2025年の高級腕時計市場で注目すべきブランドのひとつ、ヴァシュロンコンスタンタン。本記事では、その魅力を語りつつ、最新の動向を深堀りしていきます。

導入

2025年、高級時計市場は一服感も見せつつも、同社のスポーツモデルやクラシカルなモデルが引き続き高い人気を維持しています。

ヴァシュロンコンスタンタンは、パテックフィリップ、オーデマピゲと共に世界三大高級腕時計ブランドに数えられる1755年創業という長い歴史を誇る人気ブランドです。特に近年は、スポーティーで実用的な「オーヴァーシーズ」コレクションが人気を牽引しつつ、クラシカルなドレスウォッチや希少な限定モデルにも熱い視線が注がれています。2024年には新作発表イベント「Watches and Wonders Geneva 2024」で同社が大きな注目を集めました。それは、270周年に向けたヒストリーク222、Ref.4200H/222J-B935の発表によるところが大きかったと考えられ、現在も高級腕時計トレンドの中心にヴァシュロンコンスタンタンが存在していることは間違いないと言えるでしょう。

本記事では、初心者の方にもコレクターの方にもおすすめできるAIが選定したヴァシュロンコンスタンタンの腕時計10本を厳選してご紹介します。それぞれのモデルの特徴や魅力、ムーブメント解説、2025年現在の価格相場、そして選定理由を分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

①オーヴァーシーズ Ref.4520V/210A-B128


モデル概要
2023年に登場したオーヴァーシーズの3針モデル。41mmのSSケースを既存比0.5mm薄い10.7mmに改良し、ベゼル・ブレス面のポリッシュ角度も再設計。ブルー文字盤は6層のコーティングで奥行きを演出。自社製ムーブメントCal.5100/1は60時間パワーリザーブ、150m防水・耐磁2.5万A/mを継承しつつローターの厚みバランスを最適化。シースルーバック越しに22Kローターの羅針図モチーフと精緻なコート・ド・ジュネーブを鑑賞できる万能スポーツエレガンス。

市場価格
国内定価3,718,000円。並行相場は、為替変動を受け4,400,000~4,650,000円で推移。2024年第4四半期以降に輸入本数が制限された影響で下値は堅くプレミア。過去12か月の下落率はマイナス2%程度と雲上スポーツの中では安定的。

おすすめポイント
薄型化で袖通りが良く、ワンタッチ交換ストラップでオン・オフ・リゾートを自在にカバー。ブレスレット・ラバー・レザーベルトに換装可能で、ラグスポ初心者からコレクターまで幅広く満足度が高い。ロレックスやオーデマピゲの価格調整が続く中、雲上スポーツの王道路線の中では比較的相場が落ち着いており、今後の値動きもマイルドと予想。実用・資産・ファッションの全バランスに優れ、最初のヴァシュロンコンスタンタンとしても鉄板の一本。

②オーヴァーシーズ エクストラフラット Ref.2000V/120G-B122


モデル概要
2016年発表のオーヴァーシーズのホワイトゴールド仕様。41mmケースにグレーダイヤルを合わせ、エクストラフラットの名に恥じないケース厚7.5mmを実現。自社製ムーブメントCal.1120は厚さわずか2.45mmとなっている超薄型。150m防水と耐磁2.5万A/mでタフな環境にも対応。一体型WGブレスはサテン面とポリッシュ面のコントラストが際立ち、重厚さと高級感を両立。

市場価格
当初の国内定価は7,590,000円。市場流通数は常時5本以下と非常に限定的で、10,000,000円が実勢レンジ。ホワイトゴールドモデルは流通数が極めて少ないため、為替状況により価格が上下するが、過去2年で平均3%の微増。

おすすめポイント
ホワイトゴールドケースの上質な輝きはスーツスタイルを格上げし、出張先のレストランでも映える。SSモデルと異なり希少性が高いだけでなく、グレーダイヤルも差別化されており、タフ&ラグジュアリーな時計を求める層に刺さる。

③オーヴァーシーズ クロノグラフ Ref.5520V/210A-B686


モデル概要
2023年登場のオーヴァーシーズ・クロノグラフ。42.5mmのSSケースにシルバー×ブラックリング配色のパンダダイヤルを採用し視認性を強化。新開発Cal.5200は従来比+20時間となる72時間PRと改良ローターで巻上効率を向上。コラムホイール&垂直クラッチの高信頼クロノグラフ機構はそのままに、ブレスレット・ラバー・レザーの3本セットを同梱。150m防水、耐磁リング装備でスポーツモデルとして非常に完成度が高い。

