皆さま、こんにちは!

本年も宜しくお願いいたします。

さて、今回は昨年末に大きな話題となり、皆さまも気になられているであろう

【ロレックス】認定中古制度(CPO)

について考察していきたいと思います。

高級腕時計界で圧倒的な支持を集める【ロレックス】。これまで中古市場にはまったく関与してこなかったその【ロレックス】が”認定中古制度“を始めることを発表し、時計業界に激震が走ったことは言わずもがな。

しかし、「そもそも中古認定制度って何?」「【ロレックス】の中古相場にどんな影響があるの?」と疑問を抱く方も多くいらっしゃるかと思います。そこで今回は、【ロレックス】の認定中古制度の内容や、今後の中古市場の価格への影響について解説していきたいと思います。

【ロレックス】認定中古制度とは

まずは【ロレックス】認定中古制度がどのようなものか解説します。

【ロレックス】認定中古制度の概要

正式名称は「Rolex Certified Pre-Owned」。

“Certified Pre-Owned(以下:”CPO”)”とは”認定中古”を意味し、もともとはメーカーが整備した中古製品を、メーカー認定の保証書を付けて販売するという、自動車業界では一般的な販売手法の一つです。

近年は時計業界の中古市場の拡大によって、さまざまな時計ブランドが”CPO”に取り組むようなりました。そしてこの度、これまで中古市場には一切関与しない姿勢を取っていた【ロレックス】が中古市場に関与することを発表しました。

内容は、「真正性および正常な動作(品質)をすること」、「すべての製品に適用される品質基準を満たしていること」「【ロレックス】のワールドワイドなネットワークのノウハウとプロフェッショナリズムを反映した時計であること」を”保証する”というもので、そのすべての認定中古時計には、2年間の国際保証が適用されるとのことです。

【ロレックス】認定中古制度の開始時期や場所・条件

開始時期:2022年12月初旬
 条件 :ロレックス正規販売店で購入し3年以上経過した時計
 場所 :ヨーロッパ6ヶ国にある『ブヘラ』のブティック
    【スイス・ドイツ・オーストリア・フランス・デンマーク・イギリス】

『ブヘラ※ブッフェラー』は、1888年創業の老舗名門時計販売店で、高級時計ブランドレベルの高い技術力を持った修理部門も有しています。『ブヘラ』のオンラインで商品と価格の確認はできますが、購入するには各国の店舗に問い合わせる必要があるそうです。製造年に関する条件は今のところ提示されていないため、上記の条件を満たしていれば、ヴィンテージウォッチも対応していると考えられます。

また、気になる日本での開始時期ですが今のところ未定となっています。2023年の春にはアメリカなどでの開始も想定されていますが、日本ではいくつかの関係者から「検討はしているがまだ実施できない」という声も聞かれており、実施はまだ先となりそうです。

【ロレックス】認定中古制度の付属品

【ロレックス】認定中古制度で購入した時計には、グリーンとホワイトのツートンカラーで作られた、国際保証カードとタグが付いてきます。

*Rolex Certified Pre-Ownedの国際保証カード

*Rolex Certified Pre-Ownedのタグ

【ロレックス】認定中古制度の狙い

続いて、「なぜ今になって【ロレックス】はこの制度を始めたのか?」

ここでは【ロレックス】が認定中古制度を始めた狙いについて考えてみたいと思います。

1.【ロレックス】の需要高騰による品薄への対処

近年、時計業界全体の需要増における一番の影響を受けているのは、【ロレックス】と言っても過言ではありません。『デイトナ』をはじめとしたスポーツモデルはもちろん、『デイトジャスト』『デイデイト』といった、これまで比較的需要が落ち着いていたモデルも、軒並み品薄となっています。これは、嬉しい悲鳴に聞こえますが、需要が増えたからと言って簡単に大量生産ができるわけはなく、消費者が「買いたくても買えない」と同じように、【ロレックス】側も「売りたくても売れない」状況なのです。

しかし、この新たに始まった”認定中古制度”によって、新品に変わって中古時計を正規店で販売できるようになるため、商品不足解消の一つの切り札となり得るかもしれません。

2.中古時計の品質の管理が可能

【ロレックス】の認定中古制度では、正規のメンテナンスを受けた時計を販売することを前提としているため、これまでは難しかった中古時計の品質の管理も実現できます。中古市場ではコピー品や一部の部品を改造した改造品の出回りが多数見られるため、そうした低品質な時計を排除する目的があると考えられます。

3.企業イメージのアップ

『SDGs』を筆頭に、世界的に「良いものを長く使う」という方向性が強くなっている中、今回の【ロレックス】認定中古制度は、この世界的な流れを汲んで実現したとも考えられます。既に【フランク・ミュラー】や【リシャール・ミル】など、中古認定制度を始めている時計ブランドは複数あり、【ロレックス】も中古市場に参入することで、ブランドの先進的でエコロジーなイメージを向上させる狙いがあるのでしょう。

【ロレックス】認定中古制度による相場への影響は?

まずはじめに、『ブヘラ』の【ロレックス】認定中古販売サイトでは、新品よりも高い価格で販売されていることがわかります。これは、いくら【ロレックス】と言えども、市場への流通や相場をコントロールすることは、非常に難しいことの表れとも言えるでしょう。

続いて、この【ロレックス】認定中古制度が始まったことで、より中古時計そのものに注目が集まっております。「認定中古時計がこの価格=【ロレックス】がこれだけの値打ちがあると証明している」と認識され、それ以外の中古相場が高まることも考えられるでしょう。また、認定中古時計についている保証書とタグは、通常のものとは違う仕様になっており、現時点で購入できる場所も限られているため、認定中古時計自体は、一時的に相場が更に高騰する可能性もあると思われます。

どちらにしても、二次流通市場に注目が集まっているのは紛れもない事実です。中古時計にとっては、ネガティブなイメージが払拭され、二次流通市場での購入が活性化されることが予想されるでしょう。

まとめ

【ロレックス】の認定中古制度について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

【ロレックス】が中古市場に参入するというビッグニュースは、中古時計そのものへの関心が高まり、今後の高級時計市場はより活性化されると言えるのではないでしょうか。

今回もこの記事を見ていただいたことで、高級腕時計に興味を持っていただき、「中古時計が欲しい」「中古時計が気になる」と思ってくださった方が増えれば幸いです。

コミット銀座には知識豊富なスタッフが常駐しているため、【ロレックス】のモデルや予算、デザインなど、様々な角度から、お好みに合わせてアドバイスさせていただきますので、是非ともお気軽にご相談ください。

ではまた!

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