*出典元:https://screenrant.com/

 

中国の武術大会で5年連続優勝という偉大な経歴を引っ提げ、1980年代に香港映画界入りしたリー・リンチェイ。『少林寺』(1982)や『阿羅漢』(1986)で見せた華麗な中国武闘スタイルが一世を風靡すると、メル・ギブソンとの共演となった『リーサル・ウェポン4』(1998)でハリウッドにも進出。ブルース・リー、ジャッキー・チェンに続くカンフースターとして世界を魅了します。日本でも『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明』(1991)が大ヒット。当時メディアで使われていた英語名「ジェット・リー」の名でご記憶の方も多いかもしれません。

映画やテレビなどで活躍する映画人の腕時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。第206弾の今回は、そんな「ジェット・リー」こと、リー・リンチェイが着用した腕時計をご紹介して参ります。

 

 

ロレックス

デイトナ【Ref.116509】

*出典元:https://www.recordchina.co.jp/

 

2004年に起きたスマトラ沖地震による津波災害。その場に居合わせたリー・リンチェイは、家族と共に津波に飲み込まれそうになりながらも無事に救出され、九死に一生を得ます。その時、人種や宗教を問わず、懸命に救助活動に取り組む人たちの姿に感銘を受けた彼は、災害で苦しむ人たちを支援する慈善事業に取り組むことを決意。2011年の東日本大震災の際には、彼が起ち上げた「ワン基金」からの義援金と、被災者へのメッセージが贈られています。

2008年5月に起きた四川大震災の際には、被災者支援の為に「ワン基金」がチャリティーカーレースを主催。香港の映画人たちとイベントに参加したリー・リンチェイがこの時に着用していた腕時計は、カーレースというシチュエーションに合わせたロレックス デイトナ(Ref.116509)と思われます。

 

 

ウブロ

ビッグバン アエロバン ジェット・リー リミテッド【Ref.311.CI.1130.GR.JLI11】

*出典元:https://www.my-watchsite.com/

 

彼が起ち上げた「ワン基金」の活動には、腕時計業界からも賛同の声が上がりました。ウブロは売り上げの一部をワン基金に寄付することを決定し、2010年にはリー・リンチェイがウブロのアジア代表のアンバサダーに就任することになります。

2011年にはスペシャルコラボモデルとなる、ウブロ ビッグバン アエロバン ジェットリー リミテッド(Ref.311.CI.1130.GR.JLI11)を発表し、彼の活動に敬意を表したウブロ。彼のデビュー作『少林寺』をイメージした格子柄のスケルトンダイヤルに、中国で縁起が良いとされる赤色を、風防や針、ベルトのステッチなどに採用。ケースバックには、彼のサインと陰陽マークがデザインされています。

 

 

スウォッチ

アイロニー インコグニート【Ref.YGS9002】

*出典元:https://x.com/

 

巨大な麻薬密売ルート摘発の為にパリを訪れた中国人捜査官のリュウが、麻薬市場の独占を狙う現地の悪徳刑事から殺人の濡れ衣を着せられ、追われる身となるサスペンスアクション映画『キス・オブ・ザ・ドラゴン』(2001)。『レオン』(1994)のリュック・ベッソンが製作、リー・リンチェイが原案と主演を務めた本作で、主役の捜査官を演じた彼が劇中で身に着けていた腕時計は、スウォッチ アイロニー インコグニート(Ref.YGS9002)でした。

事件に巻き込まれたヒロインを助けるためにパリの町中を駆け巡るリー・リンチェイ。彼女と心を通わせながらも恋には落ちない、シャイで紳士的なリュウというキャラクターに合った、控えめな雰囲気の腕時計ではないでしょうか。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

デイトナ、ビッグバン、共に赤がアクセントカラーのモデルを着用したリー・リンチェイ。「紅(ホン)」を取り入れた腕時計で縁起を担いでいるのでしょう。いかにも中国人俳優らしい、めでたさを感じさせるチョイスです。

 

*出典元:https://www.imdb.com/

 

2010年頃から、甲状腺の病気によってアクション俳優としての活動が困難となったリー・リンチェイ。一時は死亡説が流れるほど病状が悪化したものの、やがて体調も回復。学生時代の同級生、ドニー・イェンと共演した2020年のディズニー映画『ムーラン』では、登場シーンは少ないながらも老練なアクションを披露し、ファンを安心させてくれました。

華麗なアクションで世界を沸かせた彼も、もう還暦。体調面の心配もあり、以前のような激しいアクションを撮影することは難しいでしょう。とはいえ、友情出演のワンシーンなどでもいいので、彼が武闘する姿を見たいというのが、ファンの本音でしょう。

またいつか、流れるように華麗な彼のアクションシーンを大きなスクリーンで見られる日を願いたいと思います。

ではまた!

Actor's watch