映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第96弾の今回は、「オーランド・ブルームの腕時計」をお送りします。
*出典元:https://www.slashfilm.com/
『パイレーツ・オブ・カリビアン』(2003)のウィル・ターナー役や、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作(2002)のレゴラス役など、物語の脇を固める正統派二枚目としての存在感が際立つオーランド・ブルーム。実は数多くの腕時計を所有する時計愛好家としても知られております。
今回の「Actor’s Watch」は、彼が劇中で着用した腕時計だけでなく、プライベートで愛用するヴィンテージロレックスも併せてご紹介していきたいと思います。
エリザベスタウン
ELIZABETHTOWN(2005)
*出典元:https://www.pluggedin.com/
大手シューズメーカーでスニーカーのデザイナーを務めるドリュー(オーランド・ブルーム)は、開発した新作シューズが大コケ。会社に10億ドルもの損失を与えたことで解雇されてしまう。恋人にもフラれて自殺を決意したドリューだったが、父親が故郷のケンタッキー州エリザベスタウンで急死したという知らせを受け、急遽、遺体を引き取りに行くことに。
ケンタッキーに向かう飛行機の機内でもドリューは思いつめたまま。それに気づいた客室乗務員のクレア(キルステン・ダンスト)は、エリザベスタウンまでの地図と、自分の電話番号のメモをドリューに渡し「前向きになって」と送り出す。現地に着いたドリューは父の親戚一同から歓待を受けるが、落ち込んだ彼にはその好意も届かない。その夜、クレアからもらったメモの番号に電話をかけたてみたドリュー。彼女といろいろな事を語り合った彼は、クレアを自分にとって必要な存在と思い始める、、、
*出典元:https://reeftiger.blogspot.com/
『あの頃、ペニー・レインと』(2000)でアカデミー脚本賞を受賞したキャメロン・クロウ監督が贈るロマンティック・コメディ『エリザベスタウン』(2005)は、オーランド・ブルームの初主演作。本作で彼が着用しているのはパネライ ルミノール1950 スペシャルエディション(Ref.PAM00127)と思われます。1950年代にイタリア海軍に納入された「Ref6152/1」を再現して話題となった、2002年リリースの限定モデル「PAM00127」。同モデルは「ルミノール1950」コレクションの皮切りとなったリファレンスでもあり、パネライの歴史を象徴するモデルと呼べる一本です。
この映画が公開されたのはデカ厚ブーム真っ只中の2005年。それに相応しい「攻めた」サイズ感の47mmモデルですが、「スニーカーの人気デザイナー」という、スポーティーさとファッショナブルさを兼ね備えた若きクリエイターの腕元であれば、何ら違和感の無い、むしろ似合いすぎるチョイスと言っていいでしょう。
スマート・チェイス
S.M.A.R.T. CHASE(2018)
*出典元:https://play.google.com/
警備会社「S.M.A.R.T.」を経営するダニー(オーランド・ブルーム)は、一年前、警備していたゴッホの名画を強奪されたことで仕事も恋人も失い、それ以来、しがない用心棒稼業で細々と暮らしていた。そんな彼のもとに、中国の国宝級の壺をロンドンまで運ぶという、久々の大仕事が舞い込んでくる。
信用を取り戻す為、万全の体制を整えて壺の輸送を開始するダニーと『S.M.A.R.T.』のスタッフたち。しかし、またしても強奪犯が現れ、ダニーたちに襲い掛かる。彼らがゴッホ強奪犯と同じ一味であることに気づいたダニーは、壺を守り、ゴッホの絵を取り返すため、強奪犯一味への反撃に打って出る。
*出典元:https://www.themoviedb.org/
オーランド・ブルームが香港映画界の名優、サイモン・ヤムと共演した中国資本のサスペンスアクション映画『スマート・チェイス』(2018)。ブロンドのオーランド・ブルームを見るのは『ロード・オブ・ザ・リング』のレゴラス役以来じゃないでしょうか。どん底からの脱却を誓う警備会社のやさぐれ社長を演じるオーランド・ブルームは、本作ではホイヤー カマロ(Ref.7220)と思われるクッションケースの腕時計を着用しています。