市場価格
国内定価5,324,000円。中古は流通が少なく、5,000,000~5,700,000円ほど。5500V系が短命生産でプレミア化したため、本リファレンスも将来的な希少化期待がある。年間生産は推定1,200本で、旧世代比で約10%減と噂されている。

おすすめポイント
トリプルストラップとロングパワーリザーブで使い勝手が飛躍的に向上。ブレスレットはマルタ十字を際立たせるポリッシュで高級感がある。旧5500Vを逃した買い替え層にも刺さり、将来のプレミア要素を抱える“今が旬”のラグスポクロノ。日常防水150mと耐磁でオンオフ兼用でき、スーツ袖でも主張し過ぎないカラーパレットがビジネスエリートに好適。

④オーヴァーシーズ クロノグラフ エベレスト Ref.7910V/000T-B922


モデル概要
2021年発表、“エベレスト”シリーズのデュアルタイム。ケースはサテン仕上げチタン×ブラッシュドSSベゼル、世界150本限定。ムーブメントはCal.5110DT/2で、セカンドタイムゾーン表示AM/PM表示、デイト表示を搭載。グレーブルーのグレインダイヤルにオレンジカラーのGMT針は視認性抜群。特製ローターにエベレスト山系のフォトレリーフを彫刻し、裏蓋から冒険ストーリーを感じ取れる。100m防水、付属ラバーストラップにより全天候仕様。

市場価格
発売時定価3,718,000円。即完売後プレミアム化し、2025年中古相場は9,800,000~11,000,000円。限定150本モデルのため、流通量は極めて少なく、年々減少。昨年来の平均上昇率は+10%で、雲上限定の中でもトップクラス。

おすすめポイント
軽量タフなチタンケース×本格デュアルタイムで実用度が非常に高い。限定150本の希少性と登頂ストーリーのロマンが価値を押し上げ、着けるたびに会話が弾む。チタンの落ち着いた質感はビジネスでも浮かず、日常使いできる資産ピースとして優秀。長期保有でのリセール妙味も大きく、コレクター投資対象として最右翼。

⑤フィフティーシックス Ref.4600E/000R-B576


モデル概要
2020年発表のフィフティーシックスのピンクゴールドモデル。40mmケースにブラウン文字盤を配し、レイルウェイミニッツをレイアウト。厚みは11.6mmでスーツ袖に収まる絶妙バランス。Cal.1326は4Hz(28,800振動)・48時間パワーリザーブを誇り、自動巻ローターにマルタ十字を配している。カーフストラップ標準装備で実用性を確保しつつクラシカルな雰囲気を維持。

市場価格
国内定価3,784,000円。中古は2,300,000~2,800,000円で価格変動小。雲上金無垢系としては割安感があり、今後も安定した相場を維持すると見られる。

おすすめポイント
シンプルな三針・デイト付きモデルで実用度抜群。PGケース×ブラウン文字盤の温かみと上品さにより印象が柔らかくなる印象。雲上金無垢の中では維持費が手頃、購入後のリセールも堅調。初めての金無垢として“背伸びし過ぎない上質”を提供するモデル。

⑥ヒストリークアメリカン Ref.1100S/000G-B734


モデル概要
2021年発表、ヒストリークアメリカン1921。36.5mmのWGケースで厚さ7.41mmの極薄フォルム。運転中に手首を回さずに時刻を読み取ることができる斜めの表示、1時と2時の間に大胆にレイアウトされたリューズが特徴。Cal.4400 ASは4Hz(28,800振動)・65時間パワーリザーブ、ジュネーブシール取得。サファイアケースバック越しに美しい装飾を鑑賞できる。

市場価格
国内定価4,972,000円。中古相場は3,600,000~4,000,000円で玉数は少なく値動きは安定。

おすすめポイント
シルバーダイヤル×WGケースが都会的でスーツ映え抜群。薄型ゆえ装着感が軽く、重厚ドレスにありがちな疲れとは無縁。特徴的なデザインを求める方に絶好の選択肢。

⑦ヒストリーク・コルヌ・ドゥ・ヴァッシュ1955 Ref.5000H/000A-B582

モデル概要
2019年発表、ヒストリーク・コルヌ・ドゥ・ヴァッシュ1955。38.5mmのSSケースにホーン型ラグを備え、1955年発表のRef.6087の遺伝子を現代的に解釈。シルバーオパーリン文字盤にブルースチール針(クロノ・30分積算計)とタキメータースケールのクラシカルな組み合わせ。手巻Cal.1142はレマニア2310系ベースで48時間パワーリザーブ、シースルーバックでコート・ド・ジュネーブ仕上げのブリッジを堪能。

