「モノを買えば買った瞬間から資産価値は下がる」
私たちの日常的な感覚ではごく普通の事だと思います。また形あるものはいつか壊れます。金銀のように半永久的にその形を失わないものではない限り、モノは買った瞬間から資産価値は減っていきます。
それは腕時計も例外ではありません。安い腕時計はもちろん、高級腕時計であっても、買った瞬間から定価より価値は下がってしまうのが普通です。
しかし、中には資産価値が高い状態を維持する腕時計も存在します。中には定価の何倍もの値段で取引されるものもあります。
そんな資産価値が高い腕時計の条件とは、どういったものなのでしょうか？
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資産価値の高い腕時計とは「人気が継続」する腕時計
資産価値が高い腕時計の条件は、「人気が衰えない腕時計」のことです。
常に需要がある（ファンがいる）状態の腕時計は、高い値段であっても流通するため、中古市場でも常に高い価値の状態に保たれています。
この特徴を持つ腕時計は、一般ブランドではほとんどなく、高級腕時計ブランドと称される時計メーカーが発売しているものになります。
資産価値の高い腕時計の条件
資産価値の高い腕時計の条件①既に資産価値があると評価を得ている
資産価値の高い腕時計の条件の一つとして、すでにその腕時計は「資産価値がある」と評価を得ている＝プレミア化されていることが挙げられます。
プレミア化すれば欲しがる人（需要）が増えるが、生産数（供給）を増やすことは難しいため、プレミア化は更に進行し、それに併せて市場価格も徐々に上昇していきます。この構造が高級腕時計を確実性の高い「実物資産」たらしめていると言っていいでしょう。
資産価値の高い時計の条件②永続的にメンテナンスが可能
腕時計の価値が目減りしていく理由の一つに、「もう修理ができない」というものがあります。
腕時計の部品には寿命があります。使い続けていくためには、部品交換が必要になりますが、該当する部品は年数が経てば経つほど、在庫がなくなっていきます。
すると、修理が不可能となり、その腕時計はジャンク（壊れ物）になってしまいます。
しかし、高級腕時計の場合、永久修理保証を付けているブランドが多いです。保証とはいっても、無料保証ではありませんが、どんなに昔の製品であっても有償修理を受け付けてくれるのです。
これにより、そのブランドが存続している限り、修理不可能ということはなくなります。
高級腕時計が資産価値が高いのは、ブランドの手厚いサポートがあるからという理由も大きいでしょう。
資産価値の高い時計の条件③「世界規模」で人気がある
資産価値の高い腕時計は、世界中で人気があります。
日本でそんなに人気がなくても、世界で注目されていれば、需要と価格は伸びていきます。
ロレックスなどを代表とするブランドは、世界で認知されています。
つまり、極端な話、日本で全く売れなくても、世界規模で需要があれば、価格は落ちにくいのです。
そういったブランド又はモデルを選ぶことが資産価値を高く保つには必要となるのです。
鑑定士が本気でおすすめする資産価値の高い腕時計ブランド
そんな条件の元、鑑定士が本気でおすすめする「資産価値が大きく下がる可能性は低いブランド」と具体的なモデルをご紹介いたします。
資産価値の高いブランド①ロレックス
ロレックスは100年以上の歴史を持ち、様々な販売・広告戦略が巧みで結果、世界一の知名度を誇るまでになりました。もちろん、品質も申し分ありません。
日本で時計に興味がない方でも、ロレックスの名前は知っている方が多いです。
中古市場でも取引が活発で、当店でもロレックスの人気モデルはすぐに売り切れてしまいます。
そんなロレックスの中でも、特に人気があり、資産価値の高いモデルが「デイトナ」です。
デイトナは先述したモータースポーツの大会であるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイの公式時計として作成されたモデルです。
デイトナは、ロレックスで唯一のクロノグラフ（ストップウォッチ機能）を搭載しています。日本はもちろん世界中で人気が高く、定価を超える値段で取引されることも多いです。
資産として保有するには、これ以上ない時計でしょう。
ただ、正規店で購入するのは、非常に困難です。
