皆さま、こんばんは。

全国的に梅雨入りしましたが、いかがお過ごしでしょうか。雨は憂鬱ではありますが、愛機を眺めながらご自宅でゆっくり”時”を過ごすのも素敵な時間かもしれません。私はこの時期になると、江ノ電に乗って長谷寺で紫陽花を見たいと毎年思うのですが、腰が重く実現しておりません(笑)

*出典元:https://milled.com/audemarspiguet/from-iconoclast-to-icon-1Ov86sUcZL1_1bxr

さて、1972年の誕生から50周年を迎えた『ロイヤルオーク』。アイコンである『ロイヤルオーク”エクストラシン”』なども刷新されたことは記憶に新しいですが、50年という節目を迎えた2022年、東京ミッドタウンで開催されていた企画展「ロイヤルオーク 時を刻んだ50年(6月5日で終了)」など様々な取り組みも行なっています。

今回は先ごろ発表されたばかりの新作も含めて『ロイヤルオーク “キャロリーナ ブッチ”限定モデル』にフォーカスを当てて話したいと思います。ぜひ最後まで楽しんでください。

キャロリーナ ブッチ(Carolina Bucci)とは

*出典元:https://www.horobox.com/en/news-detail/audemars-piguet-royal-oak-frosted-gold-carolina-bucci-limited-edition-ref-15454or-gg-1259or-03-

19世紀のフィレンツェにルーツを持つ、伝統的なゴールドスミス(金細工職人)の家系に生まれた『キャロリーナ ブッチ』。彼女はニューヨークのFIT(ファッション工科大学)でデザインと美術を学んだのち、故郷フィレンツェに戻り、最初のコレクションを発表します。2017年にはロンドンに旗艦店をオープン。今なお、曽祖父『フェルディナンド ブッチ(Ferdinand Bucci)』から受け継いだ歴史あるジュエラー一族の4代目として、独創的なジュエリーをデザインしています。その作品は、何世紀にも渡ってフィレンツェに伝わっている金糸機織の技術を用いているのが大きな特徴です。

*出典元:https://www.horobox.com/en/news-detail/audemars-piguet-royal-oak-frosted-gold-carolina-bucci-limited-edition-ref-15454or-gg-1259or-03-

2002年に発表された彼女のファーストコレクションであり、代表作でもあるコレクション「LUCKY」。100年以上も前のはたおり機で織り上げる18Kゴールドチェーンとシルクコードを編み上げたミサンガブレスレットで、彼女自身も愛用しています。

*出典元:https://www.horobox.com/en/news-detail/audemars-piguet-royal-oak-frosted-gold-carolina-bucci-limited-edition-ref-15454or-gg-1259or-03-

彼女の作品がより知られるようになったきっかけは、2005年に大ヒット映画「セックス アンド ザ シティ」において、キャリー役の『サラ・ジェシカ・パーカー』が着用したこと。『ニコール・リッチー』、『シンディ―・クロフォード』、『ジェシカ・アルバ』、『ヴィクトリア・ベッカム』といった多くのセレブにも愛用されており、現代ジュエリー界を代表するデザイナーのひとりです。

オーデマピゲとの出会い

*出典元:https://lacatena.carolinabucci.com/post/when-carolina-bucci-met-royal-oak

【オーデマピゲ】との出会いは2011年頃。

【オーデマピゲ】との出会いは今から7年ほど前のこと。NYの街で素敵な腕時計をしている女性を見かけたんです。それが【オーデマピゲ】の『ロイヤルオーク』だった。ただ、そのシンプルなイエローゴールドのモデルはすでに生産されておらず、幸運にも夫がヴィンテージものを見つけてくれたので手に入れることができました。以来、私は毎日のようにその時計を愛用し、気づけば私のスタイルの一部となっていたのです。

“Carolina Bucci”
引用:https://www.vogue.co.jp/special-feature/2018-12/13/audemarspiguet

実は『キャロリーナ ブッチ』の夫が、彼女の35歳の誕生日にプレゼントしてくれたそう。
それは、1982年頃の製造個体で、36mm経のイエローゴールド×シャンパンダイヤル(バーインデックス)の『ロイヤルオーク』だったと明かしています。

