皆さんこんにちは。
今回はCOMMIT GINZAにて鑑定・販売・買取はもちろんのこと、ブログや腕時計投資新聞でもコラムを掲載している、エグゼクティブアドバイザー『金子』の時計遍歴をお届けさせていただきます。
ブログを読んでいただいている方や、金子を知っている方は周知のことかと思いますが、とにかく金子は尋常ではない時計マニアです。ヴィンテージの世界や中古時計市場では、個体の “ 状態 ” が値段に大きく影響しますが、ダイヤルの焼けや、ブレスの伸び等はもちろん、その中でも特に彼が大事にしているのは『ノンポリッシュ』と『エッジの立ち具合』。一緒に働いているメンバーすらも、ルーペを使わず状態をつぶやく彼にはたびたび舌を巻きます。
そんな彼が現在所有している時計は4本。所有遍歴を聞いていると、その当時から目の付け所はさすがの一言。「購入当時の背景」も交えながらご紹介しますので、是非ご参考下さい。
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◆ プロ鑑定士が選んできた“高級時計遍歴”
- ❶ROLEX EXPLORERⅡ Ref.16570 (黒) F番
- ❷ROLEX GMT MASTER Ref.16700 (赤×青)A番【下取り❶】
- ❸ROLEX GMT MASTERⅡ Ref.16710 (赤×青)Z番
- ➍BREGUET AERONAVAL Ref.3800
- ➎ROLEX GMT MASTERⅡ Ref.16710 (赤×青)M番 スティック 【下取り❸】
- ➏BREITLING CHRONOMAT BLACKBIRD Ref.M449B27RRB *世界限定2000本
- ❼ROLEX SUBMARINER Ref.5512 Maxi Dial *現在所有
- ❽HUBLOT BIG BANG Ref.301.SB.1323.RGRAP *イタリア限定25本
- ➒ROLEX SUBMARINER Ref.16610LV (グリーン)ランダム番 *現在所有【下取り❽】
- ➓ROLEX SUBMARINER Ref.16610LV (グリーン)F番 MKⅠ
- ⓫ROLEX DAYTONA Ref.116520 (クリームダイヤル)P番 *現在所有
- ⓬ROLEX DAYTONA Ref.16520 (黒*エルプリメロ) A番 *現在所有
- ◆ まとめ
プロ鑑定士が選んできた“高級時計遍歴”
❶ROLEX EXPLORERⅡ Ref.16570 (黒) F番
洞窟探検家のために作られ、耐久性・機能性の両面を追及したエクスプローラーⅡ。その3rdモデルとなるRef.16570。約20年というロングセラーモデルで、ケース径は40mm。前モデルとの違いはベゼル上の数字の書体が若干細くなりスマートになっている。
「購入当時の背景」
社会人1年目に買った記念すべき初ROLEX。どうしてもスポーツモデルが欲しくなり、『一目惚れ』して購入したモデルです。当時は30万以下の相場。中古で購入し、ベゼルに当て傷があり仕方ないと言い聞かせていたそうですが、結局気になってしまいメーカーでベゼルを変えたらしいです。
❷ROLEX GMT MASTER Ref.16700 (赤×青)A番【下取り❶】
ROLEXがパン・アメリカン航空の国際線パイロットのために開発したGMTマスター。異なる場所の時刻を把握できる機能を備えたROLEX唯一のパイロットウォッチである。GMT MASTERには「Ⅰ」と「Ⅱ」があり、GMT MASTAR「Ⅰ」の最終モデルとなるのがこちらのRef.16700。赤×青のベゼルカラーは通称「ペプシ」と呼ばれ今も人気の高いモデルとなっている。写真のようにベゼルカラーが経年変化で様々な表情に変わる為、自分だけの1本を探すのも楽しみとされている。
「購入当時の背景」
気付いたら心が惹かれてしまったという2本目のGMT MASTER。年式は『最終A番狙い』で探したそうです。こちらも、メーカーで黒黒から青赤に変えて使用していました。
❸ROLEX GMT MASTERⅡ Ref.16710 (赤×青)Z番
GMT MASTERの発展形として販売されたGMT MASTERⅡ。その2ndモデルにあたるのがこのRef.16710。初代は赤×黒のみであったが、GMT MASTER Iの生産終了に伴い、黒/赤×青が追加された。
「購入当時の背景」
『百貨店でたまたま見つけて購入した』3本目。当時はシール付き、コマ調整なしで購入。今では考えられませんが、ギャランティも名前無しに出来たみたいです。『生産終了が決定した為、寝かせる気満々で購入した』と、この頃からリセールをしっかり意識しています。
➍BREGUET AERONAVAL Ref.3800