市場価格
国内定価7,084,000円。中古品は4,200,000~4,800,000円。価格は安定しており、生産本数は年間300本前後とされ、供給は限定的。

おすすめポイント
ホーンラグが生む曲線美と手巻クロノの機械美が融合し、着けるだけで通好みのオーラを放つ。38.5mmサイズは現代のクロノグラフとして希少なジャストフィットサイズで日本人に最適。将来のヴィンテージ候補として資産性が高く、レマニア系クロノの魅力を味わうには最高の入門機。

⑧トラディショナル Ref.82172/000R-H008


モデル概要
2023年にWatches & Wonders上海で発表されたトラディショナル。38mmのPGケースにサンバースト仕上げのグリーン文字盤が特徴。65時間パワーリザーブを誇る、自社製ムーブメントCal.4400AS搭載。厚さ7.7mmの薄型ドレスウォッチで、中国市場を意識したカラーが新鮮。

市場価格
定価3,520,000円。中国で先行販売された。中古相場は3,000,000~3,400,000円。出回りの少なさと国際需要の高さから安定的に推移。アジア圏コレクターの需要が旺盛なため市場在庫は少ない。

おすすめポイント
グリーン文字盤がPGケースに映え、通常モデルの落ち着きに“遊び心”を加味。定価が抑えめで、特徴あるドレスウォッチを所有したいコレクターに格好の選択。

⑨ハーモニー・コンプリートカレンダー Ref.4000S/000R-B123

モデル概要
2015年、創業260周年を記念して登場したハーモニーコレクション。斬新なクッション型ケースが特徴シルバーオパーリン仕上げの文字盤にはアンスラサイトの数字インデックス、ポインターデイトにバーガンディを採用。コンプリートカレンダーを備えたCal.2460 QCを搭載、122年毎に一度の修正で済むように設計されたムーンフェイズを配置

市場価格
販売当初定価4,757,500円。中古相場は3,000,000~3,600,000円。コレクション自体が短命、出回りの少なさから安定的に推移しており市場在庫は少ない。

おすすめポイント
優美な曲線のベゼルとクッションケースが秀逸コートドジュネーブ仕上げが美しいムーブメントを堪能できる。周囲とかぶらない“さりげない差別化”を図りたいオーナーに最適。

⑩ヒストリーク 222 Ref.4200H/222A-B934


モデル概要
2025年発表、待望のステンレス製ヒストリーク222。37mm×7.95mm一体型SSブレス、五時位置マルタ十字ロゴ、細身ベゼルと30気圧防水を継承。Cal.2455/2は4Hz(28,800振動)・40時間パワーリザーブ、22Kローターに222刻印。ブレスはサテン主体にエッジをポリッシュし、70年代テイストを残しつつ現代装着感を高める。YG製同様裏蓋はソリッドでアイコニックな船舶モチーフ刻印。

市場価格
国内予価4,750,000円。二次流通相場は7,000,000~7,800,000円で推移。YG製と比べ生産量は上回ると予想されるが、SS人気が高いため需給ギャップは依然大。初年度入荷は世界800本程度と推定され、国内割当は50本未満。今後の供給も限定的。

おすすめポイント
YG製で評価された“往年のラグスポ源流”デザインをデイリーに使えるSSでリリース。薄型軽量で長袖にも干渉が少なく、70年代テイストのサテンブレスはビジネスカジュアルに最適。先行予約段階でプレミアム化が進行しており、入手即価値向上が見込める。歴史的意義と実用性を両立した投資対象。

今後の展望

いかがでしたでしょうか。ヴァシュロン・コンスタンタンの多彩なコレクションから10本の注目モデルをご紹介しました。同社は伝統を守りつつ革新にも挑戦する姿勢で、高級腕時計界の地位をさらに盤石なものにしつつあります。近年はスポーツモデル人気が高まり一時は価格が過熱しましたが、2025年現在、二次流通相場は安定傾向にあります。特に定番モデルのオーヴァーシーズは入手が現実的になってきており、「憧れだけどプレミア価格が…」と尻込みしていた方にとって今が手に入れる好機かもしれません。

2025年の「Watches and Wonders Geneva」では270周年記念モデルとしてヒストリーク 222のステンレスモデルや、新作のパトリモニートラディショナルのスペシャルエディションなどが発表され、ファンを大いに沸かせました。こうした新作モデルは短期的に市場価格が跳ね上がることもありますが、ヴァシュロンコンスタンタン全体としては安定した成長路線を歩んでいます。今後も伝統的な技術と現代的なデザインを融合させた新たな名作の登場が期待でき、目が離せません。

