昨今ロレックスのモデルで注目されているセミヴィンテージ。今やヴィンテージロレックスが高騰し、なかなか手が出しにくい方も多くいらっしゃると思います。
しかし、セミヴィンテージでも十分にヴィンテージ感を楽しめ、使っていく中で将来的に値上がりも期待できる、、、そんな夢も現実味を帯びています。
では、実際に今狙うべきモデルとは?おすすめモデルをご紹介します。
セミヴィンテージとは?
MASTER’Sコラムでも「ヴィンテージの定義とは?」をお伝えしましたが、「セミヴィンテージの定義」も、もちろん決まっておりません。一般的には「1980年〜1990年代頃に製造された時計」をそう呼ぶことが多いようです。もっと広義では、すでに生産終了している5桁リファレンス(Ref.〇〇〇〇〇)を「セミヴィンテージ」と捉えられています。また、その中で、「セミヴィンテージ」の特徴として大きく2点ございます。
それは
❶インデックスや針、回転ベゼルの夜光マーカーに「トリチウム」が使用されている点
❷バックルにダブルフリップの無い「シングルバックル」を使用している点
です。
MASTER’Sコラム『ヴィンテージウォッチとは?』の記事はこちら
❶トリチウム夜光
トリチウム夜光は発がん性の物質を使用していることから、ダイヤルに「SWISS-T<25」の記載があり、注意喚起しておりましたが、1990年代後半には使用を全面的に禁止され、ロレックス社もルミノバ夜光に変更しました。トリチウム夜光の特徴として「変色」することが挙げられ、キレイにクリーム色になったものは評価も高くなります。
❷シングルバックル
バックルにダブルフリップの無い「シングルバックル」は、1990年代初期までのデイトナ、エクスプローラー、エクスプローラーⅡ、GMTマスター、GMTマスターⅡに見られる仕様です。以前はダブルロックの需要がありましたが、近年ではヴィンテージライクな雰囲気からニーズが高まっています。
ヴィンテージの雰囲気を楽しめるセミヴィンテージおすすめモデルをご紹介!価格推移もご覧ください!
GMTマスター Ref.16700
GMTマスター「Ref.16700」はR番(1988年頃)~A番(2000年頃)までに製造されたGMTマスターの最終モデルです。約12年間の製造の過程で夜光塗料をトリチウムからルミノバへ、バックルをシングルロックからダブルロックに変更するなど、ロレックス社らしい改良が施されました。現在はこのマイナーチェンジによる差が評価され、90年代初期のオールトリチウム、シングルバックルの個体に、人気が集中しています。価格帯は135万〜145万円あたりの相場で販売されています。去年までの価格推移を見ても上がり続けていますね。
VIA: https://www.watchpricetrend.com/Rolex_GMT+Master_16700-63.html
*2019/1月〜2020年11月までの価格推移
エクスプローラーⅡ Ref.16570
エクスプローラーⅡ 「Ref.16570」はスポーツモデルの中では、数少ないブラックとホワイトの2色展開があるモデルです。デイト表示に加え、GMT機能など充実した機能面を持っていながらも他のスポーツモデルと比べると買い求めやすい値段が魅力的なモデルです。夜光は全てトリチウムで、バックルはシングルがセミヴィンテージのお決まりですね。そして、ケースとブレスレットを留めるラグの横に「穴」が空いていることで、「ストラップ交換」がしやすいため、人気のNATOストラップ変えて楽しんでいる方も多いです。
ヴィンテージ特有の経年変化によって夜光焼けがクリーム色に変化した個体はかっこいいの一言!このモデルは初期ロットの白文字盤をお探しの方が比較的多い印象ではございますが、黒文字盤のシングルトリチウムも探すと意外と出てこないので、個人的には黒文字盤も激シブだと思います。現在、白文字盤で90万〜120万円、黒文字盤で85万〜100万円前後で販売しております。こちらも今後、上がり続けると予測されますね。
VIA: https://www.watchpricetrend.com/Rolex_Explorer+2_16570-15.html
*2019/1月〜2020年11月までの価格推移
エクスプローラーⅠ Ref.14270
エクスプローラーⅠ 「Ref.14270」はE番からP番(1991年頃から2000年)まで製造され、セミヴィンテージの中でも人気の定番モデルです。日付表示がなく、文字盤の種類も黒文字盤のみ、ケース素材もステンレスのみという究極のシンプルウォッチです。シンプルがゆえにどんな服装にも溶け込み、「ロレックスの中でも最も使いやすい」と評価する声も多いモデルです。「最初に買うべき高級時計」の動画でもご紹介していますが、やはりセミヴィンテージの90年初期個体はおすすめです。
特にオールトリチウムの個体で、横穴ケース、シングルバックルのエクスプローラーは、探されているお客様が非常に多い印象です。価格帯の相場は、80〜100万円になります。中には「ブラックアウト」と呼ばれる初期ロット”E番(1990年〜1991年)”と”X番(1991年)”に存在している、3・6・9インデックスに白いラインが入らないレアダイヤルなど、価格が高騰し200万円を超える相場のモノもございます。また価格推移を見ても、変動はありますが、TTLでみると上昇傾向にあります。*下記チャートはノーマル
VIA: https://www.watchpricetrend.com/Rolex_Explorer_14270-77.html
*2019/1月〜2020年11月までの価格推移
まとめ
初級編はいかがでしたでしょうか?比較的買い求めやすいモデルをピックアップしましたが、現行モデルには無い、十分にヴィンテージ感を楽しめるモデルが多かったかと思います。
今回ご紹介したセミヴィンテージは、90年初期モデルで既に30年ほど経っているため、エイジングも見逃せないポイントです。また、価格に関しても上昇傾向にありますので、迷われている方は「あの時、買っておけば良かった!」となる前に検討することをおすすめします。
セミヴィンテージのキーワードである
「トリチム夜光」+「シングルバックル」
是非ともご参考に、素敵な個体を探して見てはいかがでしょうか?
次回も注目されているセミヴィンテージの中級編、上級編をお届けします!