映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第102弾の今回は、ハリウッドを代表するラテン系イケメン俳優「アントニオ・バンデラスの腕時計」をお送りします。

*出典元:https://www.filmcomment.com/

スペインの巨匠、ペドロ・アルモドバル監督の『神経衰弱ギリギリの女たち』(1988)で演じた眼鏡の青年、カルロス役が転機となり、一躍スペイン映画界のトップスターへと昇り詰めたアントニオ・バンデラス。ハリウッド進出後は、恋人を殺したギャングへの復讐に燃えるメキシコのギター奏者(エル・マリアッチ)を演じた主演作『デスペラード』(1995)で世界的に大ブレイク。甘いマスクのセクシーなラテン系アクションスターとしての地位を確立します。

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ナイーブな青年役から、鍛え上げられた肉体を持つセクシーなラテン系スター俳優へと見事に脱皮を遂げたアントニオ・バンデラス。今回は、そんな彼が劇中で着用した腕時計に注目して参ります。

暗殺者

ASSASSINS(1995)

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超一流のベテラン暗殺者ラス(シルヴェスター・スタローン)は、ある汚職政治家の暗殺を依頼されたが、野心的な若き暗殺者ミゲル(アントニオ・バンデラス)に先を越されてしまう。ラスの次なる仕事は極秘ファイルを持つ女性ハッカー「エレクトラ」の暗殺。しかし、またしてもミゲルが現れ暗殺は失敗。それどころか、ラスはエレクトラと共に逃亡するハメに陥る。

ラスを亡き者にすることで「世界一の暗殺者」の座を得ようと考えるミゲル。極秘データを取り返すためにミゲルを雇い、ラスとエレクトラを追跡させる「組織」。ラスの逃亡先となったカリブで、新旧2人の暗殺者の最後の戦いが始まろうとしていた、、、

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裏稼業からの引退を望む超一流の暗殺者と、彼を蹴落として「世界一の暗殺者」の座を手に入れようとする若き暗殺者役の戦いを描いたアクション大作『暗殺者』(1995)。本作では、野心に溢れる若き暗殺者ミゲルを演じたアントニオ・バンデラスが、ブライトリング コルト オーシャン(Ref.A17035と思われる腕時計を着用しています。

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ちなみに、本作でベテラン暗殺者のラスを演じるシルヴェスター・スタローンが着用している腕時計は、パルサー クォーツ(Ref.不明)。「P」だけが大文字のロゴから推察するに、セイコーに買収される以前の1970年代のモデルではないかと思われます。

世界一の座を狙うミゲルはステータス性のあるブライトリングを選び、引退を望むラスは実用性の高いクォーツ時計を選択する。このあたり、腕時計が上手くキャラクターの対比を表現しているのではないかと思います。

ザ・エッグ ~ロマノフの秘宝を狙え~

THE CODE(2012)

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伝説の大泥棒リプリー(モーガン・フリーマン)が引退前の最後の大仕事で狙うのは、4000万ドルの価値を持つロマノフ王朝の秘宝「インペリアル・イースター・エッグ」。手を組んだコソ泥のガブリエル(アントニオ・バンデラス)と共に完璧な計画を練り上げ、秘宝が眠る美術館に侵入したまでは良かったが、次々とアクシデントに見舞われ、計画は崩れていく。

共に「秘密」を抱えて仕事に臨んでいたリプリーとガブリエル。そこに秘宝を狙うロシアンマフィアの陰謀と、リプリー逮捕に執念を燃やすNY市警の思惑が重なり、リプリーの最後の仕事は思いもよらない事態へと発展していく、、、

*出典元:https://imidge.com.ua/

それぞれ大きな「隠し事」を秘めた登場人物たちによる、虚々実々の駆け引きで大ドンデン返しが繰り広げられる大人の犯罪映画『ザ・エッグ ~ロマノフの秘宝を狙え~』(2012)。ちょっと頼りなさげなコソ泥のガブリエルを演じたアントニオ・バンデラスが本作で身に着けている腕時計は、IWC アクアタイマー クロノグラフ(Ref.IW371918)

さて、コソ泥でしかないガブリエルが、なぜブランド腕時計を身に着けているのか?このような小道具のチョイスも、もしかしたら「騙し騙され」を読み解くヒントになっているのかもしれませんのでお見逃しなく。

ジーニアス:ピカソ

GENIUS(2018)

*出典元:https://news.artnet.com/

20世紀最高の画家と称され、世界中の誰もがその名を知る画家パブロ・ピカソ(アントニオ・バンデラス)。彼の生涯を紐解き、なぜ頻繁に作風を変えていったのか?政治との関わりを嫌っていた彼が、なぜ『ゲルニカ』を描いたのか?数々の名画に込められたピカソの思いを浮き彫りにしていく。

また、生涯に渡って多くの女性を愛し続け、そのロマンスを創造の原動力としたピカソの知られざる恋愛遍歴。彼女たちの存在が作品に与えた影響とは、、、

*出典元:https://www.stuff.co.nz/

ナショナルジオグラフィック・チャンネルで放送されている、歴史上の天才たちの知られざる素顔に迫った伝記ドラマ『ジーニアス』シリーズ。その第2期『ジーニアス:ピカソ』(2018)で描かれるパブロ・ピカソの生涯で、彼と同じスペイン人のアントニオ・バンデラスが中年期のピカソを演じています。

本作で彼が身に着けているのは、ティアドロップ型のラグが特徴的な、1950年代頃のジャガールクルト(Ref:不明/参考画像)と思われます。

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本作でジャガールクルトの腕時計が選ばれたのは何故なのか?それは実際にピカソがジャガールクルトの腕時計を愛用していたから。そのモデルは、トリプルカレンダー ムーンフェイズ(Ref. 141.008と言われています。

ドラマでは、同じくティアドロップ型のラグながら、機能的にはシンプルなモデルが選ばれています。もしかしたら、手元がアップになったときなどに、”あまり目立ち過ぎないよう”という配慮によるものかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

アクションスターの場合、堅牢ながら安価で無骨なGショックなどのデジタルウォッチを着けて映画に登場することも少なくありません。しかし、アントニオ・バンデラスがそのような腕時計を着けている作品は見つけられず、今回ご紹介したモデルのように、スポーティーながらエレガントな腕時計を着用しているか、もしくは腕時計を着用していないか、そのどちらかのように見受けられました。

「情熱の国」スペイン出身だけに、アクション映画でもエレガントな雰囲気は犠牲にしたくないというファッションポリシーの持ち主なのかもしれません。

*出典元:https://m.imdb.com/

アクションスター総出演の『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(2014)では、過去の「寡黙なラテン系色男」のイメージを打ち破り、「ベテランおしゃべり傭兵」という、いい意味でキャラ崩壊を見せたアントニオ・バンデラス。

今年の夏に公開予定の『インディー・ジョーンズと運命のダイヤル』(2023)でも、ハリソン・フォード演じるインディー教授の仲間役での出演も決定しており、どんな新しいキャラを見せてくれるか、大いに期待したいところ。公開されたら即、観に行きたいと思います!

ではまた!

Actor's watch