高級腕時計を買うとき、何を気にしますか?
機能性や価格などの様々なポイントの中でも、特に大事なことがあります。
それは、「売る時のことまで考える」ということ。
ロレックスやオメガなどの高級腕時計は「値崩れしにくい」と言われるのを聞いたことがありませんか?
それが、時計の「魅力」の1つなのです。
さて、買取時の価格のことを「リセールバリュー」と呼びます。
いわゆる「値崩れしない腕時計」というのは、新品の購入額と、中古品の売却額(リセールバリュー)の差がわずかであるということ。
つまり、値崩れしない高級腕時計を購入すれば、他のモデルに買い換える時にわずか数万円の差で新しい高級腕時計を手にすることができるのです!(中古時計の場合、稀に、リセールバリューの方が購入価格を上回るものも・・・!)
値崩れしないということは「(市場)価値が変わらない」ということであり、価値が認められ続けることを示しますので、「売却する気はない」という方にとっても喜ばしいことのはず。
今回はそんな腕時計を賢く選ぶために、リセールバリューが高い時計の条件を簡単に述べた後、値崩れしない腕時計の例をいくつかご紹介します。
リセールバリューが高いブランドの条件
世の中には数多くの高級腕時計のブランドがありますが、時が経っても値崩れしない高級腕時計とはその中のほんの一部のブランドのみ。
早速、その条件についてご紹介していきます。
①時計の完成度
時が経っても価値が落ちない時計は、総合的な仕様水準が高いという特徴を持っています。
防水性や耐久性などはもちろんのこと、文字盤などの細部までこだわって作られた時計は価値が高い可能性が高くなります。
②ブランドの知名度
2つ目の条件はズバリ、ブランド力です。
エルメスのバッグやゴディバのチョコレートなどのようにその市場を代表するようなブランドは当然価値が高くなります。
ブランド力とは知名度の大きさです。「あの有名ハリウッドスターも身につけている腕時計」と知ったら買いたくなる人も大勢現れるでしょう。
このように、抜群の知名度を誇るブランドの時計は今後も値崩れしにくいと考えられます。
時間に影響されない不変の価値
ほとんどの商品は、新たに生み出されていく製品たちによって、年月の経過とともに価値が失われていきます。
高級腕時計もこの例外ではなく、一般的には、発売日から1〜2年経過すると徐々に販売価格が安くなっていく傾向にあります。
ただし、一方で、家具などに代表されるアンティーク品や、限定生産のプレミア品いったものは希少価値が高いことがあります。
また、名作と呼ばれる絵画や逸品などと称される骨董品など、歴史的価値のあるものは高額であることが多いです。
時計の場合も同じように、一部の商品は時がたっても価値が下がりません。
単純に世の中からの人気が衰えないというだけでなく、何かをきっかけにプレミアがつくといった背景がある時計は、長い期間にわたって価値を保ちます。
以下に、その一例をご紹介しますので、参考にしてください。
⇒「時計購入」を「資産運用」と絡めて論じている記事はこちら:高級腕時計を購入するメリットとは?
これからも値崩れしないとされる腕時計5選
高級腕時計は日々新しいモデルが発売され、多くのブランドが人々に愛されてきました。
その中でも高いリセールバリューを誇り、これからも人々に愛され、不動の地位を獲得しうるブランドを5つ紹介します。
1.ロレックス デイトナ(Rolex. DAYTONA)
ロレックスにはいろいろなモデルがありますが、その中でも特に有名なモデルがこのデイトナです。
意外にもデイトナはロレックスの中で唯一、クロノグラフ機構を装備しているのです。
ロレックス デイトナの系譜
■1930〜1940年代
1933年に発売したこの時計はコスモグラフと呼ばれました。続く1939年には防水機能を備えたオイスターケースや手巻きのムーブメント備えたモデルに進化しました。
■1950年代
その後、1955年にロレックスはRef6234を発売しました。このモデルは1961年まで生産されましたが、クロノグラフを専門としていた競合メーカーに勝つことはできず、成功とは言えませんでした。
■1960年代
そして1960年代前半になると「コスモグラフ・デイトナ」と呼ばれる、初代デイトナが誕生しました。当時は宇宙開発とカーレースが盛んであったため、「コスモ(宇宙)」とデイトナサーキットの「デイトナ」から名前が取られました。
1960年代後半になるとデイトナのセカンドモデルが登場しました。見た目はほぼ変わらなかったのですが機能性が上がり、手巻きクロノグラフの完成形と呼ばれるほどでした。
■1970年代
この頃になるとデイトナのサードモデルが登場しました。「スクリューロック・プッシャー」という新しい防水機能が搭載され、50メートル防水を実現しました。また、巻きブレスレットに続いて、現在でもメジャーなネジ止め式のブレスレットも登場しました。
■1980年代
