新年明けましておめでとうございます!

皆さま、どのような年末年始をお過ごしになりましたか。帰省や旅行を控えた方も多かったのではないでしょうか。

さて、2021年の新年初めてのコラムですが、何を書こうかと考えた時に、日本頑張れ(世界も頑張れと思っていますが)やはり国産時計ブランドの雄であるグランドセイコーを取り上げたいと考えました。まだ新作が発表されていない年初ではありますので、昨年のモデルを紹介する形となりますがご容赦いただければ幸いです。

同ブランドは1881年に当時の東京市京橋区(現在の東京都中央区南部)で服部金太郎が創業し、1892年に時計の製造工場「精工舎」を創設したことに由来します。1913年には国産初の腕時計『ローレル』を製造し、その後セイコーは時計王国スイスの牙城を切り崩すべく、日本で最高級腕時計を造るという決意のもと誕生しています。しかしながら、1969年にセイコーが開発した世界初のクオーツ時計によってクオーツショックが起こり、機械式時計の需要が減退し、グランドセイコーの時代は一度その幕を閉じることになります。

再びセイコーのラインアップにグランドセイコーが加わったのは1988年のことで、年差なんと±10秒という高精度ムーブメント、95系キャリバーを搭載したクオーツモデルとして復活しました。そして、2004年に満を持して発表されたのが、セイコーが独自開発した「第3の駆動方式」スプリングドライブキャリバー9R系搭載モデルです。その精度と滑らかな針の動きは、日本の技術力とものづくりの水準の高さをあらためて感じられるものとなっています。

今回は、そんなグランドセイコーのおすすめ現行モデルを紹介したいと思います。

おすすめモデル①SBGA425 [Heritage Collection 銀座2020]

夜の銀座の街並みをモチーフにした、華やかでありながら大人の印象が漂う限定モデルです。はい、わたしたちコミット銀座の所在地である銀座モデルです(笑)

1967年発売の44GSのデザインを現代的に解釈したケースに、スプリングドライブキャリバー9R65を搭載しています。数量限定250本で、銀座の6店舗のみで販売されています。深みのあるブラックダイヤルは、光の加減によってダークブラウンにも見えます。レンガをイメージしたパワーリザーブ表示、さらにインナーリングとインデックスのローズゴールドがダイヤルの色味と調和していて上品な印象です。裏蓋には銀座限定であることを表すゴールドの「GINZA」「Limited Edition」の文字と獅子の紋章があります。

現在、当店では2019年に117本限定発売されたグランドセイコー銀座通連合会100周年限定モデル「SBGA399」がございます。こちらも「SBGA425」に負けず、良い色味の文字盤ですのでご興味ある方は是非ご覧ください。

https://www.commit-watch.co.jp/buyer/watches/mens/seiko/spring-drive-16/

SBGA425

【出典】グランドセイコー

参考定価 649,000円(税込)

おすすめモデル② SBGA211 [ Heritage Collection ]

ゼンマイ式時計の動力とクォーツ時計の精度を備えたセイコー独自の機構「スプリングドライブ」を搭載しており、流れるように動く秒針が特徴のモデルです。ケースとブレスレットに、SS(ステンレススチール)と比べておよそ30%軽量、かつ耐傷性と耐食性に優れるブライトチタンを採用することで、着けているのを忘れるくらいストレスがない装着感となっています。純白のダイヤルに映えるブルースチールの秒針のコントラストが非常に美しいモデルです。秒針はブルースチール針ですが、こちらは職人が1つ1つ手焼きで焼いているそうで、その作業は根気のいる気の抜けないものだそうです。ダイヤルは、セイコーの現本社所在地である長野県諏訪の新雪をイメージした文字盤で、よく映える組み合わせになっています。グランドセイコーはこの雪白ダイヤルを時折使いますが、個人的に非常に風合いが好きでオススメです。

SBGA211

【出典】グランドセイコー

参考定価 682,000円(税込)

おすすめモデル③ SBGA281 [ Heritage Collection ]

こちらもゼンマイ式時計の動力と、クォーツ時計の精度を備えたセイコー独自の機構「スプリングドライブ」を搭載しており、流れるように動く秒針が特徴のモデルです。ひとつ前にご紹介した「SBGA211」同様、ケースとブレスレットに軽量で耐傷性・耐食性に優れるブライトチタンを採用することで、軽くて心地よい装着感となっています。ダイヤルカラーはシックで上品なダークグレーとなっていて、サンレイ仕上げのような縦目のラインが非常に惹き込まれる文字盤となっています。落ち着いた印象ですので、ビジネスシーンで使用するのにオススメです。

SBGA281

【出典】グランドセイコー

参考定価 737,000円(税込)

おすすめモデル④ SBGW260 [ Elegance Collection ]

