みなさん、こんばんは。
いよいよ本格的なオークションシーズンとなってきましたね。海外時計オークションは、非常に読みづらい市況を読み解くヒントがたくさん詰まっていますので、是非とも注目いただければと思います。
さて今回は、11月5日にジュネーブで開催される【PHILLIPS(フィリップス)】のオークションに出品予定の【パテックフィリップ】を、幾つかご紹介していきたいと思います。
※落札された場合、別途手数料(26%)が加わった金額がオークション会社への支払い金額となります。
※日本円につきましては、コラム掲載時の直近レートを参照しております。
※CHF(スイスフラン)=148.91円
※画像は全てPHLLIPSを参照しております。
- ◆ 【Lot.15】 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PT 「Ref.5970P-001」
- ◆ 【Lot.16】 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』18KRG 「Ref.5970R-001」
- ◆ 【Lot.17】 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』18KWG 「Ref.5970G-001」
- ◆ 【Lot.18】 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』18KYG 「Ref.5970J-001」
- ◆ 【Lot.20】 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』18KYG 「Ref.2499」
- ◆ 【Lot.43】 『ワールドタイム クロワゾネ』PT 「Ref.5131/1P-001」
- ◆ 【Lot.53】 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PT 「Ref.3970E」
- ◆ 【Lot.54】 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PT 「Ref.3970EP-027」
- ◆ 【Lot.88】 『ミニットリピーター トゥールビヨン パーペチュアルカレンダー レトログラード』18KYG 「Ref.5016J-011」
- ◆ 【Lot.112】 『クロノグラフ TIFFANY&CO.』PT 「Ref.5070P-001」
- ◆ 【Lot.153】 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』18KRG 「Ref.1518」
- ◆ 【Lot.171】 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PT 「Ref.5971P」
- ◆ 【Lot.187】 『パーペチュアルカレンダー スプリットセコンドクロノグラフ』18KYG 「Ref.5004J」
- ◆ まとめ
【Lot.15】
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PT
「Ref.5970P-001」
Estimate:CHF 120,000 – 200,000
(JPY 17,869,200 – 29,7820,000)
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』の第三世代にあたる「Ref.3970」の後継モデルとして発表された「Ref.5970」は、レマニアベースのムーブメントを搭載した最後の『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』です。中でもこちらのPT(プラチナ)仕様は、一番最後に発表され、生産期間も極めて短く、黒文字盤を使用した唯一のモデルであったことから、当初から人気が高く、流通個体も少なかった印象です。先日コミット銀座(以下:当店)でもオーバーホール・ケース仕上げがされた個体が、4000万円(税込)近くで販売に至りました。今後このモデルは期待値が高く、まだ相場は上がっていくものと予想されます。
【Lot.16】
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』18KRG
「Ref.5970R-001」
Estimate:CHF 100,000 – 200,000
(JPY 14,891,000 – 29,7820,000)
続いてもレマニアベースのムーブメント「Cal.27-70 Q」を搭載した「Ref.5970」から、18KRG(ローズゴールド)ケース仕様の登場です。18KRG(ローズゴールド)ケースは18KWG(ホワイトゴールド)ケースとともに2004年のバーゼルワールドで発表されました。ほんのりグレーがかったシルバー文字盤が温かみがあって、本当に美しいモデルです。
【Lot.17】
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』18KWG
「Ref.5970G-001」
Estimate:CHF 100,000 – 200,000
