他人の目に留まりやすく、持っている人のステータスを表現することが出来る高級腕時計。ただ、多くの高級腕時計ブランドの中でどれを選べば良いのか分からない方も多くいるかと思います。

そんな時に”ブランドの格付け(立ち位置)”が分かれば、よりご自身に合った時計を選びやすくなると思いませんか?
ということで、本記事では時計における「格」が何によって決まるのか、その基準と合わせて格付けランキングをご紹介したいと思います。是非最後までご覧ください!

格付け評価基準とは

格付けの基準①:精密さ

高級腕時計のほとんどは機械式腕時計で、作りが非常に複雑です。

高級腕時計には大きく分けて電池式(クオーツ式)と、ゼンマイで動く機械式とがあります。機械式の時計は、非常に複雑な作りをしており、職人たちが何百もの細かいパーツを丁寧に作り上げ、そのパーツを組み合わせて一つの腕時計を完成させています。

また、永久カレンダーなどの複雑な機構を搭載したモデルを作る技術を持つブランドは、あまり多くなく、それらを高精度で作るブランドは格が高いと言えるでしょう。

格付けの基準②:デザイン性

普遍的なデザインで、何年にも渡りファンを魅了し続けているモデルがあることも、重要なポイントです。流行り廃りに流されて価値が下がってしまう時計は格が高いとは言えません。本当に格が高い時計というのは、時を経てもなお高い評価を受け続けるものです。

また、高級腕時計ではダイヤモンドなど「高級な素材」を使うことが多くあります。素材自体の価値が下がらないというのも高級腕時計の一つの特徴です。

格付けの基準③:マニュファクチュール

上述の通り、機械式腕時計は非常に細かい何百ものパーツから成り、それらを組み合わせることで作られています。この全てを一貫して自社で作ることを『マニュファクチュール』と言い、細かい部品や品質の管理を全て自社でやりきらなければならず、非常にコストがかかります。ですが逆に言うと、これを実現出来るだけの技術力と会社の体力があるので、それだけ時計界の中での地位が高いということも言えますね。

格付けの基準④:歴史への貢献

「新しい機構を発明した」「革新的なデザインや技術で時計業界にインパクトを与えた」など、時計の歴史に刻まれるような偉業を成し遂げたブランドは、やはり格が高いと言えます。それは、ただ流行を作りだしただけでなく、時計界の発展にも貢献しており、今日の時計界があるのはその偉業があったからでこそ。スポーツなどでも、世界記録を塗り替えた選手は、その後さらに記録を塗り替えられようとも、偉大な選手として取り上げられているのが良い例ですね。

格付けランキング ベスト5

さて、お待たせしました。ここからは、上記の基準に照らして格付けしたブランドをランキング形式でご紹介致します。

1位:パテックフィリップ

パテックフィリップ カラトラバ

まずは世界三大腕時計ブランドの1つ、【パテックフィリップ】。世界三大腕時計ブランドの中でも頭一つ抜きん出ているとされ、圧倒的なステータス性を誇ります。

特徴は「最高級の精密さ」「高貴なデザイン」です。

パテックフィリップの腕時計の精密さを裏付ける事実として、パテックフィリップは今まで販売してきた、ほとんど全ての腕時計でジュネーブシールを獲得しています。

(※)ジュネーブシール:スイス政府及びジュネーヴ州によって規定された基準に基づいた品質規定における最高級スイス時計の証。精度以外にも製造方法や仕上げにも指定があります。

それだけには留まらず、近年ではジュネーブシールを上回る厳しさの、独自の規格基準で「パテックフィリップシール」というものを作り、この基準を上回る腕時計だけを作っています

次にデザインについてですが、これは写真を例に見ていただければわかるでしょう。シンプルでありながら丸型と針のバランスが絶妙で見る者を引き込みます。どれだけ見ていても全く飽きがこないデザインです

839年に設立されて以来、イギリスのヴィクトリア女王をはじめとしてチャイコフスキーなど多くの貴族・芸術家などに愛用されてきた【パテックフィリップ】。

さらに、中古の腕時計を一定の高値で買い戻すなど、中古でも高い価値を保ち続ける企業努力もしており、いつまでも価値が下がりません

2位:オーデマピゲ

オーデマピゲ ロイヤルオーク

続いても世界三大腕時計ブランドの一角、【オーデマピゲ】。

ブランドの最も大きな特徴は、「歴史」です

1875年に『ジュール=ルイ・オーデマ』と『エドワール=オーギュスト・ピゲ』の二人が創設し、二人の名称を取って【オーデマピゲ】というブランドが誕生しました。そして、この【オーデマピゲ】、なんと1875年の創業以来、一族経営を貫き続けているのです。百何十年もの間、「血統を守り続け、買収されずに長く続いている」という歴史から、経営者に非常に人気の高いブランドとなっています