1950年代に設計された“タイプXX”。そのモデルを民間用のウォッチとして蘇らせた“アエロナバル”。 フレンチミリタリーの名に相応しい、ブレゲらしいクラシックなデザインと高い視認性、そして上品なディテールを備えながらも、日常使いに耐えうるタフネスさも備えた逸品。
「購入当時の背景」
『以前からミリタリーテイスト溢れるデザインに魅力を感じ、いつかそのテイストのものが欲しいなと思ってました』という金子が選んだ4本目はBREGUET。『金キャップの初期型に一目惚れした』とのこと。NATO仕様でおしゃれに楽しんで使用していました。
➎ROLEX GMT MASTERⅡ Ref.16710 (赤×青)M番 スティック 【下取り❸】
こちらは❸でご紹介したモデルの “ スティックダイヤル ” ヴィンテージ好きが探し求めるレアポイントで、モデル名の【 GMT-MASTER II 】のローマ数字【 II 】に横棒がないフォントが使用されている。シリアルはD・Z・M品番にのみ確認されている。別名 “ふたなし” とも呼ばれている。
「購入当時の背景」
『Cal.3186搭載の最終M番スティックダイヤルの新品と出会ってしまい、、、』と、興奮冷めやらず、急遽寝かせる予定のZ番新品を売りに出して購入した5本目GMT MASTER。その時は色んな思考が停止して思わず購入に至ってしまったようです。ROLEXのもつ魅力の強さを痛感します。
➏BREITLING CHRONOMAT BLACKBIRD Ref.M449B27RRB *世界限定2000本
アメリカ軍戦略偵察機は実用機として世界最高の水平飛行高度と飛行速度を誇り、その黒く塗られた機体と、極秘裏に超高度から偵察を遂行することから、「ブラックバード」といわれ、それにインスパイアされたモデルがこちら。従来のブライトリングのDLC加工はマット仕上げだったが、こちらはポリッシュされたスチールにコーティングすることで、光沢がある質感となっている。
「購入当時の背景」
今の金子を知っていると、耳を疑う方も多いであろう。このモデルは、『ブラックケースの無骨なデザインに一目惚れして購入した』BREITLING。多少のキズはあったようだが、『ガンガン使おう』と割り切って購入したとのこと。最近ヒゲを生やし始めた今ならまた似合うかも。
❼ROLEX SUBMARINER Ref.5512 Maxi Dial *現在所有
リューズガードが備えられた初のSUBMARINER Ref.5512。ケース径40mm。初搭載となるリューズガードは、3種類のパターンが存在し、最初期のスクエアクラウンガード通称SCGは、非常に希少性が高く高値で取引されている。1970年代後半~1980年代前半にRef.5513で確認される事が多いが、金子所有のRef.5512は文字盤インデックスのドット部分が通常よりも大きい“マキシダイヤル”。ちなみにマキシダイヤルの中でも、インデックスのドット部分と分刻みのメモリがくっついているものを通称 “ロリポップ” という。
「購入当時の背景」
こちらは現在も所有している思い入れの強い1本。『5513を着けている店員さんを見て、滅茶苦茶カッコイイ!』と思ったのがきっかけだったみたいですが、その5513を調べているうちに、この“5512”のマキシダイヤルの存在に辿り着きました。ただ、『なかなか納得できる5512に出会えず苦戦しました』と苦笑い。これもまたヴィンテージの楽しみの一つではありますが、この個体と出会えた時は『迷わず新幹線に乗って東京まで』執念にも似た思いだったそうです。
❽HUBLOT BIG BANG Ref.301.SB.1323.RGRAP *イタリア限定25本
「異素材の融合」をテーマに2005年に誕生した “ビッグバン” 。異なる素材(ステンレス・セラミック・チタニウム・ラバーなど)を巧みに組み合わせたマルチレイヤー構造による立体的なケースデザインが特徴であり、こちらのモデルは“みみ”の部分にイタリアカラーでもある鮮やかなグリーンを差し色にした限定25本という希少個体。
「購入当時の背景」
当時爆発的な人気があったHUBLOT。こちらのモデルは『ネット見ていたら限定25本の差し色の緑に惹かれて』購入に至ったとのこと。この時も『気がついたらお店に電話をしていました』と、やはり男は“ 限定 ”というワードにはつくづく弱いなと感じますね。
➒ROLEX SUBMARINER Ref.16610LV (グリーン)ランダム番 *現在所有【下取り❽】
2003年にSUBMARINER誕生50周年を記念して発表されたRef.16610LV。“グリーンサブ”の愛称で呼ばれ、ROLEX社のコーポレートカラーであるグリーン採用したモデル。時分針とインデックスのサイズがアップし、視認性の向上が図られている。このモデルもコレクター心を燻る仕様違いが存在し、初期モデルには、“ライム”と呼ばれる淡いグリーン色のベゼルや、通称“ビッグスイス”と言われる、ダイヤルの6時位置の「SWISS MADE」表記が大きい個体が存在する。(その他諸々使用違いあり)ちなみに【 LV 】とは、フランス語のグリーンベゼル【 Lunette Vert 】を意味