ついにロレックス念願の自動巻きクロノグラフが誕生します。しかし、自社製ではなくゼニス社のエルプリメロに改良を加え、製作されました。また、この頃から型番を5桁に変更し、外装は40mmにサイズアップされ、防水機能も100メートルになりました。
このデイトナは常に品切れ状態が続いたほど大ヒットしました。
■2000年代
待望の完全自社製のクロノグラフムーブメント、Cal.4130を搭載したRef.116520が登場しました。インダイヤルの配置が変わり、インデックスの太さなども変更され、「高級感」が溢れる一本に仕上がりました。
ロレックス デイトナ新型Ref. 116500
そして、ここで紹介する値崩れしないデイトナは、2016年に発売された「新型デイトナRef.116500」です。前作とはベゼルが変更され、デザインがより洗練されました。
これから生産終了されるのでプレミアになり、値段も上がっていく可能性があります。
2.ロレックス GMTマスター(Rolex. GMT MASTER)
近年になり、日本でも人気が出てきたGMTマスター。
もともとはパイロットのために開発されたGMTマスターは異なる場所の時刻を把握できる機能を持ったロレックス唯一のパイロットウォッチです。
GMTマスターにはそれぞれ、異なる二つの時刻を把握できるGMTマスターIと三つの時刻を把握できるGMTマスターIIという二つの系譜があります。
GMTマスターの系譜
■1950年代
パン・アメリカン航空は国際線旅客機の導入にともない、その運行を行うパイロットは二つのタイムゾーンの把握が可能な腕時計を必要としていました。そこで、パン・アメリカン航空は当時人気があったロレックスに国際線パイロットに身につけさせるための腕時計の開発を依頼しました。これがGMTマスターの始まりです。
1955年にGMTマスターのファーストモデルが発表され、パン・アメリカン航空で使用されていきました。また、これと同様に他の航空会社もGMTマスターを使用するようになり、多くのパイロットから高評価を得ました。
やがてGMTマスターはモデルチェンジを繰り返していくことになります。
■1980年代
従来のGMTマスターIに加え、三つのタイムゾーンを把握可能なGMTマスターIIが誕生しました。
■1990年代
ようやく、機能面で劣っていたGMTマスターIの生産が完全に終了し、GMTマスターIIのみになりました。
■2000年代
ブレスレッドの仕様を変え、さらに高級感が溢れ出る仕上がりになりました。このモデルチェンジを機にGMTマスターの人気が急上昇し、現在に至ります。
GMTマスター Ref.116710BLNR
2013年発売の鮮やかな青色が特徴であるこのモデルは一時、中古が定価を上回っている状況でした。2017年8月から10月までの間にはたった2ヶ月間で8万円も高くなったことがあります。
売るなら今がチャンスかもしれません。
GMTマスター新作 Ref.126710BLRO
2018年、ロレックスファン待望の一本が発表されました。それがこのステンレススティール製赤青ベゼル搭載のGMTマスターII 126710BLROです。5連のジュビリーブレスレットを採用し、よりロレックスらしい一本に仕上がっています。また、ムーブメントにおいては従来のGMTマスターに搭載されていたCal3186は48時間だったのですが、今作では70時間に及ぶロングパワーリザーブとなりました。
これらロレックスの最先端の技術を駆使したGMTマスター126710BLROは大きなリセールバリューが期待できるでしょう。
3.ロレックス サブマリーナ(Rolex. SUBMARINER)
名前からもわかるように、サブマリーナはロレックスの中で特に防水機能に特化したスポーツモデルです。サブマリーナは潜水時に事故で逆回転しない逆回転防止ベゼルを装備している究極の防水時計です。また、映画007でジェームズ・ボンドが愛用していたことも有名になりました。
まずはその歴史に迫っていきましょう。
ロレックス サブマリーナの系譜
■1950年代
1953年に世界で初めて回転するベゼルを採用し、100mの防水機能を備えたサブマリーナが開発されました。翌1954年には世界初のダイバーズウォッチとして発表されました。ダイバーズウォッチのパイオニアとなったサブマリーナはその後、多くの人々に愛用されてきました。
1959年にはリューズガードを装備したモデルが発売され、ケースサイズも拡張されました。このモデルのスタイリングは現在まで継承されています。
■1960年代
1965年になると、従来の「サブマリーナ」に加えて、「サブマリーナ・デイト」というカレンダー搭載モデルが展開され、人気を集めました。
■1980年代
この頃はロレックスに変革期が訪れ、様々な新機能の開発が進められ、ついに防水300mの機能が搭載されました。
■2000年代
サブマリーナ50周年を記念して2003年にはグリーンベゼルを搭載したサブマリーナ・デイトが発表されました。その後、様々なモデルなどが発売され、現在に至ります。
サブマリーナRef.116610LN