様々な正規店を巡る「デイトナマラソン」を行っても、手に入れることができないほどです。もし、運よくデイトナを見つけたらその場で購入してしまっても損はないでしょう。
もう一つ抑えておきたいのが「GMTマスター、GMTマスターⅡ」です。
GMTマスター、GMTマスターⅡは、パイロットのために製作された時計で、秒針・短針・長針に加えGMT針と4針で構成された時計です。GMT針と他3針の組み合わせにより「現在時刻」と「到着場所の時刻」が一目で分かるようになっています。
2色ベゼルが単純にお洒落ということもありますが、世界を股にかけるビジネスマンからの需要も高いと考えられます。
こちらも現在、価格の高騰が続いており、また価格が非常に落ちにくく定価を超えるモデルも多くあります。
資産価値の高いブランド②パテックフィリップ
パテックフィリップは、世界三大時計ブランドの一つに数えられ、「世界一の格」を持つスイス時計として知られています。今では数少ないマニュファクチュール（完全自社生産）の一つです。
パテックフィリップの時計技術力は世界トップクラスで、数々の複雑機構の生みの親です。
かつては王侯貴族が身に着けていた時計を製作していたブランドで、今でも富裕層、政治家、大物芸能人などに好まれています。
世界一のステータス性があるため、需要も高く資産価値が落ちにくい時計ブランドとなっています。
そんなパテックフィリップの時計の中でも、「ノーチラス」と「アクアノート」というモデルは特に価値が落ちにくいです。
「ノーチラス」は、船の舷窓をイメージした時計で、かつてクォーツ時計によって壊滅的な打撃を受けたスイス時計を救ったとも言われています。
パテックフィリップ初のスポーツウォッチで、天才デザイナージェラルド・ジェンタが開発に携わった腕時計です。
「アクアノート」は、ノーチラスを元に開発された時計で、ノーチラスよりも現代的なデザインになっています。「シンプルでありながら、どこか高貴さを感じる」そんな時計です。
アクアノートとノーチラス共に世界で人気があり、定価以上の価格で取引されることも珍しくありません。
どちらを買っても資産価値が高い状態を維持する時計です。
資産価値の高いブランド③オーデマピゲ
オーデマピゲもパテックフィリップと同じく世界三大時計の一つとして数えられるスイスの有名高級ブランドです。こちらもマニュファクチュールの一つです。
マニュファクチュールは、完全に自社で生産しているため、オーデマ ピゲが構想する時計を100%実現しています。非常に高い理想が詰め込まれ、それが世界でも評価されています。
雲の上の時計と言われるほど時計好きには憧れのブランドとなっています。
そんなオーデマピゲの代表モデルはやはり「ロイヤルオーク」でしょう。
八角形のベゼルとタペストリー模様の文字盤が特徴的で、こちらも先述したジェラルド・ジェンタ氏が手掛けたモデルとなっています。
ロイヤルオークも中古市場にて、定価以上の価格で販売されていることがほとんどです。
買取値としては定価、または少し上回ります。
ちなみにリセールバリューを高くするならば、販売する方法も重要になります。
お売りの際にはぜひご相談くださいませ。
オーデマピゲには、他にもロイヤルオーク オフショアやミレネリー、トラディションなどの有名モデルがあります。ですが、これらのモデルの中古市場価格は、定価を下回るため、注意しましょう。
まとめ
この記事では、本気で選ぶ資産価値の高い時計の条件についてお話しさせていただきました。
資産価値が高い条件として、まず第一に「人気が継続する腕時計」であることをお話ししました。
それに加え、以下のような条件が必要となることもお伝えさせていただきました。
- 既に資産価値があると評価を得ている
- 永続的にメンテナンスが可能
- 「世界規模」で人気がある
高級腕時計の中には芸術品や宝飾品と同じように価値が目減りしないものもありますが、以上のような条件を満たしていることで半永久的に価値が継続する可能性があります。
そして、具体的な資産価値の高いブランド、モデルとしては以下をご紹介させていただきました。
- ロレックス（デイトナ・GMTマスター、GMTマスターⅡ）
- パテックフィリップ（ノーチラス・アクアノート）
- オーデマピゲ（ロイヤルオーク）
特にロレックスは、サブマリーナーなどのモデルも資産価値が落ちにくいです。資産価値を重視するならばまずはロレックスから探すのが手堅いでしょう。