阿部泰治のパテック論～第２８３回～革新的なトラベルタイム搭載モデル『カラトラバパイロットトラベルタイム』「Ref.5524G-001」をご紹介！！ | 高級腕時計の販売・買取ならコミット銀座

みなさん、こんばんは。

今回は価格的にも手が届きやすく、それでいて実用性にも優れた"あの"モデルをご紹介いたします。ぜひ最後までご覧ください！！

「Ref.5524G-001」
『カラトラバパイロットトラベルタイム』18KWG

2015年の新作として発表された『カラトラバパイロットトラベルタイム』「Ref.5524G-001」。

18KWG（ホワイトゴールド）ケースにネイビー文字盤を合わせ、ケース径は42mmと存在感のあるサイズ感ではありましたが、従来の【パテックフィリップ】らしくないデザインということもあり、発表当初は賛否両論ございました。

私自身も初めて見たとき、【IWC】や【ゼニス】、あるいは【ハミルトン】にも似ているなと感じたのを覚えていますが、実際は1930年代のアビエーターウォッチをルーツとしているため、歴史的背景に基づいた意匠を搭載している歴とした【パテックフィリップ】のモデルなのです。また、発売当初は流通量が少なく、市場価格も定価を上回るプレミアム価格で推移していました。

「Ref.5524G」は、モデル名の通り“トラベルタイム”機能を搭載していますが、従来のものとは大きく異なる革新的なポイントがあります。それは、ローカルタイムの変更ボタンに【特許取得のロック機構】が備わった点です。

一見すると「その程度？」などと思われるかもしれませんが、これは実用性を大きく向上させた重要な進化でした。刻みの入ったボタンは、見た目こそ「ネジ込み式」に見えますが、軽く回すだけでロック解除ができ、プッシュ操作が可能になります。従来の上下にあるトラベルタイム用ボタンは押し心地が柔らかく、時計の着脱時などに意図せず押してしまうことが多々ありました。ところが、この「Ref.5524」ではロック機構によりその不安が解消され、安心して使用できる仕様となっています。

【パテックフィリップ】の”トラベルタイム”機構は使い方が簡単で、LOCAL（現地、滞在先）タイムを、10時位置、８時位置にあるボタンを押して時間を合わせるだけ。旅行やお仕事など、海外へ行く機会が多い方には特にオススメです。

●使用方法、及び見方
▶３時位置HOME（出発地）、９時位置LOCAL（現地）の小窓によって昼夜を判別 （午前６時～午後６時：ホワイト、午後６時～午前６時：ブルー）
▶10時位置と８時位置のケースサイドのボタンを押してタイムゾーンを変更 （通常の時針操作）
▶８時位置のプッシュボタンを押すことにより１時間前進
▶10時位置のプッシュボタンを押すことにより１時間後進

本モデルから【パテックフィリップ】では珍しく“カーフレザー”が採用されています。ストラップは、ネイビー系の文字盤と相性の良いブラウンのマットカーフレザーに、アイボリーステッチを組み合わせた仕様と、アヴィエータースタイルを意識したデザインになっています。

通常、カーフ素材のストラップはカジュアルな印象になりがちですが、上品さを失わずに、絶妙なバランスで仕上げられています。

また、新設計の18KWG製ピンバックル（尾錠）は、パイロットが使用するパラシュート用ハーネスの金具から着想を得たデザインで、細部までアヴィエーターテイストへのこだわりが感じられます。

サファイアクリスタルバックから鑑賞できるムーブメントは「Cal.26-330 S C FUS」。発売当初は「Cal.324 S C FUS」を搭載していましたが、後にアップデートされ「Cal.26-330 S C FUS」へと進化しています。この改良によって、ハック機能（秒針ストップ）が追加されただけでなく、従来は注意が必要だったカレンダー変更の禁止時間帯も解消。結果として、操作性・実用性が大幅に向上しています。