サブマリーナのステンレスモデルは文字盤の色が黒とグリーンの二種類のみとなっており、そのうちの黒の非常にシンプルなデザインのサブマリーナ116610LNは黒文字盤のベースでありフチありのドットインデックスです。
一見すると特徴の少ない地味な腕時計に見えますが、機能性は確かなため、落ち着いた大人の方におすすめの一本です。
ダイバーズウォッチの定番中の定番であり、大人気のため今後も値崩れしないと思われています。
サブマリーナRef.116610LV
二種類あるサブマリーナのステンレスモデルのうち、黒に比べてグリーンは比較的派手な印象を受けます。
その反面で黒にはない特別感も感じることができます。
黒よりも生産数が少なく価格も上昇しているため、非常に価値がある一本です。
4.パテック・フィリップ ノーチラス(Patek Philippe. Nautilus)
1976年に登場したパテック・フィリップ ノーチラスは薄型でありながら立体感を持つ見事なデザインに加え、その革新的なケース構造によって120mの防水機能を備えています。
2006年に30周年を迎えたノーチラスは様々な改良がほどこされ、ブレスレットがよりしなやかになり、文字盤などの質感も高級感溢れるものへと生まれ変わりました。
その後はクロノグラフやプチコンプリケーション等のさまざまなバリエーションも登場し、人気のシリーズとなっています。
近年のノーチラスに見られる価格高騰
パテック・フィリップの代表作と言っても過言ではない、ノーチラスのRef.5711/1A-010は非常に人気が高い現行モデルです。
今や販売価格が定価の2倍以上に高騰しており、非常にプレミアな腕時計です。
もともとの定価でも3,013,200円という高級腕時計が、2017年初期は中古品が3,400,000円でした。しかし、2018年初期から5,400,000円という凄まじい価格の高騰が起きています。
なぜここまで価格が高騰しているのか。それは生産個数が非常に少ないからです。
薄型のケースでありながら高い防水性能も兼ね備えているという機能面での人気もさることながら、ノーチラスの特徴的なデザインが人気を呼ぶ理由であります。
売却を検討されている方はいまが狙い目でしょう。
5.パテック・フィリップ アクアノート(Patek Philippe. Aquanaut)
パテック・フィリップ アクアノートはトロピカルバンドとリンクした文字盤が個性的な高級腕時計です。
1977年に発表されたアクアノートは現在では5つのモデルを展開しています。
アクアノートはシンプルなデザインとなっており、120mの防水機能を備えた非常に使い勝手の良い腕時計となっています。
そして、アクアノートにしかない特徴といえば、なめらかな八角形のケースとオリジナルの素材からなるデザイン性抜群のトロピカルバンドです。
このようなデザインと高い耐久性からアクアノートは多くの人々から人気を集めています。
近年のアクアノートに見られる価格高騰
現在でも世界中で高い注目を集めるアクアノートは近年、異常なまでの価格高騰が起きています。
特にその中でも、1997年に発売された初期のアクアノートはとても短命で、わずか1年で生産終了となりました。
そのため、今ではとてもプレミア価値がついています。
実際にアクアノートの買い取り価格は2017年1月から2017年6月のわずか6ヶ月間で20万円上昇しています。
今後も値崩れが起きづらいと言えるため、これから買おうと思っている方にも、売却を検討されている方にもおすすめの一本です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、リセールバリューが高い時計(値崩れしない腕時計)の条件を述べたのち、ブランドを5つに絞ってご紹介しました。
値崩れしない時計は購入時の費用と売却時の値段がほとんど変わらないこともあります。
いま売却を検討されている方にとってうれしい情報であるのはもちろんのこと、これから時計の購入を考えている方にとっても値崩れしない時計を選ぶことで将来買い替える際の費用が少なくて済むというメリットがあります。
- ロレックス ディトナ
- ロレックス GMTマスター
- ロレックス サブマリーナ
- パテック・フィリップ ノーチラス
- パテック・フィリップ アクアノート
いずれのブランドも時がたっても価値が変わらないと考えられている腕時計。
また今回ご紹介した5つ以外にも、高いリセールバリューを誇るブランドはまだまだ存在します!
とはいえ、時計の価値を知るためには、商品が市場に出回っている数や需要の大きさ、そして為替相場の状況などを的確に把握していなければなりません。
素人目で見てなんとなく価値が高そうな時計であっても、実は市場に多く出回っているためにあまり高い価値がつかないといったこともあります。
コミット銀座では、業界一安い仲介手数料で時計の査定を承っております。
時計の相場に精通した専門家が一からご説明しますので、お客様の手は煩わせません。
ぜひご相談ください。