フォード マスタングと並び「アメ車」の象徴と呼ばれる名車、シボレー カマロの名に因んだ「ホイヤー カマロ」は、1968年から70年代前半にかけて販売されていたヴィンテージウォッチ。当時のホイヤー(現:タグホイヤー)社長であるジャック・ホイヤーが「アメリカ市場での商圏拡大」を狙ってリリースしたモデルと言われています。中国映画に進出したオーランド・ブルームの「新たな商圏の開拓」という意思を込めたチョイスに感じるのは私だけでしょうか。
プライベート・ウォッチ
ハリウッドスターの中でも、特にヴィンテージロレックス好きな俳優として知られ、それらを着用しているオフショットも多く残されているオーランド・ブルーム。ここからは、その中のいくつかをご紹介して参りましょう。
ロレックス エクスプローラーⅠ【Ref.1016】
*出典元:https://www.rolexmagazine.com/
まずは、ロレックス エクスプローラーⅠ(Ref.1016)。
腕元の写真をよく見ると、3・6・9インデックスの数字が太い「ファットフォント」の個体であることが判ります。この特徴を持つエクスプローラーⅠは「Mark1」ダイヤルか、1988~89年頃に製造された「L番」の個体。
ヴィンテージロレックスをこよなく愛するハリウッドスターが所有する腕時計ですから、より希少なMark1ダイヤルの個体と考えて間違いないでしょう。光の加減かもしれませんが、写真ではトリチウム夜光がクリーム色に焼けたように見え、いかにもヴィンテージらしい雰囲気を湛えています。
ロレックス GMTマスター【Ref.1675】
*出典元:https://www.bobswatches.com/
続いては、ロレックス GMTマスター(Ref.1675)。
「PCG(ポインテッド・クラウン・ガード)」という先端の尖ったリューズガードを備える、通称「ヒラメ」と呼ばれるケースを備えたレア個体です。
ヒラメケースのGMTマスターには「サークルミラー(ミニッツサークルを備えた艶あり文字盤)」「ラジアル(夜光インデックスが文字盤中央に少し寄っている)」「アンダーバー(6時側表記の下部に横線がある)」「6ドット(6時のバーインデックス下部にドットがあり、「!」のように見える)」「小針(GMT針先端の三角形が小さい)」などのレアな特徴を持つ希少個体が存在するのですが、オーランド・ブルーム愛用の時計に関しては文字盤が確認できる画像は見つからず、残念ながら詳細は判明しませんでした。
ロレックス ミルガウス【Ref.6543】
*出典元:https://www.rolexmagazine.com/
そしてこちら、ロレックス ミルガウス(Ref.6543)。
1965年に登場した初代ミルガウス「Ref.6541」。オーランド・ブルーム愛用の「Ref.6543」は、それに先駆けて、わずか88本だけ作られたプロトタイプモデルと言われています。「Ref.6541」と「Ref.6543」は、どちらもハニカムダイヤルを備えた特徴的な顔のモデルですが、イナヅマ秒針を始めとした個性的な意匠の多い「Ref.6541」と比較すると、ストレート秒針とサブマリーナーによく似たシンプルな回転ベゼルを備える「Ref.6543」は、落ち着いた印象のデザインとなっています。
この「Ref.6543」は製造本数が極めて少なく、コンディションの良い個体は世界に数本しか存在しないとも言われている「幻」のモデル。このような個体を所有しているというのは、オーランド・ブルームがいかに「時計沼」にどっぷりハマっているか、それを伝える何よりの証と言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
劇中で着用しているパネライやホイヤーも、プライベートで愛用しているロレックスも、全て希少なレアモデルやヴィンテージばかり。イケメンでお金持ちで希少な腕時計の目利きという、もはや一部の隙も無い「パーフェクト人間」としか言いようがありません。
*出典元:https://www.bobswatches.com/
更に調べてみたところ、オーランド・ブルームは希少なレアウォッチをまだまだ多数所有しているようで、それらにまつわる衝撃の事件の情報なども入ってきております。現在、情報をリサーチしておりますので、続報をお楽しみにお待ちいただけたらと思います。
ではまた!