映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第139弾の今回は、「ジェレミー・レナーの腕時計」をお送りします。
2023年1月1日、映画ファンにとってショッキングなニュースが舞い込んで来ました。
それは、俳優のジェレミー・レナーが自宅での除雪作業中、自身が運転する除雪車の事故で全身の30カ所以上を骨折し、ICUでの集中治療が行われているという内容でした。
*出典元:https://www.telegraph.co.uk/
事故直後には生命の危機もあったそうですが、二度の手術と治療は成功。半年後には、杖を手にした状態ではあるものの、インタビュー番組などに登場して事故の顛末を語れるほどに回復を果たしているようです。さすがはハリウッドのアクションスター、驚異の回復力。
そんなジェレミー・レナーの回復を祝して、今回は彼が劇中で着用した腕時計に迫ってまいりたいと思います。
- ◆ ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
- ◆ ボーン・レガシー
- ◆ メッセージ
- ◆ まとめ
ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
MISSION: IMPOSSIBLE – GHOST PROTOCOL(2011)
*出典元:https://fromtailorswithlove.co.uk/
ロシアの核ミサイル発射コードが、「コバルト」と呼ばれるテロリストに盗まれる。事件の真相を追ってクレムリンに侵入したIMFのスパイ、イーサン・ハント(トム・クルーズ)だが、同じタイミングで爆破事件が起き、彼はロシアからテロ容疑者とみなされてしまう。IMFはロシアからのテロ組織の認定を避けるため、イーサンを「組織に存在しない者」とみなし、その行動に関知も関与もしないという指令「ゴースト・プロトコル」を発令する。
IMFの後ろ盾を失ったイーサンは、女スパイのジェーン(ポーラ・パットン)、ハッキングを得意とするベンジー(サイモン・ペッグ)、データ分析官のブラント(ジェレミー・レナー)というたった4人のチームで、核戦争阻止のため「コバルト」の行方を追う。
*出典元:https://tv.seznam.cz/
スパイアクション『ミッション:インポッシブル』シリーズの4作目となる『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011)。イーサン・ハントと共にテロリストを追うデータ分析官を演じたジェレミー・レナーが本作で着用している腕時計は、ロレックス サブマリーナー(Ref.116610LN)と思われます。
激しいアクションが売りの『ミッション:インポッシブル』だけに、高級腕時計の中でも堅牢性が高く、また、スパイとして悪目立ちしないブラックのサブマリーナーは、おさまりの良いチョイスと言えるのではないでしょうか。
ボーン・レガシー
THE BOURNE LEGACY(2012)
*出典元:https://theultimaterabbit.com/
薬物投与により被験者の人格と肉体を改造し、恐るべき能力を持った暗殺者を生み出そうとするCIAの極秘プロジェクト「アウトカム計画」。その情報が漏洩したことで、CIAの立場が危うくなることを危惧した上層部は、米国調査分析局のリック・バイヤー(エドワード・ノートン)の提案により、計画データと関係者の抹消を決定する。
証拠隠滅の為、次々と消されていくアウトカム計画の関係者たち。そんな中、「アウトカム計画の最高傑作」と称される殺し屋、アーロン・クロス(ジェレミー・レナー)のもとにも、彼を亡き者にしようとする追手が迫っていた。
*出典元:https://www.huffingtonpost.co.uk/
『ボーン・アイデンティティ』(2002)から始まる「ジェイソン・ボーン」シリーズの4作目、『ボーン・レガシー』(2012)。本作はジェイソン・ボーンを主役としたリブート作ではなく、ジェイソン・ボーンと同時期に同類の計画に関わった境遇を持つ暗殺者、アーロン・クロスと組織の死闘を描いた、外伝的なアクション大作となっています。
本作でアーロン・クロスを演じたジェレミー・レナーが着用している腕時計は、IWC パイロットウォッチ ダブルクロノグラフ トップガン(Ref.IW379901)。アメリカ空軍戦闘訓練学校「トップガン」の名を冠したスペシャルモデルです。チタン素材を使いた軽量化により着用者の動きを阻害せず、ミッションの成功率と自らの生存性を高めていると考えれば、「肉体派の暗殺者」が着ける腕時計として最適な一本でしょう。
メッセージ
ARRIVAL(2016)
*出典元:https://www.sfchronicle.com/
ある日、地球上の12の国の上空に、宇宙船と思われる謎の巨大な物体が出現する。世界中に動揺と不安が広がっていく中、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)と物理学者のイアン(ジェレミー・レナー)は、宇宙船の内部から聞こえる「異星の言語」と思われる音声の解読をアメリカ軍から依頼される。
異星人の言語の解析を続け、やがて宇宙船の内部に入って異星人と出会い、コミュニケーションを取り始めたルイーズ。異星人の言語を理解し始めたことで、彼女は過去や未来が見えるようになっていることに気づき始める、、、
*出典元:https://www.watchuseek.com/
「言語と世界認識」の関係を描き、優れたSF作品に贈られるネビュラ賞の栄冠に輝いたテッド・チャンのSF小説『あなたの人生の物語』。映像化は不可能と言われていたこの小説を、『ブレードランナー2049』(2017)や『デューン 砂の惑星』(2021)のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化。『メッセージ』(2016)は、観る者に「時間とは?生命とは?愛とは?人生とは?」を強く問いかけます。
言語学者のルイーズに対し、異星人が認識する「世界の姿や形」を解析し、ルイーズに伝える役割を担う物理学者、イアンを演じたジェレミー・レナー。本作で彼が着用している腕時計は、ビクトリノックス エアボス クロノグラフ(Ref.241599)と思われます。鉄の塊である飛行機が空を飛ぶことを可能にする航空力学は「あり得ない現実を物理学が証明すること」の象徴。それを支えるパイロットウォッチは、人間の感覚ではあり得ない異星人の世界認識を物理学が解き明かしていくことのメタファーではないか、という気がしています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
彼はかつて、インタビューで自分のことを「ハリウッドのパーティー好きセレブみたいなタイプじゃない」と述べていただけあり、実用性の高いロレックス、IWCやビクトリノックスのパイロットウォッチという、スター俳優らしからぬ堅実なラインアップとなりました。
*出典元:https://www.looper.com/
事故後、映画やドラマへの出演が白紙状態となっていたジェレミー・レナーですが、いよいよ俳優としての復帰作が決定。その作品は『Mayor Of Kingstown Season3』との事。
刑務所が経済の中心にある架空の街「キングスタウン」。アナーキーなこの街を舞台に、腐敗した警察や人種差別者と、街の有力者であるマクラスキー家との戦いを描いて大ヒットを記録した犯罪ドラマ『Mayor Of Kingstown』。2021年のシリーズ放送開始から、街を治めるマイク・マクラスキー市長役として出演していたジェレミー・レナー。彼の怪我の回復を待って、その最新シリーズである「Season3」の製作を開始したとプロデューサーは語っています。
彼の復活を信じたプロデューサーと、その信頼に応えたジェレミー・レナー。彼がいかに映画やドラマの制作者から信頼されているかが解るエピソードかと思います。アクション映画への復帰はまだまだ先だとは思いますが、彼ならいずれファンの期待にも応えてくれるでしょう。
ではまた!