映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第71弾の今回は、話題の『トップガン マーヴェリック』の腕時計をお送りします。
※記事中の劇場公開やキャンペーン情報等は、執筆時点(2022年6月9日)のものとなります。
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前作『トップガン』(1986)へのオマージュをふんだんに盛り込み、リアルタイム世代を大喜びさせつつ、最新の映像技術を駆使したリアルなドッグファイトシーンによって若者世代をも席巻。世界中で大ヒットとなっている『トップガン マーヴェリック』。今回はネタバレにならない範囲で本作に登場する腕時計に注目していきたいと思います。
それでは、まずは前作『トップガン』のおさらいから始めましょう。
『トップガン』(1986)とは
無鉄砲で型破りな海軍の戦闘機パイロット、「マーヴェリック」ことピート・ミッチェル(トム・クルーズ)が、僚友の事故死によって自信を失いながらもその悲しみを振り払い、優秀なパイロットへと成長していく姿を描いた1986年の大ヒット映画『トップガン』。いまやハリウッドのNo.1スターと言っても過言ではないトム・クルーズの出世作としても知られています。
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ケニー・ロギンスの主題歌『デンジャー・ゾーン』をBGMに、アメリカ海軍全面協力のもと描かれる迫真のドッグファイト。そこにラブロマンスと、ライバルとの切磋琢磨というスポ根要素を盛り込んだ『トップガン』は、当時の若者たちに最も影響を与えた映画と言って間違いありません。
カワサキのバイク「GPZ900R」や「MA-1」フライトジャケット、「レイバン」のサングラスなど、劇中でトム・クルーズが扱ったアイテムを身に着けたりしていた方も多いのではないでしょうか。
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『トップガン マーヴェリック』(2022)とは
ただいま大ヒット公開中の『トップガン マーヴェリック』は、前作『トップガン』から36年越しとなる、ファンが待ちに待った正統な続編。当初は2019年7月の公開予定でしたが、コロナ禍の影響で度重なる延期。しかし2022年5月27日、満を持しての日米同時公開となりました。
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戦闘機のパイロットとして輝かしい戦歴を残しながら昇進を拒み続け、テストパイロットの任務に就いていたマーヴェリック(トム・クルーズ)。かつてのライバル「アイスマン」ことカザンスキー海軍大将(ヴァル・キルマー)の強い要望で、彼が「トップガン」(アメリカ海軍戦闘機兵器学校)の若きパイロットたちの訓練教官となり、彼らと共に危険な任務に立ち向かっていく姿が描かれます。
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前作の公開後、アメリカでは「トップガン」の志願者が爆増した実績があり、本作でもパイロット不足に悩むアメリカ国防省が撮影に全面協力。CGを使わない、迫力とスピード感満点のリアルな映像が、多くの人の足を劇場に向けさせていることは間違いないでしょう。
マーヴェリック(トム・クルーズ)の腕時計
本作でトム・クルーズが演じる「マーヴェリック」こと、ピート・ミッチェル海軍大佐が着用している腕時計は、ポルシェデザイン オルフィナ(Ref.7176S)。前作『トップガン』でマーヴェリックが着用していた腕時計と全く同じ、ブラックPVD加工が施されたミリタリークロノグラフです。
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劇中に登場するこの腕時計、なんと『トップガン』で着用されたものと同一個体であることも判明いたしました。『トップガン』撮影後、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが腕時計を保有してることを知ったトム・クルーズ。彼がブラッカイマーに「続編を作るには、あの腕時計が必要だ」と伝えたことで、この個体が36年の時を経て、再びスクリーンに蘇ることになりました。まさに、名実ともに「マーヴェリックの生涯の相棒」と言える一本です。
詳しくは「Actor’s Watch #28」でもご紹介しておりますので、ぜひご一読ください。
ペニー(ジェニファー・コネリー)の腕時計
前作では女性教官のチャーリー(ケリー・マクギリス)と恋に落ちたマーヴェリックでしたが、今回はペニー・ベンジャミン(ジェニファー・コネリー)という新たな女性とのロマンスが描かれます。実は前作でも「司令官の娘」「マーヴェリックの元カノ」として、ペニーという名前だけが劇中に登場していましたが、今作ではパイロットたちが集まるバーのオーナーをしながら娘を育てるシングルマザーとしてスクリーンに登場。36年越しでマーヴェリックと再び恋に落ちることになります。
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本作でジェニファー・コネリー演じるペニーが着用しているのは、ロレックス エクスプローラーⅠ(Ref.1016)。悩めるマーヴェリックを時には慰め、時には叱咤激励する「強き女性」の腕には、美しさだけでなく、シンプルな強さを併せ持ったエクスプローラーⅠがよく似合っています。
フェニックス(モニカ・バルバロ)とボブ(ルイス・プルマン)の腕時計
前作『トップガン』では、自信過剰で一匹狼の「マーヴェリック」、常に冷静な「アイスマン」、陽気で誰とでも打ち解ける「グース」など、個性豊かなパイロット候補生たちが映画を彩りましたが、今作『トップガン マーヴェリック』でも候補生たちの個性のぶつかり合いは健在。「異なった個性を持つ者同士のチームワーク」も、この映画の醍醐味のひとつです。
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新世代のトップガンで唯一の女性パイロット、聡明ながら競争心溢れる「フェニックス」(モニカ・バルバロ)と、控えめで落ち着いた「ボブ」(ルイス・プルマン)。対照的な個性の二人が着用している腕時計は、同じ IWC パイロットウォッチ マークXVIII トップガン ストライク ファイター タクティクス インストラクター【SFTI】 (Ref.IW324712)。異なる個性を持つ二人が、同じ腕時計を着用し、同じ危険なミッションに挑む。「腕時計が繋ぐ相棒関係」にグッとくる方も多いのではないでしょうか。
ジョセフ・コシンスキー監督の腕時計
2012年に亡くなった前作の故トニー・スコット監督に代わり『トップガン マーヴェリック』のメガホンを取ったのは、『トロン:レガシー』(2010)などの作品で知られるジョセフ・コシンスキー監督。CGを使わず、時速1000kmで飛行する戦闘機に俳優を乗せ、コックピットに搭載したカメラで撮影した迫力満点のリアルな映像は、動画配信やDVDではなく、絶対に映画館の大スクリーンで観ることをお勧めいたします!
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こちらは撮影中のコシンスキー監督の写真ですが、その腕に着けられているのは IWC パイロットウォッチ クロノグラフエディション【SFTI】(Ref.IW389004)と思われます。俳優だけでなく、監督までも『トップガン』のスピリットに染まりながら撮影していたのかと思うと、映画を観ているこちらも胸が熱くなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
前作と同個体のポルシェデザイン、ヴィンテージのロレックス エクスプローラーⅠ、「トップガン」モデルを多数開発しているIWCと、素晴らしいラインアップになっていることがおわかりいただけるのではないかと思います。他にもIWCのストップウォッチが大きく映し出されたりなど、『トップガン マーヴェリック』は戦闘機好きだけでなく、時計好きにとっても目が離せない、必見の映画となっております。
*出典元:https://news.yahoo.co.jp/
また、人気コンテンツ『ウマ娘』に登場するキャラクター「マヤノトップガン」を宣伝に起用してオタク層を取り込むなど、そのプロモーションも大きな話題となっている本作。6月10日(金)からは、その「マヤノトップガン」とコラボしたノベルティが数量限定で配布されるとのことですので、トム・クルーズファン、戦闘機映画マニア、腕時計好き、トレーナー各位は、ぜひ映画館でご覧ください!
ではまた!