(JPY 14,891,000 – 29,7820,000)
続いてもレマニアベースのムーブメント「Cal.27-70 Q」を搭載した「Ref.5970」から、18KWG(ホワイトゴールド)ケース仕様の登場です。先述の通り、18KRG(ローズゴールド)ケースとともに2004年のバーゼルワールドで発表されました。こちらも先日、当店に初入荷がありましたが即販売。グレーがかったシルバー文字盤がとてもクールな印象の1本です。
【Lot.18】
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』18KYG
「Ref.5970J-001」
Estimate:CHF 80,000 – 160,000
(JPY 11,912,800 – 23,825,600)
“リーマンショック”が起きた2008年に発表された、18KYG(イエローゴールド)ケースの「Ref.5970J-001」。その翌年にPT(プラチナ)ケースが発表されたのですが、この18KYG(イエローゴールド)ケースが一番少ないのでは?と思うほど個体数が少ないです。文字盤は白に近いシルバー文字盤で、見た目は一番クラシカルな雰囲気。個体数の少なさからか、この素材のみ当店でも取り扱いが無く、是が非でもお取り扱いしたいモデルであり、目標でもあります。(笑)既にお気づきの方も多いかと思いますが、今回のオークションには「Ref.5970」シリーズの全素材が出品されており、結果が非常に楽しみであります。
【Lot.20】
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』18KYG
「Ref.2499」
Estimate:CHF 400,000 – 800,000
(JPY 59,564,000 – 119,128,000)
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』の第ニ世代にあたる「Ref.2499」3rdシリーズのとても希少な艶ありの黒文字盤を備えた「Ref.2499」。特筆すべきは、アーカイブにもしっかり”NOIR(黒)”と表記がある点。「Ref.2499」自体が海外の時計オークションでしかほぼ見かけることがないのにも関わらず、オリジナルの黒文字盤となると極レアであることは言うまでもないですね。Estimateの金額をはるかに上回る落札金額になるかと思われます!落札結果がとても楽しみですね。
【Lot.43】
『ワールドタイム クロワゾネ』PT
「Ref.5131/1P-001」
Estimate:CHF 80,000 – 160,000
(JPY 11,912,800 – 23,825,600)
現代版『ワールドタイム』の二代目にあたる「Ref.5130」をベースに、クロワゾネの文字盤を配した「Ref.5131」。全てのケース素材(YG、RG、WG、PT)で異なる文字盤を備え、大トリとして2017年に登場したのが、こちらのPT(プラチナ)ケース・ブレスレット仕様です。文字盤は北極から見た世界地図が描かれ、当店でも過去に2本お取り扱いをした実績がございますが、ここのところはほとんど入荷がない希少モデルです。
【Lot.53】
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PT
「Ref.3970E」
Estimate:CHF 80,000 – 160,000
(JPY 17,869,200 – 29,7820,000)
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』の第三世代にあたる「Ref.3970」の2ndシリーズにあたるこちらは、スクリュー(ねじ込み式)の裏蓋、バーインデックス、リーフ針の組み合わせが人気のモデルです。ホールマークがラグサイドに刻印されているのも特徴で、2ndシリーズは製造された個体数も少なく、探されている方も多い印象でございます。保証書はないようですが、アーカイブが付属しており、画像を見るかぎりラグも太くしっかりとしていて、個体は良さそうですね。「Ref.3970」は1st・2ndともに非常に入手困難なモデルです。
【Lot.54】
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PT
「Ref.3970EP-027」
Estimate:CHF 100,000 – 150,000
(JPY 14,891,000 – 22,336,500)
続いては「Ref.3970」の4thシリーズにあたる「Ref.3970EP-027」。スクリュー(ねじ込み式)の裏蓋、先が尖ったバー型インデックス、バトン針の組み合わせが特徴で、交換用のクローズドバック(裏蓋)も付属します。ちなみに、リファレンスの”E(エタンシェ)”は”防水”を意味しております。PT(プラチナ)ケース×バーインデックス×黒文字盤は、製造個数も少なく、市場で見かけることもほぼなくなってしまいました。今後が楽しみな1本ですね。
【Lot.88】
『ミニットリピーター トゥールビヨン パーペチュアルカレンダー レトログラード』18KYG
「Ref.5016J-011」
Estimate:CHF 250,000 – 500,000
