近年注目度が日に日に増すラグジュアリースポーツウォッチにおいて、その原点にもなったと言われるオーデマ ピゲの『ロイヤルオーク』。その歴史は長く、現在の雲上モデルの地位を確立するまでに、様々な常識を覆してきました。

今回はそんな『ロイヤルオーク』の歴史と魅力を語ると共に、コミット銀座で現在取り扱いしている素晴らしいモデルたちをご紹介したいと思います。

【オーデマ ピゲ】の歴史

『ロイヤルオーク』を語る上で、ブランドの歴史を知らずに進めるわけにはいきません。ちなみに、過去に【オーデマ ピゲ】に関して詳しく書いた内容がございますので、今回は簡潔に書かせていただきます。

設立は1875年。「ジュール=ルイ・オーデマ(オドマール)」と「エドワール=オーギュスト(オギュスト)・ピゲ」によって、ムーブメント製作会社としてその歴史をスタートさせた【オーデマ ピゲ】

17年後の1892年には、世界初のミニッツリピーター腕時計を発表し、その後もトゥールビヨンやムーンフェイズなど、様々な複雑機構を備えた自社ブランドの時計製作を始め、その認知が拡がっていきます。その後、みなさんもご存じの【世界3大時計】と言われるようになり、ますますその認知が拡大していきました。

また【オーデマ ピゲ】は創業家運営として一度も歴史が途絶えたことのない唯一のブランドとしても知られており、今なお伝統を継承し続けている由緒ある時計ブランドでございます。

『ロイヤルオーク』の歴史

続きまして『ロイヤルオーク』の歴史についてお話いたします。

【オーデマ ピゲ】の顔となる看板モデル『ロイヤルオーク』は、1972年に世界で初めて素材にSS(ステンレススティール)を採用したとされ、時計業界に大きな衝撃を与えました。初代『ロイヤルオーク』の「Ref.5402ST」の出現は、ラグジュアリースポーツウォッチという新たなジャンルを生みだし、他のブランドが多大なる影響を受けたことも間違いないでしょう。

実際に『ロイヤルオーク』が登場した後に発表された、他ブランドのラグジュアリースポーツウォッチの一例を挙げてみます。

・1972年 オーデマ ピゲ :『ロイヤルオーク』
・1975年 ジラールペルゴ:『ロレアート』
・1976年 パテックフィリップ:『ノーチラス』
・1977年 ヴァシュロンコンスタンタン:『222』(オーヴァーシーズの原型となったモデル)

一目瞭然。今では時計界を牽引しているモデルばかりですね。

そしてここで注目すべきは、デザイナーである「ジェラルド・ジェンタ」氏でしょう。今さら語る必要もないと思いますが、上記したモデルのうち『ロレアート』を除いた3モデルを手掛けた、時計界のピカソと呼ばれる人物です。

※コミットTVでも以前「ジェラルド・ジェンタ」氏について配信しておりますので、まだご覧になっていない方は是非ご覧になってみてください。

『ロイヤルオーク』という名前の由来

イギリスの清教徒革命の戦いにおいて、皇太子チャールズ(チャールズ2世)が身を隠し、追手をかわしたとされるオークの木。後に『ロイヤルオーク』と名付けられたこのオークの木は、国王の王位奪回の端緒となったことから、イギリスにとって加護と安全と力の象徴とされるようになりました。イギリス海軍はこの出来事を記念して、<英国軍艦ロイヤルオーク号>と命名した軍艦を製作。この中の1隻が、スティールの板で補強したオーク材の船体と、8角形をした舷窓という特徴を持っていました。

もちろんこれが現在の『ロイヤルオーク』の基になったと皆様お思いでしょうが、実は違います。今までの説明は何だったのかと思われそうですがそこはお許しください(笑)

後にデザイナーの「ジェラルド・ジェンタ」氏が

“潜水服のヘルメットの窓で、それをモチーフに8角形のベゼルをビス留めするデザインを考案したのだ”

と語っております。

これが、オーデマ ピゲ『ロイヤルオーク』由来の真相でございます。

『ロイヤルオーク』の魅力

①タペストリーダイヤル

『ロイヤルオーク』の特徴でもあるタペストリーダイヤル。

拘りが詰まったタペストリーダイヤルは、2層のギョーシェ彫りで形成されており、魅力的かつ立体的な仕上がりになっています。

今やタペストリーダイヤルといえば『ロイヤルオーク』を真っ先に連想する方が、殆どではないでしょうか。

②八角形のオクタゴンケース

前述でもあるように、『ロイヤルオーク』という名前の由来でもある「8角形(オクタゴン)のケース」「ベゼルに埋め込まれた8本のネジ」は、まさにこのモデルの象徴といえます。