また、「技術」「デザイン」にも特徴があります。

伝統と革新の融合』という哲学を掲げ、この哲学のもと腕時計を作っており、今でもこの哲学が脈々と受け継がれています。

例えば、写真の『ロイヤルオーク』は、発表当時異例の「薄さ」と「50mの防水性」によって、今日に至るまで非常に高い人気を誇っています。まさにラグジュアリースポーツ時計の先駆けと言われており、オーデマピゲの哲学が詰まったモデルで、高い技術力とデザイン力が結集されています。ちなみに、この八角形のベゼルは英国艦艇ロイヤル オークの舷窓をイメージしたものとされています。

3位:ヴァシュロン・コンスタンタン

ヴァシュロンコンスタンタン オーヴァーシーズ

世界三大腕時計ブランド最後の1つ、【ヴァシュロンコンスタンタン】。

このブランドは、「歴史」「技術」「デザイン」それぞれに特筆すべき偉業があります。

まずは「歴史」について。【ヴァシュロンコンスタンタン】は1755年に『ジャン=マルク・ヴァシュロン』によって創業されました。なんと、創業以来260年以上にわたり営業を継続している「最古の時計ブランド」なのです。

続いて「技術」について。1935年に部品数820という世界一複雑な「グランドコンプリケーション」の腕時計をエジプト王への贈呈品として製作したり、2015年に史上最も複雑な時計とされる「Ref.57260」を発表しています。「Ref.57260」は驚くことに、設計と製造に8年の歳月を費やし、最先端の技術と伝統的な手法の組み合わせによって、57もの複雑機構を搭載しているとのことです。

最後は「デザイン」。1979年にトータル130カラット、計118個ものダイヤモンドを使った「カリスタ」を発表しました。製作に6000時間以上かかったとされ、当時としては最高値がつきました

ちなみに、ブランドの誇りを体現するシンボルマークとして「マルタ十字」を商標登録しており、文字盤やリューズ、ラグなどに用いられています。

4位:ジャガールクルト

ジャガールクルト レベルソ

続いてのご紹介は【ジャガールクルト】。

1833年、創業者の『アントワーヌ・ルクルト』は腕時計の部品を製造する為の機械を製造する工房を立ち上げ、【ジャガールクルト】は創業されました。そしてジャガールクルトは、ミクロン単位を測定できる機械「ミリオンメーター」を発明しました。これは当時の技術の中でも最先端であり、時計の精度を飛躍的に向上させました

これが発端となり、高度な生産システムを構築。約60年に渡って350種類以上ものムーブメントの製造に成功しており、その多くが複雑な機構を搭載したモデルとなっています。

1902年からは【パテックフィリップ】のムーブメントのほとんどを製造したり、他にも【ヴァシュロンコンスタンタン】や【オーデマピゲ】へムーブメントを供給したりといった過去もあります。

これらのことからジャガールクルトは「最高レベルの技術力」とも称されています。

写真は【ジャガールクルト】の代表モデル『レベルソ』シリーズ。レベルソはラテン語で「回転する」という意味で、時計を“裏返し”にすることができるデザインが特徴的です。上流階級に人気だったポロ競技の際に風防(ガラス)を守るために設計され、当時から上流階級に愛されており、今でも一流の人に是非つけていただきたいモデルです。

5位:ブレゲ

ブレゲ マリーン

最後に紹介するのは【ブレゲ】。

1775年、「時計の歴史を200年早めた」と言われる天才時計師「アブラアム=ルイ・ブレゲ」が創設しました。今では当たり前となっている機構や外装様式の多くはブレゲによって発明されたものです。現在の腕時計に備わる機構の約70%を発明・改良したとも言われています

例えば、代表的な機構としては、今ではほとんどの高級腕時計で登載されている「自動巻き」です。信頼性の高い自動巻腕時計を初めて実現したのはブレゲでした。他にも「パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)」や「トゥールビヨン」など、枚挙にいとまがありません。

外装様式では、例えば、文字盤に規則正しく模様を彫り込む「ギョーシェ彫り」やケース側面をギザギザにする「コインエッジ装飾」など、独特のものがあります。

~記事の総まとめ~

時計ブランドを格付けする際の基準は、

  • 精密さ・実用性
  • デザイン性
  • マニュファクチュール
  • 歴史への貢献

でした。

この基準でランキングをつけると、

  1. パテックフィリップ
  2. オーデマピゲ
  3. ヴァシュロンコンスタンタン
  4. ジャガールクルト
  5. ブレゲ

となりました。

いずれもそれぞれの特徴や歴史があり、素晴らしいブランドですが、やはり、パテックフィリップは頭一つ抜けていますね。

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