みなさん、こんばんは。
今回は、記念すべき第一回目のパテックフィリップ論でも取り上げた、『ワールドタイム』の三世代が同時に在庫しておりますので、この機会に取り上げてみたいと思います。是非とも最後までお楽しみください。
「Ref.5110R-001」
『ワールドタイム』18KRG
【パテックフィリップ】を語る上で外せないモデル『ワールドタイム』。1937年、ルイ・コティエ氏が発明したワールドタイム機構を、角形のケースに手巻き式ムーブメントを搭載し、初めて腕時計として完成させた「Ref.515 HU」。その後、1939年に「Ref.1415 HU」、1953年に「Ref.2523 HU」が登場し、そのどれもが海外オークションなどでしか見ることが出来ず、モデルによっては数億円になるものもございます。
それから40年以上の時を経て、2000年に現代版『ワールドタイム』として発表されたのが、こちらの「Ref.5110」シリーズ。※ケース素材はYG(イエローゴールド)、RG(ローズゴールド)、WG(ホワイトゴールド)、PT(プラチナ)の展開。PTのみ、インダイヤルのカラーがブルー。
今回ご紹介するモデルは、18KRG(ローズゴールド)素材の「Ref.5110R-001」。ケース径は37mmと、今となってはやや小ぶりに感じられる方もいるかと思いますが、トータルバランスを考えると、個人的には好みであります。
こちらのモデルから、ケース10時位置のプッシュボタンを押すだけで、時針、24時間表示回転ディスク、都市名ディスクを連動して変更出来るようになりました。12時位置に設定したい都市名が来るまでプッシュし、その後に現在時間を合わせる仕組みです。説明だけを聞くと、簡易な機能のように感じますが、実際に時計を操作すると、その複雑な機構を体感できます。
サファイアクリスタルのスケルトンバックから眺めることが出来る、画期的なワールドタイム機構を搭載するムーブメント「Cal.240 HU」は、ケースとの比率を含めて、思わずうっとりとしてしまいますね。また、細かい点ではありますが、ラグ部分4箇所の刻印一つ一つの丁寧な仕上がりには、感嘆してしまいます。
こちらの個体は、2022年7月にメーカーでオーバーホールとケース仕上げを行なっております。メーカー修理保証期間がほぼ2年近く残っているのは、複雑機構を搭載しているモデルにとっては高ポイントですね。多少の取りきれていない細かなキズ残りはございますが、メーカーでの仕上げは形状を損なわないよう、敢えてライトにしてあると思いますので、そのあたりは逆に安心とも言えます。
内箱は経年による劣化が見られますが、保証書、冊子類、パスケース、外箱、修理明細と付属品は充実しております。
気になる販売価格は、4,268,000円(税込)
国内はもちろん、海外の方からも人気があり、こちらは初代シリーズということも含めて今後が楽しみなモデルであると思います。以前と比べると入荷も少なくなってきておりますので、気になっている方は、是非ともお早めに検討してみてください。
「Ref.5130P-001」
『ワールドタイム』Platinum
2006年に「Ref.5110」の後継モデルとして登場した「Ref.5130」。ケース径が37mmから39.5mmへとサイズアップし、文字盤中心部分のデザインがギョーシェ仕上げからサンビーム仕上げへ、そして針(時針)のデザインもアップルハンドへと変更されました。中心部のデザイン変更によって、現在時刻のセット(特に分単位)がしやすくなり、都市名のリングも若干大きくなったので、見やすくなったと思います。
先述の通り、こちらはPT(プラチナ)素材の「Ref.5130P-001」のため、インダイヤルのカラーはブルー。光沢感がありとても綺麗な色味で、しっかりと差別化されております。
ケース6時位置のダイヤモンドも、PT(プラチナ)のみの差別化されたポイントですね。
スケルトンバックから眺めることが出来る、画期的なワールドタイム機構を搭載するムーブメントは、先ほど同様、先代から引き継がれている「Cal.240 HU」です。
こちらも、2022年3月にメーカーでオーバーホールを行なっております。修理保証期間が1年半近く残っており、これまた高ポイントですね。ケースにスレや小キズはございますが、ポリッシュなしに近い、しっかりとした印象の良い個体です。
保証書は付属しておりませんが、冊子類、パスケース、箱、修理明細が付属しております。
気になるコミット販売価格は、5,676,000円(税込)
保証書が付属していない分プライスが魅力的な1本です。そしてなにより【パテックフィリップ】のプラチナモデルはやはり特別感があり、一度は手にしてみたい時計であると思います。
「Ref.5230G-001」
『ワールドタイム』18KWG
2016年に「Ref.5130」の後継モデルとして発表された「Ref.5230」。ケース径は39.5mmから38.5mmへと若干サイズダウンし、文字盤中心部分は凝ったギョーシェ仕上げに、そして針は初代と二代目を組み合わせたデザインへと変更になりました。
ケースデザインもリューズガードがなくなったことでスッキリとした見た目となり、これまでのモデルと比べると平面的でエッジが立った印象ですね。
こちらの個体は、18KWG(ホワイトゴールド)素材の「Ref.5230G-001」。ラグのデザインも大きく変わり、『ワールドタイム』の名作である「Ref.2523/1」を彷彿とさせます。
スケルトンバックから眺めることが出来るワールドタイム機構を搭載するムーブメントは、こちらも初代から変わらず「Cal.240 HU」。ベースとなっているムーブメントは、超薄型の自動巻「Cal.240」ですので、ケース厚も10.23mmに抑えられております。22Kのマイクロローターに刻印されたカラトラバ十字も美しく、これまた芸術品のようですね。
状態は使用によるスレや小キズがございますが、ノンポリッシュでしっかりとした印象の良い個体です。付属品は保証書がございませんが、ワンオーナー品ですのでご安心いただけます。
気になる販売価格は、4,686,000円(税込)
魅力的なプライスであり、今年廃盤となってしまった「Ref.5230」。もう手に入らない1本は今が買い時ではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、『ワールドタイム』が初代から三代目まで揃っており、なかなか全てを同時に見る機会もないと思い、こちらでご紹介させていただきました。お時間ございましたら、是非店頭でも直接見比べていただき、それぞれのモデルの良さを体感してみて下さい。
コロナ禍でなかなか自由に海外へ行くことが困難ではありますが、また近い将来、自由に海外へ行けるようなることを心待ちにし、その時に『ワールドタイム』を着けて海外を行き来する方が増えて頂ければ幸いです。
ではまた!