共通の知人を介して【オーデマピゲ】のCEOの「フランソワ‐アンリ・ベナミアス氏」とお会いしたんです。そしてお互いに交流を持つうちに、ベナミアス氏が「なぜあなたはそんな男性的な時計をしているのか?」と聞いてきたんです。そこで私は正直に、「女性ものの時計は好きではない」と答えたんです。女性用の時計は大抵、華奢なフォルムにダイヤモンド装飾がついている。似たような時計を見せられて「これが女性用ですよ」と提案されても全然満たされない。すると、ベナミアス氏は、「それではあなたならもっといい時計が作れるのかい?」と言うので、「もちろんよ!」と答えました。それがコラボレーションのきっかけでした。

“Carolina Bucci”
引用:https://www.vogue.co.jp/special-feature/2018-12/13/audemarspiguet

*出典元:https://watch-media-online.com/blogs/1253/

この会話の後、ベナミアス氏は、1976年に『ジャクリーヌ ディミエ』がデザインしたレディース向け『ロイヤルオーク』(29mm径のRef.8638)を新たな視点で再設計する、というチャレンジを『キャロリーナ ブッチ』に依頼したそうです。

「自分が本当に欲しい時計をイメージすればよかったので、とても楽しい経験でした。『ロイヤルオーク フロステッドゴールド』は見た瞬間に恋に落ちる強い第一印象を持ちながら、身につけているうちに、時計そのものの良さが分かるようにしたかった。ただ時計自体は完璧なので、デザインを変えるのではなく、私のジュエリーのシグネチャーのひとつでもあるフィレンツェ仕上げを取り入れながら、ジュエリーのように仕上げたんです。」

“Carolina Bucci”
引用:https://www.vogue.co.jp/special-feature/2018-12/13/audemarspiguet

*出典元:https://lacatena.carolinabucci.com/post/when-carolina-bucci-met-royal-oak

そして、2016年11月に『キャロリーナ ブッチ』と【オーデマピゲ】が共同で手掛けた初めての作品である、ホワイトゴールド製およびピンクゴールド製の『ロイヤルオーク フロステッドゴールド』がリリースされました。

ロイヤルオーク “キャロリーナ ブッチ”限定モデル

『ロイヤルオーク フロステッドゴールド オートマティック』
「Ref.15454BA.GG.1259BA.02」

*出典元:https://www.audemarspiguet.com/com/ja/watch-collection/royal-oak/15454BA.GG.1259BA.02.html

【仕様】
型番(Ref):15454BA.GG.1259BA.02
ケース径:37mm
素材:イエローゴールド
文字盤:鏡面仕上げのシルバートーンダイヤル
防水性:50m
ムーブメント:Cal.3120(自動巻)
パワーリザーブ:約60時間
定価(税込):6,270,000円(販売当初)

*出典元:https://lacatena.carolinabucci.com/post/when-carolina-bucci-met-royal-oak

『キャロリーナ ブッチ』と【オーデマピゲ】が2018年にコラボレーションで発表した世界300本限定モデルは、本人が愛してやまないイエローゴールドを使用したケース・ブレスレットの表面に、鍛金技法でつや消し加工が施されたフロステッドゴールド仕様。非常に煌びやかな印象で、37mmのケースサイズと相まって、ユニセックスに着用できるのも嬉しいところ。

*出典元:https://www.horobox.com/en/news-detail/audemars-piguet-royal-oak-frosted-gold-carolina-bucci-limited-edition-ref-15454or-gg-1259or-03-

文字盤は鏡面仕上げのミラーダイヤルが使用されており、光の加減や角度により異なる表情を見せてくれます。ムーブメントには「Ref.15400」と同じ「Cal.3120」を搭載しており、パワーリザーブ約60時間と実用性にも優れています。また、ケースバックから22Kローターを使用した美しいムーブメントを眺めることができるのもポイントです。

*出典元:https://www.horobox.com/en/news-detail/audemars-piguet-royal-oak-frosted-gold-carolina-bucci-limited-edition-ref-15454or-gg-1259or-03-

「Frosted Gold AP」の印字入りミラーボックスも、同じく『キャロリーナ ブッチ』がデザインを手がけています。

『ロイヤルオーク オートマティック』
「Ref.77350CE.OO.1266CE.02.A」

*出典元:https://www.audemarspiguet.com/com/ja/watch-collection/royal-oak/77350CE.OO.1266CE.02.A.html

【仕様】
型番(Ref):77350CE.OO.1266CE.02.A
ケース径:34mm
素材:ブラックセラミック
文字盤:レインボーカラーのサファイアダイヤル
防水性:50m
ムーブメント:Cal.5800(自動巻)
パワーリザーブ:約50時間
定価(税込):6,270,000円