セイコー創業140周年となる2021年のアニバーサリーイヤーを記念して、初代グランドセイコー(1960年12月18日発売)のデザインを18KPG(ピンクゴールド)を使用し、350本限定で復刻したモデルです。初代モデル(オリジナル)と比べて35.0mm から38.0mm にケース径がサイズアップしている点も、現在の趣向に合ったものになっています。ダイヤル12時位置の「Grand Seiko」のロゴは、浮き出し加工で仕上げられていて高級感があります。また、裏蓋から眺めることができるムーブメントの受けに、服部金太郎が精工舎を設立した当時に商標として使用された「丸角Sマーク」を刻印しています。ムーブメントは手巻キャリバー9S64を搭載していて、輪列受けを一体化してムーブメントを覆うことで、美しい見た目に仕上がっています。元々ついているクロコダイルストラップも美しいですが、手縫いのステッチが入ったストラップに交換して使用するのもオススメです。ジャン・ルソーやカミーユ・フォルネで自分好みのストラップをオーダーするのもオシャレかもしれませんね。こちらは、2021年1月22日 発売予定となっています。個人的に、2020年6月に発売された、ブリリアントハードチタンを使用した「SBGW259」のグランドセイコーブルーもオススメです。

SBGW260

【出典】グランドセイコー

参考定価 3,300,000円(税込)

おすすめモデル⑤ SBGH279 [ Heritage Collection ]

自動巻メカニカルハイビート36000モデルで、キャリバー9S85を搭載したモデルです。こちらは、自動巻時計の精度にかかわる”テンプ”という部品が毎時36,000回(毎秒10回)振動する機構のことです。より外的影響を受けにくくなるため、時計の精度が安定して高精度(平均日差+5〜-3秒)を実現しています。ほとんどの自動巻の時計は、毎時28,800(毎秒8回)振動か、毎時21,600(毎秒6回)振動となるため、ハイビート36000のムーブメントが、いかに早い速度で動いているか理解いただけると思います。スイスの高級時計メーカーでも36000振動のキャリバーを製作できるのは極めて限られたメーカーのみで、グランドセイコーの技術力の高さが分かりますね。

「SBGA281」と似ていますが、こちらはケース・ブレスレットにSS(ステンレススチール)を使用したモデルです。ダイヤルは、職人によって手作業で仕上げられており、日本の文化に根深い影響を与えてきた「木」が選ばれ、その質感が表現されています。ケースの曲面と直面の交わり方が素晴らしく、光の加減や角度によって変わるダークグレーダイヤルとのコントラストが芸術品のような美しさがあります。

SBGH279

【出典】グランドセイコー

参考定価 704,000円(税込)

おすすめモデル⑥ SBGJ237 [ Sport Collection ]

こちらは外的影響に強く、高精度を実現した自動巻メカニカルハイビート36000ムーブメントの性能に、GMT機能を追加したキャリバー9S86搭載モデルです。回転ベゼルの表面には、リング形状にくり抜いた質感の高いサファイアガラスを採用しており、透明感と奥行き、深みがありとても綺麗です。4時位置に配されたリューズは「44.2mm」というケースのボリューム感を考慮して、手首のスムーズな動きを妨げない実用性を重視したデザインとなっています。深みのあるミッドナイトブルーカラーのダイヤルと、白と青で昼夜に上下分割されたベゼルが爽やかな印象です。ロレックスのGMTマスターにはない、夏に相応しいカラーリングですね。

SBGJ237

【出典】グランドセイコー

参考定価 792,000円(税込)

おすすめモデル⑦ SBGH281 [ Heritage Collection ]

こちらは2020年に誕生60周年を迎えたグランドセイコーの記念限定モデルです。2月8日に1500 本限定で販売されました。グランドセイコー独自のブルーダイヤルには、ゴールドのGSロゴ、鮮やかな赤い秒針のコントラストが非常に綺麗なモデルです。ここのところ、他のブランドでもブルー文字盤が人気ですが、こちらのブルーも本当に良い色目だと思います。ムーブメントには毎時36,000振動(毎秒10振動)という高速振動により、外的影響に強く、姿勢差による精度差や日差のばらつきを抑え、より安定した高精度を実現するキャリバー9S85が搭載されています。

SBGH281

【出典】グランドセイコー

参考定価 704,000円(税込)

おすすめモデル⑧ SBGX343 [ Sport Collection ]

最後にクオーツモデルの紹介をしたいと思います。縦の筋目が入った切り立ったベゼル、独特のケース形状が特徴的な強化耐磁モデルです。20気圧防水機能や40,000A/mを誇る高い耐磁性能だけでなく、耐久力も兼ね備えています。インデックスに塗布されたルミブライトには、グランドセイコーとして初めてグリーンとブルーの2色を採用していて、光の反射を防ぐ色調であるブラックダイヤルとの組み合わせにより、昼夜を問わず高い視認性を誇っています。ムーブメントには、非常に薄く高精度なクオーツキャリバー9F61を搭載しています。個人的に、ロレックスの古いミルガウス(Ref.1019)の面影が感じられて好きなデザインです。インデックスの主張がもう少し抑え目であればなあと思ったりもするのですが、このバランスが美しいのかもしれませんね。

SBGX343

【出典】グランドセイコー

参考定価 407,000円(税込)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

グランドセイコーは国内に留まらず、海外にもファンが多いブランドです。日本の技術力と伝統文化を融合させた国産ブランドとして、個人的にもとても注目しているブランドです。漆塗りを使用した文字盤などもあり、今後ますます日本文化の発信に期待していきたいブランドですね。

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