切れ味抜群そうなベゼルのエッジデザインや、裏蓋まで貫かれたネジによる強固な防水性を実現した機能など、そのすべてにおいて文句の付け所がない作りは、さすがの一言です。

また、この当時は厚さ僅か8mmという薄型のスタイリッシュなデザインながら、50m防水を体現している点も『ロイヤルオーク』の凄さを物語っていますね。

③ブレスレット

続いてお話しするブレスレットも、ラグジュアリースポーツウォッチを体現する、大事な要素のひとつです。『ロイヤルオーク』のブレスレットは、ケースと一体化されており、7種類のコマで構成され、腕に沿うようなフィット感を体現しています。

ポリッシュされたヘアラインや、接続部分の角の面取りなど、細部にまで拘った作りが人々を魅了する理由ですね。

コミット銀座で取り扱い中の極上モデル

『ロイヤルオーク』の歴史や魅力を語ったところで、実際に素晴らしい極上モデルたちをご紹介いたします。『ロイヤルオーク』の魅力にさらに引き込まれていってください(笑)

①『ロイヤルオーク』 ジャンボ SS Ref.5402ST

まず初めにご紹介するのは、初代『ロイヤルオーク』「Ref.5402」でございます。

世界初のステンレス製ラグジュアリースポーツウォッチとして誕生した同モデルは『ロイヤルオーク』の礎となったモデルです。当時としては大きかった39mmのケース経から、通称「ジャンボ」と呼ばれています。また、ジャガールクルト製の超薄型ムーブメント「Cal. 2121」を搭載し、厚さ僅か8mmというデザインを実現しました。

現在、市場でも流通個体がほとんどなく、大変希少なモデルでございます。尚且つ、こちらはケースやブレスの状態が良く、夜光もオールトリチウムで針も交換されていない素晴らしい個体です。ヴィンテージ要素も存分に楽しめる、唯一無二の初代『ロイヤルオーク』は、本当におすすめできるモデルです。

販売価格:¥11,880,000-(税込)

②『ロイヤルオーク』 エクストラシン SS Ref.15202ST.OO.1240ST.01.A

続いてご紹介するのは、「Ref.5402」の復刻モデルでございます。こちらは『ロイヤルオーク』誕生40周年を記念して作られました。

シースルーバックから覗く驚くほど美しい超薄型ムーブメントは、当時と同じ「Cal.2121」。約50年経った今も採用されていることを考えると、いかに名キャリバーだったのかを感じることが出来ますね。現行モデルではありますが、ブティックで手に入れることはまず不可能と言っても過言ではなく、セカンドマーケットにおいても高価格で取引されております。

こちらはほとんど使用感がない美品個体となりますので、お探しの方は是非お早めにご連絡いただければと思います。

販売価格:¥11,880,000-(税込)

③『ロイヤルオーク』 ダブルバランスホイール オープンワーク SS 15407ST.OO.1220ST.01

【オーデマ ピゲ】が2010年にダブルバランスホイールという機構を開発させてから、製品になるまで約5年もの歳月を費やしたといわれる超絶モデル「『ロイヤルオーク』 ダブルバランスホイール オープンワーク Ref.15407ST.OO.1220ST.01」。

モデル名の由来の通り、搭載されているムーブメント「Cal.3132」にはダブルバランスホイールが使われており、2つのテンプとヒゲゼンマイが同軸上にセットされております。これはテンプとヒゲゼンマイが交互に伸縮を繰り返すことで安定性と精度をもたらしている機構です。存在感のあるスケルトン仕様の文字盤は、デザイン性も高く、ひと目で超絶時計と感じさせるパワーがありますね。生産数も少なく、その人気は年々増していっており、市場価格もこれまた超絶値になっています。(笑)

『ロイヤルオーク』の中でも最も複雑なデザインと機能性を持ち合わせているダブルバランスホイールを、是非注目してみてください。

コミット銀座で現在取り扱っている個体は、限りなく未使用に近い極美品でございます。

販売価格:¥17,985,000-(税込)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

『ロイヤルオーク』は今後もラグジュアリースポーツウォッチを牽引するモデルの1つであり、普遍的なモデルとして君臨し続けるでしょう。相場に関しては、年々上昇していたのですが、ここ最近は急激な上昇を見せております。

ブランドの象徴とも言える『ロイヤルオーク』
私もいつかは手にしたいものです。

今後もっと手が届かなくなる存在になる前に気になる方は押さえておくのも良いかもしれませんね。その時はぜひコミット銀座にご連絡いただければ幸いです。

ではまた!

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