*出典元:https://lacatena.carolinabucci.com/post/when-carolina-bucci-met-royal-oak

こちらは2022年6月に発表された世界300本限定モデル。ケース径は前回のコラボレーションモデルと異なり34mmにサイズダウンしましたが、クラシック回帰でジェンダーレスモデルとして位置づけされているようです。ケース・ブレスレットには対傷性に優れたブラックセラミックを採用。しかしながら、このモデルの特徴は、なんといってもダイヤルでしょう。

「思いがけない所に見える虹… 例えば道に油が溜まっていてその表面に虹色が見えるような。このダイヤルは完璧なブラック、全ての色を飲み込む黒いキャンバスに虹の七色が現れるというものです。」

“Carolina Bucci”
引用:https://www.audemarspiguet.com/com/ja/watch/play-of-light.html

*出典元:https://www.audemarspiguet.com/com/ja/watch-collection/royal-oak/77350CE.OO.1266CE.02.A.html

このレインボータペストリーは、サファイアディスクの表面に小さなタペストリーをエッジング加工し、さらに裏面に蒸着加工をすることにより生まれるようです。

*出典元:https://www.audemarspiguet.com/com/ja/watch-collection/royal-oak/77350CE.OO.1266CE.02.A.html

虹色が見えることもあれば、見えないこともある。その異なる表情を作るために、黒とのコントラストが重要だったようです。また、ダイヤルを引き立たせるために、ケース素材にイエローゴールドではなくブラックセラミックを敢えて使用したのだと思います。

*出典元:https://www.vogue.co.uk/fashion/article/carolina-bucci-royal-oak

ピンクゴールドの針、インデックス、ビスとの色彩のコントラストも抜群に美しいですね。『キャロリーナ ブッチ』はインタビューで”色遊び”をしたと語っていましたが、是非ダイヤルの美しさを実機で見てみたい、そう思わせる意匠です。

その他のコラボレーション

『K.I.S.S. コレクション』

*出典元:https://www.audemarspiguet.com/com/ja/news/origins/carolina-bucci-kiss.html

2020年12月、【オーデマピゲ】ブティックで発売された「K.I.S.S. コレクション」。『キャロリーナ ブッチ』が時計師の仕事にインスパイアされてデザインしたジュエリーコレクションです。

*出典元:https://www.audemarspiguet.com/com/ja/news/origins/carolina-bucci-kiss.html

「Keep It Super Simple(できるだけシンプルに)」をコンセプトに、そのイニシャルを取り”K.I.S.S.”と名付けられました。『ロイヤルオーク フロステッドゴールド』と合うようにデザインされた、18Kゴールドのしなやかなコイルでできたネックレスとブレスレットが印象的ですね。

*出典元:https://www.audemarspiguet.com/com/ja/news/origins/carolina-bucci-kiss.html

中にスプリングは入っていません。ブレスレットがスプリングであり、スプリングはゴールド。これがマジックなのです。

“Carolina Bucci”
引用:https://www.audemarspiguet.com/com/ja/news/origins/carolina-bucci-kiss.html

伸縮性があるため、ネックレスはかぶるだけ、ブレスは手にはめるだけで容易に着脱が可能です。こちらは限られたAPハウスおよびブティックでしか購入することができず、日本では【オーデマピゲ ブティック 名古屋 】でのみ購入可能となっています。

【セレクトAP ハウス・ブティック】
・香港 APハウス – H クイーンズ
・オーデマピゲ ブティック マカオ ウィンパレス
・オーデマピゲ ブティック 名古屋
・オーデマピゲ ブティック ダラス

まとめ

いかがでしたでしょうか。

これまでに発表された2本の『キャロリーナ ブッチ』限定モデルは、光の加減や当たり方で異なる表情を見せてくれる「ミラーダイヤル」と「サファイアダイヤル」。彼女はインタビューの中で「The watch will never look exactly the same because the light is always different.(光は常に異なるため、時計が全く同じに見えることはありません。)」と言及しています。また、「ロイヤルオークの意匠は既に完成されている」とも彼女は言っていますが、光や仕上げというエッセンスを上手く加えることで、しっかりと新たな『ロイヤルオーク』を生み出していますね。

2022年6月には、50周年モデルの41mmサイズ『ロイヤルオーク』「Ref.15510ST」も発表され、世界三大時計の一角を担うメゾンとして、ますます勢いに乗る【オーデマピゲ】。今年は引き続き『ロイヤルオーク』にサプライズがあるかもしれません!

ではまた!

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