みなさま、こんばんは!

今週も新連載の今さら聞けないシリーズをお届けしていきたいと思います。この新企画では、高級腕時計にあまり詳しくない方、これから勉強していきたい方へ向けて「今さら聞けないよ!」といった、高級腕時計の基本的な事をわかりやすくお伝えしていきます。

第9回目となる今回は

高級腕時計入門編】:ラバーベルト

腕時計の『ベルト』は直接肌に触れるパーツ。最も汚れが付きやすく、劣化もしやすいため、定期的な交換が必要です。しかし、目的や用途に従って使い分ければ、寿命を伸ばすことはもちろん、時計の印象をも大きく変えることができます。『ラバーベルト』は水や汗に強く、耐久性に優れているため、ダイバーズウォッチやスポーティな時計に多く使われています。今回はそんな『ラバーベルト』に焦点を当て、特徴やメリット・デメリットを解説していきます。

『ラバーベルト』とは?特徴を解説

ラバーベルト』=「機能的でスポーティなベルト

『ラバーベルト』は、ウレタン樹脂やシリコンなど合成樹脂でできた『ベルト』の総称です。水や汗をはじく素材で、耐久性が高い特徴があります。ただし適切な使い方や保管をしていないと、ひび割れしたり千切れたりするなど、劣化が生じてしまうこともあります。

『ラバーベルト』のメリット

『ラバーベルト』のメリットを4つ紹介します。

① 汗・水汚れに強い

『ラバーベルト』の最大のメリットは、汗や水、そして汚れに強い点です。革ベルトのように水気を吸収することはないため、夏場やスポーツシーンでも安心して利用できます。更には、皮脂をはじめとした汚れを拭き取りやすいのも魅力です。

②金属ベルトに比べ軽い

『ラバーベルト』は、『金属ベルト』と比較すると重さが半分以下のため、軽やかな着用感を楽しめます。弾力性があり、腕へのフィット感に優れ、衝撃にも強いため、アウトドアやスポーツシーンなどで活用します。

③金属アレルギーがある方でも安心

金属アレルギーは、肌に触れている部分の金属と汗が化学反応を起こし、金属が溶け出すことで起こるアレルギー反応です。そのため、肌に触れる面積の多いベルトを交換する対策が有効です。『ラバーベルト』であれば、金属アレルギーの方でもアレルギー反応を起こさず、安心して着用することができます。(※裏蓋・バックル部分には個人差が生じます)

④デザインが豊富

『ラバーベルト』は、カラーバリエーションやデザインが豊富です。後に紹介する、表面は革、裏面はラバー素材となっている”レザーラバー”など、その時計のデザインやカラーに最適なベルトを選ぶことができます。

『ラバーベルト』のデメリット

『ラバーベルト』はメリットが多い一方、デメリットもあります。

①通気性が悪い

『ラバーベルト』は、密度が高いという性質上、通気性が悪く蒸れやすいというデメリットがあります。汗の耐性には強いですが、腕に密着するため、長時間の着用や肌が弱いと、痒くなったりかぶれたりする可能性があります。

②千切れる可能性がある

耐久性に優れた『ラバーベルト』ですが、ひとたび亀裂が入るとそこから千切れてしまうことがあります。『革ベルト』と比較すると劣化しづらいですが、紫外線によって劣化が生じると、ひび割れや千切れにつながってしまいます。

③フォーマルに向かない

『ラバーベルト』は、どうしてもカジュアルな印象が強く、ビジネスシーンやフォーマルシーン、ドレスウォッチとの相性がよくありません。ドレッシーさを出しながら『ラバーベルト』を使いたい場合は、革ベルトとラバーを組み合わせたタイプを使用すると良いでしょう。

『ラバーベルト』の種類一覧

『ラバーベルト』と一口に言っても、複数の種類があります。ここでは代表的なラバーベルトを紹介します。

❶ウレタンベルト

ウレタンベルトは、シリコンベルトよりも安いという特徴があります。安価であるため、肌触りが硬く、質感は少しチープな印象があります。価格重視で時計の雰囲気を頻繁に変えたいと思われている場合に向いております。

❷シリコンベルト

一般的に『ラバーベルト』と呼ばれているのが、こちらのシリコンベルトです。ウレタンベルトよりも価格は高く、高級時計に採用される場合はこちらが多いです。柔らかく肌触りも良いため、長時間使用していても疲れにくい特徴があります。ブランド毎に独自の『ラバーベルト』を採用しており、それぞれ名称があります。

《例》
【ロレックス】⇨『オイスターフレックス』
【パテックフィリップ】⇨『トロピカルバンド』

❸レザー×ラバー

最後にご紹介するのは、先ほども登場した、表面は革、裏面はラバーと、二つの素材を組み合わせた『ベルト』です。『革ベルト』の上品な質感と、『ラバーベルト』の水気に強いという双方のメリットがあります。革以外にもファブリック素材を表に、裏をラバーにしているブランドもあり、ラバー素材との多様な組み合わせは、バラエティーに富んでおります。特に、オーダーで革ベルトを作成する場合、裏をラバーにする組み合わせは人気です。ちなみに私も【アトリエ・ジャンルソー】でオーダーした際に、裏はラバーを選択しました。

まとめ

『ラバーベルト』の特徴やメリット・デメリット、そして種類について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

『ラバーベルト』は汗や水に強く、耐久性に優れています。カラーバリエーションはもちろん、その組み合わせ次第では選べる種類が非常に多く、時計やシーンによって使い分けることができ、楽しさも倍増させられるアイテムです。是非この機会に皆さんも、ご自身の時計にぴったりな『ラバーベルト』を探してみてください。

今回も、この記事を見ていただいたことで高級腕時計に興味を持っていただければ幸いです!

ではまた!

コミットtv 八木コラム