「時計は着ける人をあらわすモノ」
皆さんはこんな言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。本来、時計とは時刻を確認するモノとして扱われますが、持ち主のステータスを表すアイテムとして考えられてもいます。
例えば、高級時計を身に着けているだけで
「購入するだけの資産を保有している」⇒「ビジネスが成功し、仕事が出来る人」
といったイメージを持てるかと思います。これは、その時計1本でその人を表してしまうものとも言えるかもしれませんね。
それ故、映画やドラマなどでも、登場人物の個性を表現する小道具として、あるいは著名人や芸能人などのパーソナリティや価値観を理解する為のアイテムとして、身に着ける時計が観客やファンからの注目を集め続けているのでしょう。
さて、今回は有名俳優である“クリント・イーストウッド”が身に着けている腕時計にフォーカスし、その人となりに迫っていきたいと思います。
クリント・イーストウッドの腕時計
時計&映画好きの方なら、これだけでピンと来ますよね。
その通り、“ルートビア”です。
*出典元:https://www.rolexforums.com/showthread.php?t=31875
60~70年代に人気を博したマカロニウェスタン(イタリア製の西部劇)で多くのヒット作に主演し、大スターとなったクリント・イーストウッド。彼の腕元に、ある特徴的な腕時計が頻繁に見られるようになったのは80~90年代にかけてです。
その時計とは、ブラウンとゴールドの2トーンベゼルのロレックス GMTマスター(Ref.16753)、“ルートビア”です。クリント・イーストウッドは複数の映画作品の中で、このルートビアを繰り返し着用しています。
*出典元:https://www.rolexforums.com/showthread.php?t=31875
”ルートビア”が登場する映画
この3本の劇中において、イーストウッドの腕元に”ルートビア”が確認できます。
『ファイヤーフォックス』Firefox(1982)
『タイトロープ』Tightrope(1984)
『ザ・シークレットサービス』In The Line of Fire(1993)
有名俳優の方などが映画やドラマなどで高級時計を着用していますが、同じ俳優の方が同じモデルを付けて複数の映画に出演するというのは少し珍しいことなのではないでしょうか。
ロレックス GMTマスター Ref.16753 “ルートビア”の特徴
ロレックス GMTマスターRef.16753は、ハイビート仕様のCal.3075を搭載し、防水性能は100m、カレンダーのクイックチェンジも備え、前型のRef.1675と比較して大きく精度と機能性を高めた、GMTマスターの3世代目にあたるモデルです。
劇中で時計が大きく映るシーンがありますが、インデックスは初期型の特徴であるフジツボ(英語では「ニップル(nipple)」と呼ばれる)に見えます。文字盤も光沢のあるシャイニーブラウンのようですので、俗に茶壺と言われる、今ではセミヴィンテージとして大変人気のモデルで間違いなさそうです。
*出典元:https://www.rolexforums.com/showthread.php?t=318753
このモデルは、青赤ベゼルの”ペプシ”、赤黒ベゼルの”コーク”にならい、茶金のツートンカラーに対し、茶色い缶の炭酸飲料である“ルートビア”の名が冠され、腕時計愛好家やロレックスファンに親しまれています。
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クリント・イーストウッドと”ルートビア”
クリント・イーストウッドが着用するGMTマスター Ref.16753 “ルートビア”は、プライベートでの着用も目撃されているようですので、おそらくは私物と思われます。
登場人物の個性やキャラクター性より「イーストウッドが出ているから観る」という観客に対して、イーストウッドらしさを全開にするために愛用のロレックスを着ける、まさに名前で客が呼べるスーパースターだけに許された小道具の選択ではないでしょうか。
そして、クリント・イーストウッドといえば、なんといっても【マカロニ・ウェスタン】。セルジオ・レオーネの美学、エンニオ・モリコーネの抒情、そしてクリント・イーストウッドの無頼。シビれますね(笑)
主演作『夕陽のガンマン』や『荒野の用心棒』の両作品は、どちらも茶色いマントと黄色い砂のイメージで、まさにルートビアカラーの世界!もし西部開拓時代(1860~1890年頃)にロレックスが存在していたなら、茶金のGMT”ルートビア”が小道具として選ばれていたに違いありません。イーストウッド演じるガンマン「名無し」の腕に茶壷が乗ってる姿、観てみたかった…。
まとめ
90歳になって尚、精力的に映画製作を続けるクリント・イーストウッド。
近年では、A.ランゲ&ゾーネのランゲ1を着けることが多くなっているようです。
スター俳優を経て、いまや名監督となったイーストウッドの腕には、洗練の極みといえる「ランゲ1」はまさにピッタリ。これからもまだまだ映画を作り続けてもらいたいものです。
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