映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第123弾の今回は、「スコット・イーストウッドの腕時計」をお送りします。

話題の人気シリーズ最新作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(2023)で、主要キャラのひとり、ミスター・ノーバディの部下「リトル・ノーバディ」を演じるスコット・イーストウッド。

彼の「イーストウッド」というファミリーネームにピンときた方はご明察。ハリウッドを代表する名優にして名監督でもあるクリント・イーストウッドには、6人の女性との間に8人の子供がいるのですが、スコット・イーストウッドはその中のひとり。親譲りのワイルドなイケメンアクション俳優として知られております。

*出典元:https://www.esquire.com/

インタビューでは「父の手掛けた大半の映画のオーディションを受けた」と言うスコット・イーストウッド。父の監督作である『グラン・トリノ』(2008)や『インビクタス/負けざる者たち』(2009)には出演しているものの、『アメリカン・スナイパー』(2014)はオーディションで落とされており、厳しいながらも仲の良い親子関係にあるようです。

今回は、そんなスコット・イーストウッドが劇中で着用した腕時計に迫ってまいりましょう。

スノーデン

SNOWDEN(2016)

*出典元:https://m.imdb.com

9.11同時多発テロ後のアメリカ。祖国に貢献したいと考えてアメリカ軍に志願入隊したスノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)だが、訓練中の大怪我で除隊を余儀なくされる。失意の中で治療を終えたスノーデンは、やがて国家安全保障局(NSA)や中央情報局(CIA)にスカウトされ、政府のコンピューターセキュリティに関する任務を担当する。

そんな中、スノーデンはNSA職員のトレバー(スコット・イーストウッド)から、全世界のネット上で交わされるメール、チャット、通話などを極秘に監視する「Xkeyスコア」の存在を教えられ、以降、スノーデン自身も「Xkeyスコア」を用いて人々の監視を続けていく。

やがて民間企業へと転職したスノーデンは、NSA・CIA時代に知った役人の悪辣な行為に幻滅し、反政府主義者への道を歩み始める。そして2013年7月、彼は「Xkeyスコア」の存在を新聞社暴露することを決意する、、、

*出典元:https://m.imdb.com/

アメリカ政府機関の職務として、全世界を飛び交うメールやメッセージ、インターネット通話などを傍受し、その記録を所有していたエドワード・スノーデン。2013年当時、まだ29歳だった彼が新聞社に明かした傍受記録の情報は「21世紀最大の暴露」と呼ばれるほどのインパクトを社会にもたらすこととなる。

この事件の史実を描いた『スノーデン』(2016)で、傍受システム「Xkeyスコア」の存在や使い方をスノーデンに教えるNSA職員、トレバーを演じたスコット・イーストウッド。その腕に着けられている腕時計は、文字盤のレイアウトやプッシャーの配置から、おそらくカシオ G-SHOCK GST-B100シリーズではないかと思われます。イケメンながら、ややギーク(IT系オタク)っぽさも感じさせるトレバー。いかにも、そういう人たちが好きそうな腕時計が選ばれていますね。

スクランブル

OVERDRIVE(2017)

*出典元:https://www.cinematographe.it/

高級クラシックカーの窃盗を生業とするアンドリュー(スコット・イーストウッド)とギャレット(フレディ・ソープ)のフォスター兄弟。不可能と思われた困難な「仕事」の数々を成功させてきた彼らは、ある日、世界に2台しか存在しない37年型ブガッティをオークション会場から盗み出すことに成功する。しかし運が悪いことに、その車を落札したのはカーコレクターとして知られる大物マフィアのモリエール。激怒したモリエールにより、2人は簡単に捕えられてしまう。

落とし前として命を奪われかける2人だが、彼らは機転を利かせ、モリエールにある取引を持ち掛ける。それは、別のマフィア組織のボス、クレンプが所有する62年型フェラーリ250GTOを一週間以内に盗み出し、モリエールに渡すというものだった。