もし本記事で気になるモデルが見つかった方は、コミット銀座の在庫一覧で現物の在庫状況をチェックしてみてください。限定モデルやヴィンテージ品はタイミング次第では入手可能な場合もあります。また、ご自身の時計を手放す予定がある方はコミット銀座の買取サービスもぜひご活用ください。ヴァシュロンコンスタンタンの魅力的な世界は、所有することでより一層深まることでしょう。

まとめ

以上、2025年時点でおすすめしたいヴァシュロンコンスタンタンの10モデルをトレンドと絡めてご紹介しました。初心者でも手が届くモデルからコンプリケーションまで、ヴァシュロンコンスタンタンの懐の深さと魅力を感じていただけたのではないでしょうか。

世界最古のマニュファクチュールとして培ってきた伝統と、現代の顧客ニーズに応える革新性とを併せ持つヴァシュロンコンスタンタン。今後も時計愛好家たちを魅了し続けることは間違いありません。ぜひ今回の記事を参考に、お気に入りの一本との出会いにつなげていただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

よくある質問

Q. ヴァシュロンコンスタンタン初心者におすすめのモデルはどれですか?

A. 初めての一本には、比較的入手しやすく実用性の高い「フィフティーシックス・オートマティック」がおすすめです。40mmの程よいサイズとシンプルなデザインでオンオフ問わず使いやすく、価格もヴァシュロンコンスタンタンの中では手頃です。また、スポーツモデルがお好みなら「オーヴァーシーズ・オートマティック」も選択肢に入ります。こちらは人気モデルですが最近は相場が落ち着いており、新品・中古ともに購入しやすくなっています。

Q. ヴァシュロンコンスタンタンの時計はどこで購入できますか?正規店で手に入るのでしょうか?

A. ヴァシュロンコンスタンタンは世界各地にブティック(直営店)や正規代理店があり、日本国内でも東京や大阪などに直営ブティックがあります。人気モデルの場合、正規店での購入には予約待ちが必要なケースもありますが、タイミングによっては在庫があることもあります。また並行輸入店や中古市場でも購入可能です。正規店は安心感がありますが値引きは基本ありません。一方、並行輸入・中古では相場によっては定価より安く手に入ることもあります。

Q. ヴァシュロンコンスタンタンの時計のオーバーホール(分解清掃)はどのくらいの頻度で、費用はいくらくらいですか?

A. 高級機械式時計は4~5年ごとを目安にオーバーホールすることが推奨されています。ヴァシュロンコンスタンタンの場合、オーバーホール費用はモデルや機能によって異なりますが、約10~15万円程度が一般的です(簡単な3針モデルと複雑機構のモデルでは費用が変わります)。正規サービスセンターに依頼すると純正パーツで確実なメンテナンスが受けられます。定期的なメンテナンスを行うことで大切な時計を長く愛用できます。

Q. ヴァシュロンコンスタンタンの時計は資産価値がありますか?将来値上がりしますか?

A. ヴァシュロンコンスタンタンは世界三大時計ブランドの一角ということもあり、中古市場でも一定の資産価値を保ちやすい傾向にあります。特に生産本数の少ない限定モデル(例:エベレスト)や定番スポーツモデル(オーヴァーシーズ)は中古相場が堅調です。ただし市場の需給や経済情勢によって価格変動もありますので、「必ず値上がりする」と断言はできません。時計の価値はあくまで長期的に楽しみつつ付加的なものと考え、気に入りの一本を選ぶことをおすすめします。

Q. ヴァシュロンコンスタンタンの時計を購入する際に注意すべき点はありますか?

A. 新品であれば正規店から購入し保証書を受け取ることが重要です。また、最初の2年間の保証期間内であれば、6年間保証延長することができるので忘れずに登録をしましょう。中古で購入する場合は、付属品の有無(箱・保証書)や時計のコンディション(キズの状態や改造の有無)に注意しましょう。信頼できるショップで購入することも大切です。また、高額な買い物になりますのでメンテナンス履歴が分かるとさらに安心です。並行輸入品や中古品でも、正規のオーバーホールを受ければ問題なく使用できますが、購入時にはそうした点をチェックすると良いでしょう。

監修者のプロフィール

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コミット銀座

2015年の会社設立以来、"高く買い、安く売る"をモットーに、顧客第一主義を徹底。価格面におけるメリットのみならず、お客様が安心して買い物出来る環境づくり、お客様に最適な時計の提案も実現。
徐々にお客様からの信頼も得て、多くの顧客様を抱えることに成功。高い知識を要するヴィンテージロレックスや、パテックフィリップを始めとするハイエンド商材の取り扱いを得意とする、新進気鋭の高級腕時計専門店。

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