(JPY 37,227,500 – 74,455,000)
1993年に発売され、2011年までに僅か200本ほどの製造と言われている、当時【パテックフィリップ】のモデルの中で複雑機構(ミニットリピーター、トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダー)を全て搭載した、最も超絶なモデル「Ref.5016J-011」。やや小ぶりに感じる36mmケース径ですが、厚みがあり存在感はとてつもないです。ミニットリピーターの音色は本当に美しく、当店でも、PT(プラチナ)、18KRG(ローズゴールド)の販売実績がございますが、カッコいいのはもちろん、そのオーラはとてつもないです。18KYG(イエローゴールド)仕様は、クラシカルな雰囲気を醸し出し、本来の時計らしさを感じさせてくれます。相場も上がってきており、落札金額がとても楽しみです。
【Lot.112】
『クロノグラフ TIFFANY&CO.』PT
「Ref.5070P-001」
Estimate:CHF 200,000 – 400,000
(JPY 29,782,000 – 59,564,000)
発売当時、42mm経がやや大きめと言われていた2カウンターの『クロノグラフ』「Ref.5070」。今や時計そのものの主流が40mm前後となり、レマニアベースのムーブメントを搭載してることも相まって、非常に人気が高くなっております。こちらのPT(プラチナ)仕様は2008年に発表され、翌年の2009年に生産終了となったため、総本数が非常に少なく、価格も比較的高値で安定しておりました、、、が、驚くべき点はこの個体、文字盤中央部分に「TIFFANY&CO.」の文字があるWネームモデル!しっかりと「TIFFANY&CO.」のスタンプが押されている【パテックフィリップ】の保証書も付いており、まさに人気極レアモデルです。まさに、ファン垂涎の1本であり、落札価格も楽しみなモデルでございます。
【Lot.153】
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』18KRG
「Ref.1518」
Estimate:CHF 800,000 – 1,600,000
(JPY 119,128,000 – 238,256,000)
1940年代に登場した『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』初代モデル「Ref.1518」。製造個体は僅か281本と言われており、見ること自体が夢のようなモデルです。その多くが18KYG(イエローゴールド)仕様と言われ、18KRG(ローズゴールド)仕様はとても少なく、海外オークションに出品されると毎回高額な落札金額を記録しています。今回出品された個体は、文字盤上のエナメル質がしっかりと残っており、ホールマークもはっきり見て取れる、ケースのエッジが立ったとても良い状態。落札金額がどこまで跳ね上がるのか、、、?間違いなく注目の1本です。
【Lot.171】
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PT
「Ref.5971P」
Estimate:CHF 180,000 – 360,000
(JPY 26,803,800 – 53,607,600)
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』第四世代のPT(プラチナ)ケース×バゲットダイヤモンドベゼルを備えた「Ref.5971P」。通常は黒文字盤の仕様ですが、こちらは白文字盤。
保証書は付属していないようですが、アーカイブにはしっかりと白文字盤の記載があり、相当なレアモデルであることは間違いなさそうです。こちらも落札金額が非常に楽しみですね。
【Lot.187】
『パーペチュアルカレンダー スプリットセコンドクロノグラフ』18KYG
「Ref.5004J」
Estimate:CHF 120,000 – 240,000
(JPY 17,869,200 – 35,738,400)
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』にスプリットセコンドを加え、レマニアベースのムーブメントを搭載した「Ref.5004」。1994年から2010年まで製造され、スプリットボタンを配した大きめのリューズ、太くしっかりとしたラグ、アラビアインデックス、リーフ針、インダイヤルのデザインと、全てにおいて完璧の1本です。こちらの個体は付属品完備で、製造もほぼ最終と言っていい2010年であるところが評価点。とにかく溜め息が出るほどカッコいいです!落札金額が幾らになるのか?今からとても楽しみですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は特に私が気になるレマニアベースのムーブメントを搭載したモデルが複数出品されていましたので、それを中心に気になるモデルをピックアップし、紹介いたしました。
時計の市況を見るうえでとても参考となる世界オークション。今回の【PHILLIPS(フィリップス) 】も、その結果が必ず参考となりますので、お時間がございます方は、是非とも注目していただければと思います。
ではまた!