皆様こんばんは!
前回好評だった、名機と呼ばれるムーブメント特集はご覧いただけましたでしょうか。
⇩⇩まだの方はこの機会に是非⇩⇩
時計を楽しむ上で、一つの醍醐味でもあるムーブメント。複雑に組み合わされた数百のパーツたちが織り成す造形美は、見る者を魅了する芸術品と言えるでしょう。時計の内側に備えられたその姿は、まさに裏の顔=影の立役者に違いありません。
今回は、名機と呼ばれるムーブメント特集 【ロレックス】編と題し、【ロレックス】の名機にフォーカスし、ご紹介していきたいと思います。
前回お話しした2つの名機を除いた、新たなラインアップになっています。ぜひ最後まで楽しんでご覧ください!!
Ⅰ.【ロレックス】「Cal.727」
※「Ref.6263」
「Cal.727」特徴
バルジュー72ベースの手巻き『デイトナ』用ムーブメント最終形「Cal.727」。テンプを小型化し、振動数を毎時18,000から21,600までアップさせ、精度の安定化を図り、スライディングギアや耐震装置などに、細かい改良を加え信頼性を向上させました。『デイトナ』の歴史の中で、20年という長きにわたって使用された、まさに手巻きクロノグラフムーブメントの金字塔と呼ぶに相応しい名機です。裏蓋を開けて確認できるその姿は、各パーツが丁寧に面取りされ、【ロレックス】がコストを惜しまずにベースキャリバーからのブラッシュアップを図ったことが伺えます。
Ⅱ.【ロレックス】「Cal.4130」
※「Ref.116506A」
「Cal.4130」特徴
【ロレックス】初の完全自社開発・生産クロノグラフムーブメント「Cal.4130」。クロノグラフのオン・オフ制御を水平クラッチから垂直クラッチへ変更し、クロノグラフ機構を裏蓋側へ集約したことにより、リセット時に1つのハンマーが3つのハートカムを同時に叩くようになり、クロノグラフの信頼性、メンテナンス性が、前作「Cal.4030」に比べて大幅に向上しました。その他にも、パワーリザーブの延長、ハック機能の追加、ブルーパラクロムヒゲゼンマイの採用、最新のLiGA技術を用いたクロノグラフランナーを導入するなど、【ロレックス】最高峰のムーブメントに進化しました。
Ⅲ.【ロレックス】「Cal.9001」
※「Ref.326935」
「Cal.9001」特徴
【ロレックス】としては20年ぶりとなるNEWモデルとして2012年に登場した『スカイドゥエラー』の専用ムーブメントとして開発された「Cal.9001」。当時は、【ロレックス】初の複雑機構(年次カレンダー)搭載モデルとして話題になりましたね。”サロス”と名付けられた独創的なメカニズムは、従来のカレンダー機構に4つの歯車を追加するだけで、年次カレンダー機構を実現させています。GMT機能も備える多機能な『スカイドゥエラー』は、リングコマンドベゼルと「Cal.9001」の組み合わせにより、早送り禁止時間帯がない革新的なモデルとなっています。新開発ムーブメントでありながら、目立った初期トラブルも報告されておらず、高い堅牢性と信頼性を誇っている点は、さすが【ロレックス】と言わざるを得ません。
Ⅳ.【ロレックス】「Cal.3135」
※「Ref.16610」
「Cal.3135」特徴
単独カレンダー調整が可能となった、初のハイビートムーブメント「Cal.3035」の後継機、「Cal.3135」。「Cal.3035」で度々起こっていたカレンダー機構の不具合をほぼ完璧に解消し、シングルブリッジだったテンプ受けをツインブリッジに改良するなど、精度やメンテナンス性が大幅に向上されました。その圧倒的な”組みやすさ””調整しやすさ””納品後トラブルの少なさ”から、どの修理工房に持ち込んでも歓迎されるムーブメントとして知られています。また、ブルーパラクロムヒゲゼンマイの採用など細かな進化も遂げ、「Cal.31」系と呼ばれる様々な派生キャリバーの基幹となった、最高のムーブメントと評価する人も多い傑作です。
Ⅴ.【ロレックス】「Cal.3255」
※「Ref.228238」
「Cal.3255」特徴
30年もの長きにわたって活躍した「Cal.31」系は、ほぼ完成の域に達していましたが、それを上回るムーブメントを目指して開発されたのがこちらの「Cal.3255」。14件もの特許を取得し、「Cal.31」系の数少ない弱点であった”リューズが稀に引き出せなくなる”現象を克服し、クロナジーエスケープメントの採用などによって効率化を図り、やや物足りなかったパワーリザーブを48時間から70時間へ向上させました。まだデビューから7年ほどのため、名ムーブメントと呼ぶには早いかもしれませんが、今後への期待を込めて選出してみました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
高級時計において心臓と言われるムーブメント。【ロレックス】の名機は世界中の人々が愛する素晴らしいものばかりでしたね。
各ブランドの技術の粋を集めたムーブメントには、それぞれに素敵なバックボーンがあり、製作までの物語を知ることで更に高級時計の魅力を感じることができると思います。
高級時計をまだあまり知らない方は、ムーブメントに触れる機会があまりないかと思いますが、ぜひこの記事を見ていただいたことで、興味をもっていただき、高級時計の素晴らしさを感じていただければ幸いです。
ではまた!