「購入当時の背景」
ROLEXのスポーツモデルと言えば、最終品番の価値が上がる事は周知の事実でありますが、こちらのSUBMARINER も最終品番のグリーン(LV)が欲しい思っていたら、たまたま発見したそうです。HUBLOTに続き緑色好きなんですね。(笑)また、冒頭にも書きましたが、こちらは文句なしの『ノンポリッシュ』個体。現在所有も納得です。
➓ROLEX SUBMARINER Ref.16610LV (グリーン)F番 MKⅠ
こちらは、先程ご紹介した➒Ref.16610LVの初期F番のMarkⅠダイヤル仕様。【FLAT4/Fat4】:ベゼルメモリ40の4が台形型 【ビッグスイス/BIG SWISS】:文字盤6時位置のSWISS MADE表記の間隔が広い 【Oval ‘O’】:ROLEXロゴのOが横長のO 【Open ‘5’】:5の数字の下の丸みの間隔が広い と、マニア垂涎のモデル。
「購入当時の背景」
緑、緑、緑‼(笑) この時は立て続けにグリーンサブを購入してしまったとのことですが、こちらは【ライムベゼルのMK1】と、今でも非常人気が高い一本です。『どうしても欲しくなってしまい購入したんです』、、、ってみんな欲しいですよ。(笑)
⓫ROLEX DAYTONA Ref.116520 (クリームダイヤル)P番 *現在所有
ロレックス社の完全自社製クロノグラフ・ムーブメントCal.4130を搭載し、インダイヤルのスモールセコンドのレイアウト変更とインデックスの大型化がされたこのモデル。Cal.4130になり、72時間のパワーリザーブ、耐磁性に優れるパラクロム製ヒゲゼンマイが採用された。2007年頃から、独自開発のブルーパラクロム・ヒゲゼンマイに変更、耐磁性・耐衝撃性が更に向上されている。ブレスレットも、ソリッドパーツに変更され堅牢性がアップし、微調整が容易に可能なイージーリンクを備えられた。
「購入当時の背景」
11本目となる時計はROLEX DAYTONA Ref116520。アイボリー評価はゼロの時代でしたが、焼けとレトロな印象に魅力を感じ購入。当時は『何で焼けたダイヤルを買うの?大丈夫?』と周りの皆に言われたそうですが、今やプレミアがつくこちらのモデル。悔しいですが“ 先見の明 ”がありますね。
⓬ROLEX DAYTONA Ref.16520 (黒*エルプリメロ) A番 *現在所有
1988年、傑作クロノ・ムーブと言われるゼニス社の“エル・プリメロ”をベースに自動巻き化されたデイトナ。搭載ムーブメントCal.4030は、毎時36,000振動だった“エル・プリメロ”を毎時28,800振動まで抑え、テンプを大きくしマイクロステラナットで精度を高め、ROLEX独自の改良が施された。ベゼルは耐久性をあげたステンレスベゼルに、また、風防はサファイアクリスタヘルへと変更し、100m防水性能を実現した。ケース径は37mmから40mmへとサイズアップし、こちらは現行デイトナまで引き継がれている。
「購入当時の背景」
DAYTONA Ref.116520購入後、『限りなくノンポリッシュに近い16520が欲しい!』という思いがどんどん強くなっていった彼は、値上がり傾向の中、『買うなら今だ』と毎日ネットを彷徨っていたとのこと。そんな中【ほぼノンポリッシュ】の個体と出会い、即購入したそうです。今思うと、安くはないけどこのような個体に出会えた事自体がラッキーだったと嬉しそうに話す彼を見てると、最近は投資目的で買う方も多い中、改めて時計との向き合い方を考えさせられますね。今では一番の着用頻度だそうです。
まとめ
以上が、COMMIT GINZAエグゼクティブアドバイザー金子の時計遍歴となります。
最終的に彼はROLEXの魅力に憑りつかれていました。
しかし、こだわりが強い!次は手巻きデイトナを狙っているそうですよ。なんだかデイトナを全世代揃えるとか揃えないとか、、、?まだまだ道は長そうですね。(笑)
ただ、見ているポイントや、今後の価値を見出そうと“違い”を研究している彼は恐ろしいくらいに楽しい表情でいつも時計を見ています。COMMIT GINZAには非売品を含め、豊富なヴィンテージがあるので研究もはかどるみたいです。
HPには載せていない非売品。店頭でしかお見せしていなかったのですが、なんとこの度
“CVWD*Commit Vintage Watch Dictionary”
という新サイトが立ち上がりました。
こちらにてご覧いただけるようになりましたので、是非ともご興味のある方は覗いてみて下さい。