*出典元:https://variety.com/
映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第160弾の今回は、ブラッドリー・クーパーの愛用時計をご紹介して参ります。
二日酔いで目覚めた男たちが、ポケットの中身をヒントに「前夜に何が起こったか」を解き明かしていく大ヒットコメディ映画『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009)。本作で世界的なブレイクを果たしたブラッドリー・クーパーは、以降、アカデミー賞ノミネートの常連となり、映画監督やプロデューサー、そしてアライグマの声優としても快進撃を続けています。
今回は、そんなブラッドリー・クーパーが愛用する腕時計をご紹介して参りましょう。
彼が映画の中で着用した腕時計は、コチラでチェック。
☞ #53 【演技派色男】ブラッドリー・クーパーの腕時計 を読む
ロレックス
GMTマスター ルートビア【Ref.16753】
*出典元:https:///www.rolexmagazine.com/
まずご紹介するのは、こちらのロレックス GMTマスター(Ref.16753)。青赤ベゼルの「ペプシ」や赤黒ベゼルの「コーク」と同じく、茶金ベゼルのカラーリングから「ルートビア」の愛称で腕時計愛好家に親しまれているモデルです。
ハリウッドでこのモデルを着用している俳優といえば、真っ先に思い出されるのがクリント・イーストウッド。当コラムの第一回でもご紹介しておりますが、『ファイヤーフォックス』(1982)や『ザ・シークレットサービス』(1993)など、複数の映画でクリント・イーストウッドはこれと同じ腕時計を着用しています。
クリント・イーストウッドのGMTマスターについてはコチラ
☞ #1 クリント・イーストウッドとロレックス GMTマスター Ref.16753 を読む
それもそのハズ。ブラッドリー・クーパーが着用しているGMTマスター「ルートビア」は、彼が『アメリカン・スナイパー』(2014)の主演を務めるにあたり、監督であるクリント・イーストウッドから贈られたものだそうです。映画史に残るこのGMTマスターが、ブラッドリー・クーパーの元に受け継がれた事は、映画ファンにも腕時計愛好家にも、実に感慨深いものなのではないでしょうか。
ブルガリ
オクト【Ref.BGO41BSSD】
*出典元:https:///www.laineygossip.com/
2013年、ブルガリの新作ジュエリー・コレクション発表イベントにゲストとして呼ばれたブラッドリー・クーパー。その腕に着けられていたのは、同年に発表されたブルガリ オクト(Ref.BGO41BSSD)と思われます。
パテックフィリップ「ノーチラス」や、オーデマピゲ「ロイヤルオーク」のデザイナーとして知られるジェラルド・ジェンタがデザインし、2004年にブルガリのコレクションとして発表された「オクト」。
イタリアを代表するジュエリーブランド「ブルガリ」と、イタリア系の両親を持つ腕時計デザイナーのジェラルド・ジェンタが手を組んで作り上げた腕時計を、母親からイタリア系の血を受け継ぐブラッドリー・クーパーが着用しているという「イタリアへのこだわり」が強く感じられるチョイスとなっております。
IWC
ビッグパイロット ウォッチ【Ref.IW501007】
*出典元:https:///hypebeast.cn/
2018年にIWCのアンバサダーに就任したブラッドリー・クーパー。メゾン初の単独アンバサダーという大役を仰せつかった彼が着用しているのは、IWC ビッグパイロット ウォッチ(Ref.IW501007)と思われます。
じゃあ、この腕時計は単に広告として着けているんじゃないの?
いえ、そうではありません。ブラッドリー・クーパーはアンバサダー就任の3年前に公開された恋愛映画『アロハ』(2015)の劇中でも、コチラのモデルを着用し、プライベートでも愛用していたことで知られています。つまり彼は、アンバサダー就任以前からのIWCファンであり、相思相愛の間柄だったと言えます。
なぜ「だった」なのか、、、
ルイヴィトン
タンブール【Ref.W1ST10】
*出典元:https:///twitter.com/
2022年、ルイヴィトンはメゾン初の腕時計「タンブール」の誕生20周年を記念し、ブラッドリー・クーパーをアンバサダーに迎えます。つまり、彼とIWC(リシュモングループ)の蜜月関係は終わりを告げ、ルイヴィトン(LVMH)との新たな関係が始まったのです。
彼が着用しているのは、2023年に登場した新作のルイヴィトン タンブール(Ref.W1ST10)。従来のタンブールは「デカ厚」と呼べるサイズ感のインパクトある腕時計でしたが、こちらの新作は厚みを抑え、ブランド初となるケース一体型のブレスレットを備えたことで、シックでモダンなデザインへと大幅にリファイン&リブランディングされています。
2011年には、ピープル誌の「世界で最もセクシーな男」に選ばれたブラッドリー・クーパーですが、2024年には彼も50歳を迎えます。タンブールと同じように、スポーティーな色男から、シックで落ち着いた、大人の雰囲気を漂わせる俳優へと変わっていく節目の年となるのかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ロレックスやIWCといった実用主義的な腕時計もさることながら、前述の通り「世界で最もセクシーな男」に選ばれた事もあるブラッドリー・クーパーだけに、ブルガリやルイヴィトンなど、色気を感じさせるラグジュアリーブランドとの強い関係性も窺わせるチョイスだったと言えるでしょう。
*出典元:https://www.stern.de/
自ら監督と主演を務めた『マエストロ:その音楽と愛と』で、2024年のアカデミー賞の作品賞と主演男優賞にノミネートされているブラッドリー・クーパー。日本人メイクアップアーティスト、カズ・ヒロが手掛けた特殊メイクでアメリカが生んだ偉大な指揮者、レナード・バーンスタインに生き写しの姿となり、彼の生涯を演じ切りました。
ブラッドリー・クーパーにロレックス GMTマスターを贈ったクリント・イーストウッドも、『許されざる者』(1993)と『ミリオンダラー・ベイビー』(2005)で、監督賞と主演男優賞にWノミネートされた経験を持つ映画人。イーストウッドの「監督&主演:俺」というスピリットを、ブラッドリー・クーパーはGMTマスターと共に受け継いだと言えるのではないでしょうか。
果たしてブラッドリー・クーパーのオスカー獲得なるか!?
2024年3月11日のアカデミー賞授賞式を楽しみに待ちたいと思います。
ではまた!