栄光の「オスカー像」を手にするのは誰なのか?
2024年3月11日に開催されるアメリカ映画の祭典、第96回アカデミー賞授賞式。
映画好きなら誰もが気になるハリウッドの一大イベントの季節が、いよいよ今年もやってまいりました。

そんなワケで、今回の「Actor’s Watch」は、本年度のオスカーノミネート俳優&監督が愛用する腕時計をご紹介していきたいと思います。

まず始めに、本年度の主要部門ノミネートを確認しておきましょう。

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作品賞ノミネート
『アメリカン・フィクション』『落下の解剖学』『バービー』『ホールドオーバーズ(仮題)』『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』『マエストロ:その音楽と愛と』『オッペンハイマー』『パスト ライブス/再会』『哀れなるものたち』『関心領域』

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主演男優賞ノミネート
『マエストロ:その音楽と愛と』ブラッドリー・クーパー、『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』コールマン・ドミンゴ、『ホールドオーバーズ(仮題)』ポール・ジアマッティ、『オッペンハイマー』キリアン・マーフィー、『アメリカン・フィクション』ジェフリー・ライト

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主演女優賞ノミネート
『ナイアド ~その決意は海を越える~』アネット・ベニング、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』リリー・グラッドストーン、『落下の解剖学』ザンドラ・ヒュラー、『マエストロ:その音楽と愛と』キャリー・マリガン、『哀れなるものたち』エマ・ストーン

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助演男優賞ノミネート
『アメリカン・フィクション』スターリング・K・ブラウン、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』ロバート・デ・ニーロ、『オッペンハイマー』ロバート・ダウニー・Jr.、『バービー』ライアン・ゴズリング、『哀れなるものたち』マーク・ラファロ

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助演女優賞ノミネート
『オッペンハイマー』エミリー・ブラント、『カラーパープル』ダニエル・ブルックス、『バービー』アメリカ・フェレーラ、『ナイアド ~その決意は海を越える~』ジョディ・フォスター、『ホールドオーバーズ(仮題)』ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ

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監督賞ノミネート
『落下の解剖学』ジュスティーヌ・トリエ、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』マーティン・スコセッシ、『オッペンハイマー』クリストファー・ノーラン、『哀れなるものたち』ヨルゴス・ランティモス、『関心領域』ジョナサン・グレイザー

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今回は、この錚々たるスター&巨匠の中から、注目すべき腕時計の愛用者5名をピックアップ。それではさっそく、ご紹介して参りましょう。

ブラッドリー・クーパー

マエストロ:その音楽と愛と【主演男優賞ノミネート】

*出典元:https://www.intofilm.org/

長くニューヨーク・フィルの音楽監督を務め、20世紀最高のクラシック指揮者(マエストロ)と称されたレナード・バーンスタイン。ベルリン・フィルを率いるカラヤンと人気も評価も二分し、80年代には「広島平和コンサート」を開催するなど、日本とも縁が深かった伝説の音楽家の生涯を描いた伝記映画『マエストロ: その音楽と愛と』。

本作の監督・脚本・製作・主演を務めたブラッドリー・クーパーは、『アリー/スター誕生』(2018)に続き、本作で2度目の「自らが監督する作品での主演男優賞ノミネート」となりました。

*出典元:https://www.gmtpost.com/

そんなブラッドリー・クーパーが愛用している腕時計は、IWC ビッグパイロット ウォッチ (Ref.IW501007)。世界100本の限定モデルとなっています。2018年にIWCのアンバサダーに就任したブラッドリー・クーパーですが、就任の3年前に公開された恋愛ドラマ『アロハ』(2015)でも、既に彼は別のビッグパイロット ウォッチ(Ref.IW500901)を着用していました。

つまり、ブラッドリー・クーパーはアンバサダー就任前から生粋のIWCファンであり、その中でも、特にビッグパイロット ウォッチがお気に入りだったようです。この調子ですと、IWCと彼の蜜月関係はこの先もまだまだ続いていくのではないでしょうか。

