときにはまた新しいベルトに交換することで、飽きなく、長く愛機を楽しみ続けることもできるでしょう。
②ファッション性
革ベルトはメタルブレスよりも、ファッションとの連動がしやすい点が挙げられます。更には、素材やカラーによってあらゆるシーンに対応できるメリットもあり、フォーマルな格好にはもちろん、クラシックな雰囲気を作り出したり、こなれ感を演出しやすいアイテムだと言えます。また、革靴や革小物などと色味を合わせることでお洒落な印象を簡単に与えることができますね。
少し上級な取り入れ方としては、コーディネートのアクセント(差し色)として革ベルトを活用したりするのもおすすめです。
③実用性
革ベルトは実用性という観点で見てもおすすめできます。
まずは金属アレルギーの方でも安心な点です。皮膚と接する金属部分が、基本的に裏蓋だけになるため、金属アレルギーの方はリスクを大きく下げることができます。裏蓋は時計型のフィルムを貼れば、金属部分と肌が触れることを防止できるので、革ベルトは金属アレルギーの方にとってはとても良い選択肢のひとつです。(*ただし、Dバックルのような特殊な留め具の場合は注意が必要です。)
そして軽さもポイントとなります。
「高級時計は重たいから、、、」よく、そんなご意見をいただきます。最近はSS(ステンレススチール)素材でも非常に堅牢な作りが多く、重量感がございます。また金無垢やプラチナなどの場合はもっと重量感を感じるでしょう。重い時計はちょっと、、、という方にも、革ベルトはピッタリですね!
おすすめ革ベルトメーカー
それではここからはおすすめの革ベルトをご紹介していきたいと思います。
ぜひお気に入りの1本を見つけるための参考にしていただければと思います。
①純正メーカーベルト
まず最初におすすめするのは、各時計メーカー純正の革ベルトです。
各時計メーカーがモデルそれぞれに対して制作しており、購入の際に迷うことなく選ぶことができます。純正の革ベルトをつけていることは一種のステータスにもなりますし、安心感も感じられるでしょう。
一方、懸念される点は、素材やカラーが限定されていることです。革専門のメーカーではないのため、どうしても種類に限りがあることが挙げられます。ベーシックなカラーや素材を選ぶには良いですが、少し変化を加えた革ベルトにしたい場合は物足りないかもしれません。また価格に関しても、少し割高と言えるでしょう。メーカー刻印が入っている分、価格に反映されていることは言うまでもありません。
ただし、セカンドマーケットにおいては純正の革ベルトが付いていることで、良い印象を与えるメリットがあることは覚えておきましょう。純正の革ベルトと社外性の革ベルトでは買う側も売る側も印象は変わるものです。
②カミーユ・フォルネ
<カミーユ・フォルネ>は、1945年フランスのピカルディ地方で馬具職人カミーユ・フォルネ氏により創立されました。およそ20年後の1965年には <カミーユ・フォルネ>の製作へのこだわり、素材の品質が評価され、高級腕時計メーカーのベルト製作を手掛けるようになります。パテックフィリップやフランクミュラー、ゼニスやカルティエなど名だたる腕時計ブランドがこぞって採用しているのが<カミーユ・フォルネ>の革ベルトです。また革ベルト以外にも財布やバッグなど多彩な革製品で名を馳せてきました。そのどれもが一級品であり、一流の証とも言えるモノづくりなのです。
そして<カミーユ・フォルネ>の最大の魅力というのは“MADE IN FARANCE”を徹底していることでしょう。創業者のカミーユ・フォルネ氏から代々受け継がれてきた伝統の技術を守りながら、一点一点ハンドメイドで最高の製品を作り続けています。
※フランス伝統の技法でもある『クチュール・セリエ』
『クチュール・セリエ』とは革職人たちによって継承されてきたサドルステッチの技法です。1本の糸の両端にそれぞれ針を付け、厚い革に対してステッチをかけていくことにより、非常に丈夫な作りで、尚且つ美しいステッチに仕上がります。この技法を用いて、フランスの工場では革ベルト1本を制作するのに対し、60以上の工程を、200人以上もの職人の手作業で実施しています。
ちなみに同じフランスの馬具製造ブランドであるHermes(エルメス)も「クージュ・セリエ」という同じサドルステッチの技法を使っています。
また<カミーユ・フォルネ>は、ベースのコレクションを初め、オーダーメイドまで幅広いニーズに対応することができるメーカーです。比較的手の取りやすい価格帯なのも魅力的なポイントでしょう。
③ジャンルソー
<ジャンルソー>は、1954年フランスの時計製造の本拠地といわれるブザンソンに誕生しました。高級ウォッチストラップのマニュファクチュールとして知られる同社は、スイスの大手一流時計メーカーのパートナーとして地位を確立した後、時計ベルト、革製品へと展開を拡大していきました。
<カミーユ・フォルネ>同様『クチュール・セリエ』と呼ばれる手法で、熟練した職人たちが一つ一つ手作業で製造しています。まさに一級品と証明できる風合いや手触りを実現しています。
また、特出したポイントとしては、高級革製品メーカーとしては珍しく、自社でなめし革工場を所有しているという点です。原皮の準備は<ジャンルソー>において最も重要な製作過程だと謳っております。培ってきた独自の技術を駆使し、600以上のカラーを提供しているというから驚きです。
基本的にはオーダーメイドとなるため、値段は多少高くなりますが、こだわりを詰め込んだ自分だけの1点に仕上げることができます。銀座の店舗には<ジャンルソー>の認定を受けた日本人職人が常駐しているため、納期が比較的早いことも嬉しいポイントです。
④J.C.ペラン
1984年、パリに工房を創設したJ.C.ペラン。<カミーユ・フォルネ><ジャンルソー>と並びフランスきっての高級革ベルトメーカーとして君臨しております。経歴も遜色なく、パテックフィリップ、ヴァシュロンコンスタンタン、ジャガールクルト、IWC、フランクミュラーなど多くの高級腕時計ブランドの受注生産をしております。
<J.C.ペラン>は『優れた皮革が最上のベルトを作る』という信念から、優秀なタンナー(皮なめし職人)を探す事から始められました。ベルト作りに関しては、卓越した技術と情熱をもとに“美しさ”と“バランス”を追求した結果<J.C.ペラン>独特のフォルムが完成したと言われております。
【時計のベルトこそ最もお洒落なコーディネートアイテム】と考え、自分らしさとランクアップを提案している<J.C.ペラン>。そのこだわりから作られるオーダーメイドだからこそ「自分だけの腕時計」を体現できるベルトを手に入れることができるのでしょう。
お洒落にこだわる方には一度見てもらいたいメーカーですね!
まとめ
以上、『高級時計の革ベルト』についてお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか。簡単にまとめますと
革ベルトの魅力
❶バリエーション
❷ファッション性
❸実用性
おすすめ革ベルトメーカー
①純正メーカーベルト
②カミーユ・フォルネ
③ジャンルソー
➃J.C.ペラン
となります。
今回ご紹介した各革ベルトメーカーは、それぞれに強いこだわりを持ち、伝統的な技法を継承しながら、現代でも発信し続けています。
是非とも、ここぞというシーンで〖自分だけの革ベルト仕様の時計〗を着けてみてはいかがでしょうか。
この記事を見てドレスウォッチ好きの方が増えていただければ、私は嬉しい限りでございます。
ではまた!