映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第61弾の今回は、ウィル・スミスの腕時計をお送りします。
＊出典元：https://news.sky.com/
2022年3月28日に行われた、第94回アカデミー賞授賞式。女子テニス界に「パワーテニス革命」をもたらしたウィリアムズ姉妹と、彼女たちのコーチでもある父、キング・リチャードの軌跡を描いた『ドリーム・プラン』（2022）で見事、念願のアカデミー主演男優賞に輝いたウィル・スミス。しかし会場で起きた騒動は既に皆様ご存知の事かと思います。
＊出典元：https://whyy.org/
脱毛症に悩む妻、ジェイダ・ピンケット・スミスのヘアスタイルをプレゼンターのクリス・ロックにジョークのネタにされた彼が、ステージに上がり、クリス・ロックに平手打ちをお見舞いするシーンは、余すところなく全世界に放映・配信される結果となりました。
個人的には「気持ちはわかるが、暴力で返しちゃダメ」な事件と思っていますが、一世一代の晴れ舞台で悪者となってしまったウィル・スミスも少し可哀そうでしたね。今回はそんな彼の腕時計に注目してみました。
- ◆ メン・イン・ブラック
- ◆ フォーカス
- ◆ オフショット
- ◆ まとめ
メン・イン・ブラック
MEN IN BLACK（1997）
ある事件を追う敏腕刑事ジェームズ（ウィル・スミス）。彼が追い詰めた犯人の正体は、人間に姿を変え地球で生活している隠れエイリアンだった。地球に住むエイリアンの犯罪や侵略行為を監視し、世間の目から隠す任務を負った秘密組織「ＭＩＢ（メン・イン・ブラック）」にスカウトされたジェームズは、ベテランエージェント「K」（トミー・リー・ジョーンズ）と共に、謎の宇宙船の侵入事件を追うことに、、、。
＊出典元：https://www.vanityfair.fr/
実際のUFO目撃事件において、目撃者に「見たことを誰にも話すな」などと脅しをかけてくる黒背広の男。古くからオカルト好きの間で「メン・イン・ブラック」と呼ばれる謎の男たちが元ネタのSFコメディアクションシリーズです。
＊出典元：https://magazine.bulangandsons.com/
この映画でウィル・スミスが着用しているのは、ハミルトン ベンチュラ クロノ（Ref.H24412732）。世界初の電池式腕時計としても知られるベンチュラは、アシンメトリーな三角形のケースが最大の特徴です。電気で動く腕時計であることのアピールとして、文字盤に波形の模様が描かれているモデルも存在するなど、科学的なイメージをまとった腕時計。人類より進んだ科学技術を持つであろうエイリアンと日々戦うエージェントには、ピッタリの腕時計と言えるのではないでしょうか。
フォーカス
FOCUS（2015）
男を騙して小金を稼いでいた女詐欺師のジェス（マーゴット・ロビー）。彼女がある日、美人局で騙そうとした男は、犯罪グループを率いるリーダーで天才詐欺師のニッキー（ウィル・スミス）だった。ニッキーの犯罪グループの仲間に入れてもらったジェス。瞬く間に詐欺のテクニックを身に付け、やがて二人は惹かれ合うようになるが、ニッキーはジェスの前から姿を消してしまう。数年後、ニッキーが「仕事」のためにモーターレースのオーナー、ガリーガのもとを訪れると、そこでガリーガに寄り添うジェスと再会する、、、。
本作『フォーカス』は、スリや詐欺のテクニックを背景に、華麗で鮮やかな詐欺師たちの騙し合いが展開され、「視線を盗め」という映画のサブタイトル通り、登場人物だけでなく観客すら視線を誘導され、あっという間に騙される、見事なコンゲーム映画になっています。
＊出典元：https://forumamontres.forumactif.com/
この映画でウィル・スミスが着用している腕時計は、ピアジェ ポロ 45 クロノグラフ（Ref.GOA34002）。巨人軍名誉監督の長嶋茂雄氏も愛用するこちらの腕時計は、ピアジェのジュエラーらしいエレガンスと、チタン素材のスポーティーな雰囲気を兼ね備えたフライバッククロノグラフです。まさに知性と野性味を兼ね備えたキャラクターを上手く表現した腕時計と言えるのではないでしょうか。
オフショット
ここからは、ウィル・スミスのプライベートウォッチを見ていきましょう。
＊出典元：https://www.rolexforums.com/
まずは時計界の天才デザイナー、ジェラルド・ジェンタの手によって1972年に誕生した、世界初のラグジュアリースポーツウォッチ、オーデマピゲ ロイヤルオーク（Ref.15300ST）。
＊出典元：https://www.pinterest.jp/
続いて、アニュアルカレンダーを搭載した２タイムゾーン表示のパイロット向けドレスウォッチ、ロレックス スカイドゥエラー（Ref.326135）。
＊出典元：https://www.keepthetime.com/
そしてこちらはユリスナルダン マリーン クロノメーター（REf.1183-122/43）。船舶時計を得意としていたユリスナルダンの歴史を象徴する一本です。
こう並べてみると、ウィル・スミスはギラギラした宝飾時計や超絶グランドコンプリケーションではなく、実用性の高い「実直」な腕時計を選んでいることがわかります。腕時計を身に着けて楽しみたいという「時計愛」が感じられ、愛好家の皆様から見ても実に好感の持てるラインアップと言えるのではないでしょうか。
まとめ
アカデミー賞の晴れ舞台を自らブチ壊してしまったウィル・スミス。今回の件は、受賞の剥奪などの懲戒処分が検討されているといった話も聞こえてくるほどの「大事件」となりました。
もちろん暴力行為は許されることではありませんが、私にとっては多くの作品で映画を楽しませてもらった俳優の一人でもあります。罪を償った暁には、また沢山の映画で活躍する姿を見せてもらいたいものです。もちろん、腕元には素敵な腕時計を着けて。
ではまた！