すんでのところで命拾いした2人は、アンドリューの恋人で天才ハッカーのステファニー(アナ・デ・アルマス)の協力を得て、フェラーリ250GTOを盗み出す計画を立てていく。

*出典元:https://productplacementblog.com/

高級クラシックカー専門の窃盗犯という魅力的なアウトローの活躍を描いた『スクランブル』(2017)。スコット・イーストウッドは無口な凄腕ドライバー、フォスター兄弟の兄、アンドリューを演じています。

本作で彼が身に着けている腕時計は、かつてスティーブ・マックイーンが着用したモデルの復刻版、タグホイヤー モナコ クロノグラフ キャリバー11(Ref.CAW211P.FC6356。A-2フライトジャケットではないものの、赤茶っぽい革ジャンとのスタイリングにマックイーンを連想しない者はいないでしょう。腕時計は『栄光のル・マン』(1971)、革ジャンは『大脱走』(1963)、カーアクションは『ブリット』(1968)と、マックイーンへのオマージュに溢れた作品です。

『カップヘッド』ゲーム配信LIVE

*出典元:https://news.xbox.com/

WATCH SCOTT EASTWOOD PLAY CUPHEAD(2017)

*出典元:https://www.theringer.com/

1930年代のアメリカン・アニメーションをモチーフとして、2017年に「XBOX」用ゲームとして発売された『カップヘッド』。マグカップが頭になった「カップヘッド」と「マグマン」の兄弟キャラを操作して進んでいく、このコミカルなアクションゲームの発売を記念したLIVE配信イベントに、なぜかスコット・イーストウッドが登場。

ゲーム開発者のモルデンハウアー兄弟が見守る中、テンション高めでゲームをプレイし、その発売を祝いました。

*出典元:https://www.zimbio.com/

このゲームについて少し調べてみたのですが、スコット・イーストウッドはキャラクターの声を担当しているわけでもなく、また、このLIVE配信イベントについての情報もほとんど見つからなかったので「なぜスコット・イーストウッドがゲストに呼ばれたのか?」はいまだ謎ですが、このイベント内で彼が身に着けている腕時計は一目瞭然。IWC パイロット・ウォッチ タイムゾーナー クロノグラフ(Ref.IW395001)です。

プライベートやオフショットでの写真において、以前から彼の腕によく着けられていたのがコチラの腕時計。キャップにTシャツにデニムという、プライベート感あるカジュアルな装いと、着け慣れた腕時計が醸し出す相乗効果でしょうか。非常にリラックスした雰囲気が伝わってまいりますね。

それにしても、なんでスコット・イーストウッドなの???????(笑)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

デビュー当時は母方姓の「スコット・リーヴス」を名乗っていた為、あまり「二世俳優」というイメージが付くこともなく、堅実にキャリアを築き上げてきた印象のスコット・イーストウッド。彼のそんな人柄をあらわすように、身に着ける腕時計も浮ついたところのない、実用性の高い腕時計ばかり。

とはいえプライベートでは、ワールドタイマーフライバッククロノグラフの付いたIWCの多機能パイロットウォッチをチョイスするあたり、彼の「時計センス」は中々侮れないものを感じさせます。

*出典元:https://www.today.com/

親子で有名俳優と聞くと、いろいろ不仲なイメージもあったりするのですが、2016年のチャリティーショーで父親の出世作『荒野の用心棒』(1964)の主人公、「名無しの男」のコスプレを披露したスコット・イーストウッドには、その心配は無さそうです。

ちなみに、クリント・イーストウッドが「名無しの男」を演じたのは34歳頃。スコット・イーストウッドがコスプレをしているのは30歳頃。もう少し歳を重ね、父親のような渋みが出てきたら、『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』など、父親が確立した「マカロニ・ウェスタン」の名作リメイクの主役にピッタリじゃないかと思っているのは、私だけではないでしょう。

しかし、舞台となる西部開拓時代は1860~1890年代なので、登場人物たちが腕時計を着けていることはないでしょうけどね。残念!

ではまた!

Actor's watch