キリアン・マーフィー

オッペンハイマー【主演男優賞ノミネート】

*出典元:https://britishperioddramas.com/

続いても主演男優賞部門から。原爆の開発者として知られる実在の科学者の生涯を描いた『オッペンハイマー』で、主役のオッペンハイマー博士を演じたキリアン・マーフィー

彼は本作の監督、クリストファー・ノーランのお気に入り俳優として知られており、『ダークナイト』(2008)、『インセプション』(2010)、『ダンケルク』(2017)に続くノーラン作品への出演で、初のオスカーノミネートとなりました。

*出典元:https://relojes-especiales.com/

そんなキリアン・マーフィーが愛用しているのは、オメガ レイルマスター(Ref.2504.52。2023年に撮影された『オッペンハイマー』のプロモーション映像と、2012年頃に撮影された彼の写真には、全く同じ腕時計が写っています。どうやら同じ腕時計を10年以上に渡って着け続けているのでしょう。彼にとって、この腕時計は余程のお気に入りと思われます。

1970年代のロンドンを舞台にしたアクション映画『フリー・ファイヤー』(2016)で主演を務めるなど、60~70年代の雰囲気を漂わせた顔立ちに定評のあるキリアン・マーフィー。1960年前後に製造された、ヒストリカルなレイルマスターの復刻モデルは、そんな彼の佇まいに良く似合っています。これからも、彼には一途な「レイルマスター愛」を貫き通していただきたいところです。

ロバート・ダウニーJr

オッペンハイマー【助演男優賞ノミネート】

*出典元:https://www.filmstarts.de/

続いて助演男優賞部門から。『オッペンハイマー』で、キリアン・マーフィー演じるオッペンハイマー博士と対立する原子力委員会長、ルイス・ストロースを演じたロバート・ダウニーJrがノミネート。

チャーリー』(1993年/主演男優賞)、『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2009年/助演男優賞)に続く、彼にとって3回目のオスカーノミネートになりました。果たして「三度目の正直」となるのでしょうか?

*出典元:https://lepetitpoussoir.fr/

主演していた『アイアンマン』(2008)の劇中でも、ジャガールクルトブルガリウルベルクなどの高級腕時計を身に着けていることでも知られるロバート・ダウニーJr。そんな彼が特に気に入っているプライベートウォッチは、パテックフィリップ ノーチラス プチコンプリケーション(Ref.5712/1A-001)です。

この腕時計は、ガイ・リッチー監督の『シャーロックホームズ』シリーズや、『アイアンマン2』のプロデューサーとして知られる彼の妻、スーザン・ダウニーから誕生日プレゼントとして贈られたもの。さすが、ハリウッドの頂点で稼いでる夫婦は、プレゼント予算のケタが違います。

ライアン・ゴズリング

バービー【助演男優賞ノミネート】

*出典元:https://www.bbc.com/

人形たちが住む「バービーランド」から現実社会にやって来たバービーとケンが、人形たちに押し付けられた理想の社会像と現実社会のギャップに右往左往させられる風刺コメディ『バービー』。現実社会の男性たちを目にし、バービーの添え物キャラから「強い男」に変貌しようとする男の人形、ケンを演じたライアン・ゴズリングが助演男優賞へのノミネートとなりました。

ハーフネルソン』(2006/主演男優賞)と『ラ・ラ・ランド』(2016/主演男優賞)で、過去2回のアカデミー賞ノミネートに輝くライアン・ゴズリング。ロバート・ダウニーJrと同じく、本作で「三度目の正直」を狙いたいところです。

*出典元:https://www.rolexmagazine.com/

そんなライアン・ゴズリングが愛用している腕時計は、ロレックス エアキング(Ref.5500)。アルファ針にリベットブレス仕様の1960年代に製造されたと思しきヴィンテージモデルです。

