*出典元:https://www.salon.com

映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第17弾の今回はカルティエの腕時計にフォーカスしていきます。

ロレックス、パテックフィリップをはじめとする高級時計ブランドの多くは、ご存じの通りスイス発祥のブランド。そんな中、フランス発祥のカルティエは「ラグジュアリーな(だけの)宝飾時計」といったイメージを持たれている方も少なくないのではないでしょうか?

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しかしながら、実際のカルティエはというと「世界で初めて市販品の腕時計を製造販売したブランド」で、現在では自社ムーブメントの製造を行い、マニュファクチュールへの道を突き進んでいる、先進的なブランドなのです。

それでは早速、そんな背景を持つカルティエが映画の中で着用するキャラクターに、どのようなイメージをもたらしているのかを見ていきたいと思います。

華麗なる賭け

“The Thomas Crown Affair”(1968)

美しい調度品や美術品に囲まれ、ダグラス・ヘイワードのスリーピースを完璧に着こなす大富豪でありながら、その実体はスリルを求めて銀行強盗を楽しむ危険な男、トーマス・クラウン。名優スティーブ・マックイーンが、ちょい悪(?)なセレブリティを演じて話題となったスタイリッシュな犯罪映画です。

*出典元:https://revolutionwatch.com

劇中でスティーブ・マックイーンが身に着けているのは「カルティエ タンク サントレ」。現行の「タンク アメリカン」の原型となる、カーブを描いた縦長ケースのタンクウォッチです。

*出典元:https://www.cartier.com

最上級のスーツを着ていても隠し切れないマックイーンのワイルドな男くささと、カフスで止められたシャツの袖元からチラ見えする、上品ながらサイズ感のある「タンク サントレ」の組み合わせ。ロレックスのサブマリーナーなど、無骨な実用時計を着けることが多かったマックイーンだけに、普段とは全く違うエレガントなギャップある姿が堪りません。

ウォール街

“Wall Street”(1987)

レーガン大統領の経済政策により自由競争が加速し「食うか食われるか」の様相となった1980年代のアメリカ経済界。1985年のウォール街を舞台に、インサイダー取引すら厭わない大物投資家ゴードン・ゲッコーと、出世と富に憧れて彼に師事し、やがて反目していく若き証券マン、バド・フォックスの戦いを描く経済サスペンスドラマ。

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「強欲は善だ」とうそぶくハイエナのような大物投資家ゴードン・ゲッコーを演じるのは、この作品でアカデミー主演男優賞を獲得したマイケル・ダグラス。彼がこの映画で着用しているのは、金無垢の「カルティエ サントス」です。

*出典元:https://watchandbullion.com

アメリカの金融&証券界は、ウォーレン・バフェットをはじめロレックス愛用者が圧倒的に多いようですが、美術品蒐集家の顔も併せ持つゴードン・ゲッコーという役柄には、実用時計のロレックスよりも、着ける者の美意識をアピールできるカルティエの時計がより相応しく感じられます。

ダイハード

“Die Hard”(1988)

ブルース・ウィリスの出世作『ダイハード』1作目では、知性的なインテリテロリスト(実は強盗団)のリーダー、ハンス・グルーバー役を演じたアラン・リックマン「カルティエ タンク」を着用しています。

*出典元:https://www.watchuseek.com

ロンドンの王立演劇学校でシェイクスピア劇を学び、晩年は映画『ハリーポッター』シリーズでスネイプ先生役を演じたアラン・リックマン。この作品が映画初出演にも関わらず、暴力的だけではない、知性と威厳を感じさせるエレガントな悪役が見事にハマっています。

アンディ・ラウのショートムービー

*出典元:https://www.cartier.com

カルティエが2013年に制作したショートムービーでは、香港映画の大スター、アンディ・ラウ「カルティエ タンクMC」を着用しています。スタジオに向かって香港の街を急ぐアンディ・ラウが、腕時計で「止まることのない時間」と向き合う90秒ほどの小品です。

『インファナル・アフェア』三部作では警察に潜入した香港マフィア。名匠ジョニー・トー監督の『暗戦/デッドエンド』では、余命1ヶ月の天才的犯罪者。数々の香港ノワール映画において知性とエレガンスと野性味を兼ね備える「憎めない悪役」を演じてきたアンディ・ラウ。

このショートムービーでは、カジュアルにジャケットを着こなしたシーンや、タキシードに着替えたフォーマルなシーンでも、ボリューミーでエレガントな「タンクMC」がアンディ・ラウにセクシーな魅力を与えています。

まとめ

このように並べてみると、映画の中でカルティエの腕時計を着けているキャラクターや俳優は皆「エレガントさ」「ワイルドで行動的」な印象を兼ね備えていることがわかります。

冒頭でカルティエが「世界で初めて市販品の腕時計を製造販売したブランド」であるとお伝えいたしましたが、「カルティエ サントス」はフランスを代表する命知らずの飛行家であり、また当時のファッションリーダーでもあった富豪、アルベルト・サントス・デュモンのリクエストによって、1904年に開発されたもの。

*出典元:https://www.robbreport.com.sg/

つまりカルティエの腕時計は、その歴史の始まりから既に「エレガント、しかもワイルドで行動的な男」が着けるために作られていたというわけです。現代においても同じ様なキャラクターを持つ男の腕に似合うことは、当然の結果と言えるでしょう。

エレガントなだけでは物足りない。ワイルドなだけでは魅力的じゃない。
「エレガントでワイルド」に見られたいなら、男はカルティエを着けるべし!

ではまた!

Actor's watch