みなさんこんにちは。

今月はROLEXの新作発表があり、時計業界では”サブマリーナー”の話題で持ちきりとなっていますね。9月も折り返しを迎えるところではございますが、私たちのセカンドマーケットにも少しずつ入荷の話題がでてきております。実はちゃっかりとコミットにも入荷をしておりまして、詳しくは下記をご覧になってみて下さい。

 

 

と、ROLEXの話題も非常に興味深いのですが、私は【 パテックフィリップ 】をこよなく愛する鑑定士。(笑)

ですので今回も前回に引き続き、コミット銀座を始めてから出会った【 パテックフィリップ 】の時計で、特に印象に残っているモデルとの出会いについて書いていきます。

是非最後までお楽しみください。

ミニッツ・リピーター

前回の話の中でも触れましたが、コミットを始めて比較的早い時期に、運良く希少モデルや高額モデルを扱わせていただいたのですが、自分の中での転機というと“音系“の複雑機構のモデルだと思います。一般的には、ミニッツ・リピーターと言われている時計です。

*ミニッツ・リピーターとは、音で時刻を知らせる機構。アンティークの懐中時計や腕時計に採用される事が多く、そのどれもが高価格帯となる。モデルによって異なる音が奏でられ、その音の美しさに惹き込まれるファンは非常に多い。

 

「Ref.5078P-001」

【 パテックフィリップ 】のミニッツ・リピーターで、初めて扱ったのが「Ref.5078P-001」です。

大きすぎず小さすぎない程よいサイズ感の38mm PT(プラチナ)製のケース。ホワイトのエナメル文字盤に黒で書かれたレイルウェイの目盛。そこにローマ数字のインデックスが美しく焼き付けられたモデルです。【 パテックフィリップ 】のミニッツ・リピーターモデルを幸運にも何本も見させていただいておりますが、特筆すべきはミニッツ・リピーターの音色です。その音色は大袈裟にも聞こえるかもしれませんが、感動すら覚えます。その時はタイミングと縁が重なり、このモデルについては3本販売させていただきました。


もちろん金額的な問題もありますが【 パテックフィリップ 】の複雑機構を搭載したモデルでカタログにも定価が掲載されておらず、ASKとなってるものがあります。ミニッツ・リピーターであったりトゥールビヨンであったり、さらにそこに永久カレンダーという機構が搭載されているモデルもございます。

当店でもそのような超希少モデルは、ホームページに掲載せずに販売しているため、今回はその一部を特別に紹介したいと思います。

「Ref.5074P-001」

「Ref.5074P-001」ミニッツ・リピーターにパーペチュアルカレンダーを搭載したモデルで、【 パテックフィリップ 】としては42mmと迫力があるケース径にずっしりと重みがあるPT(プラチナ)ケースの仕様。さらに非の打ちどころの無い黒文字盤との組み合わせは、半端じゃない存在感となっておりました。その当時、ホームページに掲載したい気持ちは凄く強かったですが、このクラスの時計になると大人の事情というものもあり、、、(笑) 兎に角カッコいい時計でした。

この時計の存在はもちろん知っており、何本かは素材違いなどで実物を見たことはありましたが、コミットを始めてこの時計を実際に販売出来た時は非常に嬉しかったことをいまでも鮮明に覚えています。またこのような時計を扱えたことは励みにもなり、さらに頑張ろうと思える1本でした。

「Ref.5016P-018」

【 パテックフィリップ 】のモデルの中で、上記で述べてきた以上の機構を搭載したモデルとなると、スカイムーン・トゥールビヨンなどを頂点に限られたモデルになると思います。

「Ref.5016P-018」は単体でも複雑な機構であるパーペチュアルカレンダーにトゥールビヨン、ミニッツ・リピーターを全て搭載したモデルです。さらにパーペチュアルカレンダーはレトログラードとなる為、より複雑なムーブメントとなっています。圧倒的にカッコいい黒文字盤×ブレゲ数字のインデックスにブレゲ針の組み合わせ、6時位置のムーンフェイズと完璧な組み合わせです。9時位置のスライドピースを操作すると、他ブランドを遥かに凌ぐとても美しく繊細な音色を聞くことが出来ます。久々にコラムの執筆で改めて思い出すと、またこんな超絶モデルを扱いたい!と思う今日この頃です。

「Ref.5970P-001」

この時計も今となっては、なかなか見かける機会が少なくなりました。

「Ref.5970P-001」パーペチュアルカレンダー ・クロノグラフ。PT(プラチナ)ケース×黒文字盤、誰が見ても間違いなくカッコいいと思う時計かと思います。先代にあたる「Ref.3970」のクラシカルなデザインを引き継ぎつつ、初代パーペチュアルカレンダー ・クロノグラフ「Ref.1518」二代目「Ref.2499」の第一世代に見られた角形のプッシュボタンを採用し、36mmから40mmにサイズアップをはかりながらも、文字盤外周にタキメーターを配し、絶妙なバランスを保っています。

「Ref.5970」は、プラチナケースを2本販売しておりますが、常に素材問わず扱いたい時計であり、私のモチベーションを上げてくれる時計でもあります。(笑)腰眈々と狙ってはおりますが、それ以上に時計の流通が少ない、、、泣

まとめ

完全に自己満足の色が前面に出てしまいましたが、2回に渡り”超絶レアモデル”や”希少モデル”、”高額モデル”、そしてお客様方のおかげで幸運にも巡り合えたモデルたちを話してきましたがいかがでしたでしょうか。

書ききれなかったモデルもありますが、直近だと先日販売した彫金装飾が美しい「Ref.5160G-001」をはじめ、今後も自分が扱ったことがないモデルなどとも沢山出会い、是非ともお客様に魅力的な時計を届けたいと強く思っております。

どのモデルにも、それぞれにその時々の思いがたくさん詰まっております。

あらためて、これからも時計との出会いを楽しみに大切に日々精進して頑張って行きます。

阿部泰治のパテック論