2021年にタグホイヤーのアンバサダーに就任し、画面にハッキリと写ってはいないものの、『バービー』でもタグホイヤーのヴィンテージモデルを着用していたライアン・ゴズリング。一方、プライベートではこのヴィンテージ エアキングや、バブルバックなどを着用している姿がパパラッチされており、クラシカルで小ぶりなロレックスを偏愛している様子が窺えます。

マーティン・スコセッシ

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン【監督賞ノミネート】

*出典元:https://www.stuttgarter-nachrichten.de/

続いては監督賞から。石油鉱業権を保有し、莫大なオイルマネーを得ていたアメリカ先住民のオセージ族が、1920年代に次々と白人に虐殺され、数百人が命を奪われたとも言われる「オセージ族虐殺事件」。

歴史の闇に葬られ、アメリカ人ですら知る者が少なかったこの事件を調査したノンフィクション本を原作に、映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』として現代に蘇らせたマーティン・スコセッシが監督賞へのノミネートを果たしました。

*出典元:https://www.rolexforums.com/

タクシードライバー』(1976)や『グッドフェローズ』(1990)といったの社会派ドラマの監督として知られ、過去には『ディパーテッド』(2006)でアカデミー監督賞受賞の栄冠にも輝いているマーティン・スコセッシ監督。そんな彼が愛用している腕時計は、ロレックス グリーン サブマリーナー(Ref.16610LV)と思われます。

ロレックスはアカデミー賞の協賛企業であり、また、映画界に長年にわたって貢献し、多大な功績を残した人物を称える「ガバナーズ賞」のスポンサーも務めています。その受賞者の一人がマーティン・スコセッシ監督。ロレックスの公式サイトには、彼が「ロレックスと映画」を語るインタビューも掲載されており、その相思相愛ぶりは一目瞭然です。

クリストファー・ノーラン

オッペンハイマー 【監督賞ノミネート】

*出典元:https://hu.ign.com/

最後も監督賞から。ハリウッドを代表する大作映画の監督として、『ダークナイト』(2008)、『インターステラー』(2014)、『TENET テネット』(2020)など、数々の大ヒット作を世に送り出しているクリストファー・ノーラン

過去のアカデミー賞では、撮影賞、視覚効果賞、音響監督賞、録音賞を獲得しているものの、作品賞や監督賞はノミネートで終わっている彼が、国際的な評価も高い『オッペンハイマー』で、初の作品賞&監督賞の獲得なるか、注目が集まっています。

*出典元:https://www.watchprosite.com/

そんなクリストファー・ノーラン監督が着用している腕時計は、ジャガールクルト グランドレベルソ ウルトラスリム トリビュート トゥ1931(Ref.Q2788570)。レベルソの誕生80周年を記念して発売された、名作の復刻モデルです。

実はこのモデルには、裏蓋にコウモリのマークを忍ばせた、映画『バッドマン ダークナイト ライジング』とコラボした非売品モデルが世界限定10本のみ存在しています。確かめる術はありませんが、クリストファー・ノーラン監督が着けているのは、この10本のうちの1本ではないかと言われています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

大金を稼いでいるであろうハリウッドスターや映画監督が並びましたが、そんな中、キリアン・マーフィーのレイルマスターや、ライアン・ゴズリングのヴィンテージ エアキングなど、値段やステイタスよりも、本人の「好みやコダワリ」が感じられるチョイスには非常に好感が持てるのではないでしょうか。

*出典元:https://www.townandcountrymag.com/

山崎貴監督の『ゴジラ -1.0』が日本映画初のアカデミー視覚効果賞にノミネートされ、宮崎駿監督も『君たちはどう生きるか』でアカデミー長編アニメーション賞に4回目のノミネートと、日本映画界にとっても大きなニュースが期待できそうな2024年のアカデミー賞。

当コラムをお読みの映画&腕時計愛好家の皆様におかれましては、オスカーレースの行方と、レッドカーペットで誰がどのような腕時計を着用するのか、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。

ではまた!

Actor's watch