映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第89弾の今回は、「ジョナ・ヒルの腕時計」をお送りします。

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近年のハリウッド映画で、レオナルド・ディカプリオブラット・ピットの横にいる、口の達者なポッチャリ男を見た記憶はありませんか?もしあるなら、その男はおそらく今回ご紹介するジョナ・ヒルの可能性が高いと思われます。

フィリップ・シーモア・ホフマンジャック・ブラックから連なる「ハリウッド映画に欠かせないポッチャリ名優」の系譜。なぜか近年、その需要を一手に引き受けていると言っても過言ではない活躍を見せるジョナ・ヒルの腕時計に、今回は注目してみたいと思います。

ウルフ・オブ・ウォールストリート

THE WOLF OF WALL STREET(2013)

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学歴や人脈もない22歳の若者ジョーダン(レオナルド・ディカプリオ)は、ウォール街に飛び込み、巧みな話術で瞬く間に人々の心を掴むと、たちまち株式仲介人として大きな業績を上げていく。

猛烈なスピードで成り上がり、大きな富と名声を手にしたジョーダンは、街中で出会った家具屋のドニー(ジョナ・ヒル)を部下に雇い、株式仲介会社「ストラットン・オークモント社」を設立。持ち前の話術で富裕層にクズ株を売りつけ事業を拡大すると、ジョーダンは副社長となったドニーと共に豪遊の限りを尽くす。しかし、不審な株価の動きを察知したFBIは、ジョーダンとドニーをマーク。彼らの破滅の時は近づいていた。

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1990年代に実在した株式ブローカーの栄枯盛衰を、『タクシードライバー』(1976)や『グッドフェローズ』(1990)などの監督として知られるマーティン・スコセッシが大胆かつ繊細に描いた『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)。本作で株式仲介会社の副社長役を演じたジョナ・ヒルは、金無垢のロレックス デイトナ(Ref.16528)を着用しています。

現代では高級ブランドのスポーツモデルといえばステンレス素材のイメージが強くなっておりますが、日米が金融バブルに踊っていた1980~90年代においては「ロレックスの金時計」こそが富の象徴。まさにそれを絵にかいたような腕時計のチョイスとなっています。

ウォー・ドッグス

WAR DOGS(2016)

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マイアミで細々と暮らしていたマッサージ師のデビッド(マイルズ・テラー)は、親友の葬儀の席で幼馴染のエフレム(ジョナ・ヒル)と再会。エフレムは大手の武器商社が相手にしない小口の武器販売ルートにビジネスチャンスを見出し、デビッドをビジネスパートナーに誘う。人生の一発逆転を狙うデビッドは誘いに応じると、折からのイラク戦争で大量の受注が舞い込み、二人は巨額の利益を上げることに成功する。

一攫千金に成功して事業を拡大したデビッドとエフレムだが、今の事業規模では到底賄えない大口の注文に応じたことで窮地に陥る。彼らはブローカーから紹介された武器庫の持ち主との取引に成功し、ピンチを脱するが、その男は政府から監視対象とされている危険人物だった。

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ハングオーバー!』(2009)のトッド・フィリップス監督が、新興の武器商人となった若者の成功と転落を実話をもとに描いたコメディドラマ『ウォー・ドッグス』(2016)。兵器商社の実態を面白おかしく描いた本作では、華麗な成り上がりを見せた武器商人役のジョナ・ヒルがロレックス サブマリーナー(Ref.16610)を着用しています。

彼のぶっとい腕の上にあっても、力強い存在感を見せつけるサブマリーナー。このように誰の腕にもフィットする汎用性の高さこそが、この腕時計の人気を支える要因のひとつと言っていいでしょう。

ドント・ルック・アップ

DON’T LOOK UP(2021)

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天文学のゼミを専攻する大学院生、ケイト・ディビアスキー(ジェニファー・ローレンス)が未知の小惑星を発見。ゼミの教授であるミンディ博士(レオナルド・ディカプリオ)は、他のゼミ生たちと共に彼女を祝福するが、彼が軌道計算を行なったところ、その小惑星が半年後、地球に衝突するであろうことが判明する。

この人類存亡の危機に、アメリカ大統領は自身のスキャンダル対応を優先し、大統領の息子で補佐官を務めるジェイソン(ジョナ・ヒル)は無関心。巨大企業は小惑星に埋蔵されたレアアースの独り占めを狙って軌道変更計画の邪魔をする。彼らに愛想を尽かしたケイトとミンディは、人類に警告を発するためにメディア行脚を開始するが、、、

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サブプライムローン危機を描いた『マネー・ショート』(2015)や、チェイニー元副大統領の伝記映画『バイス!』(2018)など、近年は実話を元にした政治経済ドラマで大ヒットを連発しているアダム・マッケイ監督の手によるSFブラックコメディ『ドント・ルック・アップ』(2021)。

本作では何事にも無関心で鼻持ちならない、アメリカ大統領の息子ジェイソンを演じるジョナ・ヒル。そんな彼の腕に着けられているのは、リシャールミル トゥールビヨン スカル(Ref.RM052)と思われます。とはいうものの、相場価格3000万円~5000万円と言われるこの腕時計、実物を着用しているとは考えにくいので、おそらくはプロップ(小道具用の作り物)と思われます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
出演作の中で、こだわりを感じさせる高級腕時計ばかり着用しているジョナ・ヒル。

もしかしたら腕時計に一家言ある人物なのではないかと思い、ちょっと調べてみたところ、やはりプライベートでも高額な腕時計を複数所有している「時計愛好家」であることが判明いたしました。最後にそのいくつかをご紹介していきたいと思います。

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まず一本目はパテックフィリップ ノーチラス(Ref.3800/1J)。彼が監督・脚本・製作を務めた青春映画『mid90s ミッドナインティーズ』(2018)のプロモーション動画で訪れた、スニーカーショップでのワンシーン。年代を経て落ち着いた雰囲気のゴールドのケースとブルー文字盤のノーチラスが、カラフルなスニーカーショップの雰囲気に意外にもマッチしています。

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続いてはロレックス ミルガウス(Ref.116400GV。着用のシチュエーションは不明ですが、スタンドマイクを前に笑顔で何かを語っていますので、晴れの席での一幕のように思えます。

このような場では、多くのスターがエレガントなドレスモデルや、煌びやかな宝石のラグジュアリーモデルを着けるものですが、ここで耐磁性が売りのミルガウスを選ぶというのは、中々の時計愛好家ぶりと言えるでしょう。

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そして最後は金無垢のロレックス デイトナ(Ref.116508。当店でも人気の「グリーンデイトナ」です。ストリートファッションに金無垢の高級時計を合わせた、ラッパーセレブに人気のスタイルですね。

金無垢の腕時計が多いものの、宝飾モデルはほとんど着用しておらず、実用性の高い高級腕時計が彼の好みであるように見受けられます。特にミルガウス(Ref.116400GV)を選ぶあたり、腕時計を単なるアクセサリーではなく、ツールとして着用する意識が強く感じられるのではないでしょうか。

*出典元:https://www.gqindia.com/

さて、ここ数年、過酷なダイエットでポッチャリキャラから脱却し、意外なイケメンぶりでシリアスな役柄にも進出しているジョナ・ヒル。今後はセクシーなナイスミドル役で、エレガントドレスウォッチを着用する、なんて機会もあるかもしれません。

キャラや体形が変化すれば似合う時計も変わっていくもの。彼が着用する腕時計がどのように変わるのか(それとも変わらないのか)、そのあたりにも注目していきたいと思います。

ではまた!

Actor's watch