*出典元:https://www.gqmagazine.fr/

 

前回、アル・パチーノの愛用時計をご紹介しましたが、そうなると次にロバート・デ・ニーロを採り上げないワケにはいきません。

アカデミー賞ノミネート8回、受賞2回もの栄冠に輝く、現代ハリウッドのレジェンド俳優ロバート・デ・ニーロ。名匠マーティン・スコセッシ監督とのコンビで『タクシードライバー』(1976)、『レイジング・ブル』(1978)など、数々の映画史に残る名作に主演し、若くして名優の仲間入りを果たした彼の事を知らない映画ファンはいないでしょう。

映画やテレビなどで活躍する俳優の腕時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第179弾の今回は、そんなロバート・デ・ニーロの愛用時計をご紹介して参ります。

 

パテックフィリップ

パーペチュアルカレンダー【Ref.3940G】

*出典元:https://www.watchprosite.com/

 

ロバート・デ・ニーロがその味に惚れ込み、ニューヨークに店を出してほしいと懇願された日本人シェフ、松久信幸氏。1993年にデ・ニーロと松久氏の共同経営という形でニューヨークにオープンした和食レストラン「NOBU」は、その後、アメリカ、日本を始め、世界20ヵ国以上に店を構える「世界で最も有名な和食レストラングループ」のひとつになりました。

上の写真は2018年、スペインに開店した「NOBU」のオープニングセレモニーに登場したデ・ニーロの姿を写したものですが、その腕に着けられていた腕時計は、パテックフィリップ パーペチュアルカレンダー(Ref.3940G)と思われます。Ref.3940は製造年によって三世代に分類されますが、残念ながら写真が小さく、デ・ニーロ愛用モデルの世代特定には至れませんでした。

 

カラトラバ【Ref.6006G

*出典元:https://www.patekmagazine.com/

 

こちらも2018年。カナダにオープンする「NOBU」レストランの起工式でのヒトコマです。この時にロバート・デ・ニーロが着用していた腕時計は、パテックフィリップ カラトラバ(Ref.6006G)でした。

2005年に発表された「Ref.6000」の後継モデルとして、2017年に超薄型ムーブメント「Cal.240」の誕生40周年として発表された「Ref.6006」。ポインターデイトと、4時位置付近にスモールセコンドを配した左右非対称なデザインが特徴のモデルです。

デ・ニーロは「NOBU」関連の写真ではパテックフィリップを着用している事が多いように感じますが、もしかしたら「パテックフィリップで商売繁盛」が彼のジンクスなのかもしれません。

 

カルティエ

バロンブルー【Ref.不明】

*出典元:https://rubberb.com/

 

2012年のトロント国際映画祭でプレミア上映され、観客賞の栄冠に輝いた『世界にひとつのプレイブック』。ブラッドリー・クーパー演じる主人公の父親役を演じたロバート・デ・ニーロが映画祭の記者会見で着用していた腕時計は、カルティエ バロンブルー(Ref.不明)でした。

ノーネクタイのラフなジャケット姿にエレガントなカルティエを合わせた洒脱なスタイルを見せるデ・ニーロ。社交ダンスが物語のキーとなる恋愛映画だけに、もしかしたら、社交ダンス発祥の地であるフランスをイメージさせるカルティエの腕時計をチョイスしたのかもしれません。

 

F.P.ジュルヌ

クロノメーター ブルー【Ref.-】

*出典元:https://deployant.com/

 

2008年に起きた巨額金融詐欺事件を映画化した『嘘の天才~史上最大の金融詐欺~』(2017)。本作で主犯のバーニー・マドフを演じたロバート・デ・ニーロが、映画の製作記者会見で着用していた腕時計は、ケース素材にレアメタルの「タンタル」を採用した、F.P.ジュルヌ クロノメーター ブルー(Ref.-)でした。

この腕時計は、2016年に当時の妻からクリスマスプレゼントとして贈られたもの。デ・ニーロもお返しにF.P.ジュルヌの腕時計をパートナーに贈ったそうです。夫婦でジュルヌの腕時計を贈り合うとは、なんとも羨ましい限りです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

当代のハリウッドを象徴するレジェンド俳優らしく、パテックフィリップにF.P.ジュルヌなど、時計好きなら誰もが憧れる逸品揃いのラインアップとなりました。ロレックスのプロフェッショナルモデルなど、スポーティな腕時計が無いのは意外でしたが、俳優ではなく、レストラン経営者というビジネスマンとしての腕時計選びの結果と言えるのかもしれません。

 

*出典元:https://collider.com/

 

日本では2024年10月11日に公開が決定した『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』。前作『ジョーカー』(2019)では、ジョーカーが憧れるTV司会者、フランクリン役を演じたロバート・デ・ニーロの演技にも注目が集まりました。

というのも、過去にデ・ニーロは主演作『キング・オブ・コメディ』(1982)において、憧れのTV司会者を誘拐し、自分をテレビに出すよう脅迫するコメディアン志望の男、パプキンを演じており、『ジョーカー』でホアキン・フェニックスが演じたジョーカーが、そのパプキンをオマージュしたキャラクターであることは誰の目にも明らかだったからです。

80歳を過ぎて尚、ジョーカーに負けない存在感を示す俳優ロバート・デ・ニーロ。『タクシードライバー』のトラヴィスや、『キング・オブ・コメディ』のパプキンを演じた頃の尖り具合は、まだまだ丸まってはおりません。マーティン・スコセッシ監督とのコンビで、観る者の心に突き刺さる演技をこれからも数多く創り出してもらいたいものです。

ではまた!

Actor's watch