皆さんこんにちは。阿部です。

関西地方は既に入りましたが、関東甲信越地方もいよいよ梅雨入りですね。じめっとした日が続きますが、その先の夏を楽しみに頑張っていきましょう。

ちなみに、ちょっとした豆知識ですが『ヴィンテージ』や『アンティーク』と呼ばれる時計は、今の時計のように防水機能が優れていない為、雨の日の着用はお控えした方が良いです。濡れなければ大丈夫と思われがちですが、湿気によって故障をすることもございますので、出来るだけ避けるようにしてください。

さて、アニュアルカレンダーについて書き始めましたが、なんだか終わりが見えなくなってきたような、、、(笑)まぁ、まだまだお伝えしたいモデルや機能が沢山あるという事で、飽きずにお付き合い頂ければと思います。

2010年「Ref.5205」 2018年「Ref.5205G-013」

2010年に” アニュアルカレンダー ”モデルとしてデビューした「Ref.5205」

*Ref.5205R-010

WG(ホワイトゴールド)ケースとRG(ローズゴールド)ケースが用意され、当初は4種類の文字盤バリエーションがありました。WGケースは2トーンの文字盤がとても特徴的なモデルです。

*Ref.5205G-013

そして、2018年には新作として、ブルーブラックのグラデーションの文字盤を配した「Ref.5205G-013」が発表されました。少し話は脱線しますが、「ダイヤル上部に弧を描く様に配置された独特の三つのカレンダー窓」のデザインは、今までの【 パテックフィリップ 】の古典や伝統を重んじていたデザインとは全くもって真逆とされ、2004年に発表された” トノーシェイプ ”の通称” カレンダリオ ”「Ref.5135」から始まっています。

三窓を配した超絶モデル

ここから三窓を配した超絶モデルをいくつかご紹介致します。まずは2008年に登場したパーペチュアカレンダーにトゥールビヨンとミニットリピーターを搭載した「Ref.5207」

*Ref.5207G-001(2018モデル)

ミニッツリピーター、トゥールビヨン、瞬時日送り式永久カレンダー 、2本のゴング搭載のミニッツリピーターはケースに統合されたスライドピースで起動します。

3年後の2011年には超絶グラコン(グランドコンプリケーション)と呼ぶにふさわしい「Ref.5208」にもこのデザインが採用され登場します。

*Ref.5208R-001(2018モデル)

ケース構造は2ピースですが、逆に反った幅の広いベゼルと、サイドから見るとくり抜かれているいるような貫通しているラグは、とても変わっています。

前社長のフィリップ・スターン氏は、クラシカルなデザインを重んじる傾向が強かったイメージでしたが、現社長のティエリー・スターン氏は、より”現代的なエッセンス”を加えたデザインのモデルが多いように見受けられます。

アニュアルカレンダーを搭載したその他のモデル

Ref.5960シリーズ

ここからアニュアルカレンダークロノグラフ「Ref.5960」について少しお話をさせて頂きます。

*Ref.5960P-001

まず、この斬新なデザインの背景には、2006年に発表された画期的な自動巻クロノグラフキャリバー「Cal.CH28-520」のデビューを飾ることが挙げられます。それまでの【パテックフィリップ】には無かった斬新なデザインは、この高機能ムーブメントの為といっても過言ではありません。

*Ref.5960P-016

正直にその当時は、ただただ戸惑いを隠せなかったのを覚えてます。それくらいインパクトがありました。その後、他ブランドもこぞって発表した垂直クラッチ方式を採用し、フライバック機能を備え、時分双方の積算計を6時位置に同軸化し、実用複雑機構である”アニュアルカレンダー”を搭載してきたのは、流石【パテックフィリップ】の一言に尽きると思います。

発売当初はプラチナケースにアリゲーターストラップで発表され、その後さまざまな追加文字盤の発売を経ましたが、2014年に生産中止が発表されます。しかし、同じ年のバーゼルでの新作発表会で実用的なSSケース&ブレスレットで白文字盤の「Ref.5960/1A-001」がサプライズ発表されました。

*Ref.5960/1A-001

スポーティーな文字盤・針の組み合わせ、SSモデルに初のドロップリンクのブレスレットの採用は当時とても話題になりました。

2017年には、白文字盤の生産終了が発表され、代わりに黒文字盤の「Ref.5960/1A-010」が登場します。こちらは翌年には生産終了となり、現在流通している時計は白文字盤と比べると圧倒的に少ないと思います。また、同年にWGケースに青文字盤、パイロットウォッチを思わせるカーフベルトの組み合わせで「Ref.5960/01G-001」もお目見えとなります。

*Ref.5960/01G-001

個人的にこのモデルはかなりツボでありまして、ひそかにはめてみたいと思っております。

当店でも「5960」の取引実績は多数あります。

 

レギュレーター アニュアルカレンダー

最後に「Ref.5235G-001」についてお話します。

*Ref.5235G-001

2011年に発表され、レギュレーター表示の”アニュアルカレンダー”ということで、発売当初は入荷数も極めて少なく、市場ではプレミアムな価格で売っているお店も多かったです。

現在では、市場での価格は比較的リーズナルではありますが、随所にパテックフィリップのこだわりや、力の入れ具合が見える時計かと思います。好き嫌いは分かれるデザインではあると思いますが、個人的に好きな時計でもあります。

まとめ

みなさんいかがでしたでしょうか。まだまだ他にも紹介しきれていない”アニュアルカレンダー”搭載のモデルはありますが、この辺で一旦話は終わりにしたいと思います。続きはWEBで!ではなく、『店頭で!!』(笑)

それでは、最近は【パテックフィリップ】が沢山集まってきていますので、是非とも店舗にも遊びにいらして下さい。

阿部泰治のパテック論