映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第22弾の今回は、名優デンゼル・ワシントンの腕時計に注目していきましょう。
*出典元:https://www.reddit.com/
2002年に主演した『トレーニングデイ』で、1963年のシドニー・ポワチエ以来となる史上2人目のアフリカ系アメリカ人によるアカデミー主演男優賞を受賞したデンゼル・ワシントン。硬派で責任感あふれる軍人から、スラム街のドラッグディーラーまで幅広く演じこなす、ハリウッドを代表するスター俳優の一人です。
また、2020年に公開されたSF大作『テネット』で主人公を演じたジョン・デヴィッド・ワシントンは、彼の長男。親子ともにハリウッド大作で主役を張る「俳優一家」の主、デンゼル・ワシントンは、果たして劇中でどのような時計を着けているのでしょうか。
早速見ていきましょう。
- ◆ 戦火の勇気
- ◆ マーシャル・ロー
- ◆ アメリカン・ギャングスター
- ◆ イコライザー
- ◆ まとめ
戦火の勇気
COURAGE UNDER FIRE(1996)
湾岸戦争の最中、味方を誤射で死亡させてしまったサーリング中佐(デンゼル・ワシントン)。問題の発覚を恐れた上層部はイラク軍の攻撃による戦死と報告し、隠ぺいを図ります。贖罪の機会を奪われ、軍への不信感を募らせていたサーリング中佐は、湾岸戦争で戦死し、初の女性名誉勲章候補となったカレン・ウォールデン大尉(メグ・ライアン)の死の真相の調査を命じられることになるが、彼女の部下や目撃者の証言には多くの矛盾が存在しました…。
*出典元:https://www.rolexmagazine.com/
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死の理由すら上層部の思惑で決まってしまう「戦争の理不尽さ」を描いたこの映画で、デンゼル・ワシントンが身に着けているのは、ロレックス サブマリーナー。名誉を重んじ、苦悩しながらも理不尽さに立ち向かうサーリング中佐の実直さをあらわすような、質実剛健なチョイスと言えるでしょう。
マーシャル・ロー
THE SIEGE(1998)
爆弾テロによって戒厳令下に置かれたニューヨークを描くポリティカルサスペンス『マーシャル・ロー』。9.11同時多発テロを予見したともいわれる「有事」を描き、脅威に対して人権と制圧のどちらを優先するべきかなど、観る者に難しい問いを投げかけます。
*出典元:https://mubi.com/
この映画でテロリストを追うFBI捜査官、アンソニー・ハバードを演じるデンゼル・ワシントンの腕に着けられているのはカシオ G-SHOCK DW-5700。ミュージシャンのスティングが愛用したことで、そのまま「スティング」の愛称で呼ばれている丸型モデルです。
*出典元:https://casiofanmag.com/
劇中ではワイシャツ&ネクタイ姿で着用していますが、DW-5700の丸型フォルムのおかげか、さほど違和感は感じさせません。ゴツい角型のDW-5600では、この自然な感じは出なかったのでしょう。G-SHOCKでもモデルによっていろいろな着けこなしが可能になるということがよくわかりますね。
アメリカン・ギャングスター
AMERICAN GANGSTER(2007)
1960年代末、麻薬ビジネスで勢力を伸ばすギャングのボス、フランク(デンゼル・ワシントン)と、ギャングとの癒着や汚職がはびこるニューヨーク市警の堅物刑事リッチー(ラッセル・クロウ)の戦いを描く、実録犯罪サスペンス『アメリカン・ギャングスタ―』。
*出典元:https://www.digital-tv.co.uk/
没落したマフィア組織の運転手から麻薬ディーラーに転身したフランクの腕に着けられているのは、ジャガールクルト レベルソ。仕立ての良いスーツを着こなす洗練されたギャングに合う、ドレッシーで大人びた選択と言えるでしょう。これがステンレスやホワイトゴールドでは上品すぎますが、イエローゴールドにすることでいかにもギャングスタらしい雰囲気を演出しています。
*出典元:https://www.montres-de-luxe.com/
ちなみにラッパーのJay-Zのアルバム『アメリカン・ギャングスター』は、この映画に影響を受けて作られたもの。以前にご紹介したアル・パチーノの『スカーフェイス』もそうですが、「君ら、ドラッグディーラー!成り上がり映画が好きすぎちゃうか!?」と、とりあえず突っ込ませていただきたいと思います。(笑)
*出典元:https://www.reddit.com/
イコライザー
THE EQUALIZER(2014)
ホームセンターで働く読書好きおじさんの正体は、どんな相手でも必ず「19秒」で倒してしまう元CIAの腕利き工作員だった!ホームセンターにある有刺鉄線、剪定鋏、バーナー、ドリルなどを駆使して悪人をバッタバタとなぎ倒していく店員、マッコールを演じるデンゼル・ワシントン。脳内でシミュレーションした通りに、悪人を「19秒」で次々と制圧していく姿は圧巻です。
*出典元:https://www.tampabay.com/
この自らに課した「19秒」という制限時間を測るためのストップウォッチとして活躍するのが、スントのアウトドアウォッチ「CORE ALL BLACK」。80年以上の歴史を持つフィンランドのコンパス(方位計)メーカーであるスントは、現在ではアウトドアウォッチのトップメーカーとして知られています。
*出典元:https://www.watch-id.com/
劇中で何度も表示される「0:19.XX」という秒数表示を印象付けるには、やはりアナログよりデジタルに分があります。どのような環境でも高い視認性を保つスントだけに、スクリーンに映った秒数表示もクッキリ、ハッキリ見えており、「19秒」で敵を制圧したことが誰の目にも明らかです。しかしなぜ「19秒」でなければならないのか?それは誰にもわかりません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
こうやって見ると、デンゼル・ワシントンが演じる役柄には「自らに課した規範やルール、こだわりを実直に守る男」というイメージがあり、それを表現するための小道具として時計を選んでいるように思えます。
腕時計はその人の性格や人となりを如実に表すもの。
逆を言えば、腕時計の選び方ひとつで他人が思う「自分のイメージ」を変えることができるということでもあります。すなわち、今までと180度イメージの違う時計を選ぶことで、自分の印象を変え、意外性を演出できるのも腕時計の愉しみのひとつと言えるでしょう。
皆様も、時計を変えることで千変万化のカメレオン俳優の気分を手軽に味わってみてはいかがでしょうか?
ではまた!