皆さま、こんにちは。

今回も、復活を遂げたスイスの高級時計ブランド【チャペック】についてお話ししていきたいと思います。

【パテック・フィリップ】との縁もあり、【チャペック】は、近年時計好きのコレクターから注目を浴びているブランドです。前回は【チャペック】の歴史と人気モデル『アンタークティック』についてご紹介しました。

第二回目となる今回は、『ケ・デ・ベルク』『プラス・ヴァンドーム』『フォーブル・ド・クラコヴィ』をご案内いたしますので、是非とも最後までお楽しみください。

*前回の記事をまだご覧になっていない方はコチラから

【Quai Des Bergues】『ケ・デ・ベルク』

かつて【チャペック】が工房を構えたジュネーブのレマン湖畔を流れる、ローヌ川沿いの通りの名前が由来となっている『ケ・デ・ベルク』。1845年にフランソワ・チャペックがジュネーブで会社を設立した場所へのオマージュ作品となっています。

2017年に発表された『ケ・デ・ベルク』ベーシックコレクションは、ダイヤル両サイド下段にセットした特徴的なサブダイヤルと、クロノード社と共同開発した7日間ものロングパワーリザーブを備えた手巻きムーブメント「Cal.SXH1」を搭載しております。

ラグサイドのデザインは異なる二つのケースを特徴とし、懐中時計として有名な「No.3430」の丸い形を連想させる「クラシック」、サンドブラストとポリッシュ仕上げのモダンな印象を持った「レボリューション」の2種類があります。

「クラシック」ケースは手首にぴったり合う懐中時計のようにデザインされていて、ケースのゆったりとした滑らかな丸い形とその曲線の美しさは、ブランドの美学を反映しています。

*写真はラグサイドに丸みを帯びた「クラシック」ケース

ケース素材は、18KWG(ホワイトゴールド)、18KRG(ローズゴールド)、Platinum(プラチナ)、Titanium(チタン)、SS(ステンレススチール)の5つの異なる素材で展開されています。Titanium(チタン)とSS(ステンレススチール)には、側面に独特のストレッチャーを備えた「レボリューション」ケースが採用されています。

*写真はサンドブラストとポリッシュ仕上げを巧みに使い分けた「レボリューション」ケース

※《フルール・ド・リス》

翻訳するとユリの花(※実際はアヤメ〈アイリス〉)の意味を持つ《フルール・ド・リス》。この【チャペック】の特徴のひとつでもある《フルール・ド・リス》という形状の針は、前回紹介したラグジュアリースポーツモデル『アンタークティック』には採用されていませんが、「Dark Blue Aventurine dial」や「Black Enamel S」に採用されています。

※《フルール・ド・リス》はヨーロッパの紋章や旗に何世紀にも渡り数多く見られますが、歴史的に特にフランス王家との関係が深いと言われています。

Ⅰ.QUAI DES BERGUES
「Guilloché Ricochet – Rainforest Green S」

【出典】チャペック

Ⅱ.QUAI DES BERGUES「Midnight in Geneva S」
Dark Blue Aventurine dial

【出典】チャペック

Ⅲ.QUAI DES BERGUES
「Black Enamel S」

【出典】チャペック

【Place Vendôme】『プラス・ヴァンドーム』

創業者であるフランソワ・チャペックが、19世紀半ばに高級時計業界初となるブティックを開業した、世界的に有名なヴァンドーム広場にちなんで命名された【Place Vendôme】『プラス・ヴァンドーム』。現チャペック社の2番目のコレクションでもあります。

こちらもクロノード社と共同開発した手巻きムーブメント「Cal.SXH2」が搭載されており、ブランド初のワンミニット・トゥールビヨン(サスペンド・トゥールビヨン)、セカンドタイムゾーン(デュアル・タイム)、デイナイトディスク、約60時間のパワーリザーブインジケーターを備えています。

「フランソワ・チャペックは伝統的な時計製造の深い感覚を持った現代の思想家でした。この時計を彼が夢見ていたことは間違いありません。それは時計製造の美学と技術についての彼の考えを現代的に解釈したものです。」とCEOであるザビエル・デ・ロックモーレルは語っています。

『プラス・ヴァンドーム』コレクションは、PT(プラチナ)で15本、18KRG(ローズゴールド)で10本の限定で製作されており、2018年にはチタン製の「レボリューション」ケースを採用したモデルも限定25本でリリースされました。

反時計回りに回転するデイナイトディスクが2つのサブダイヤルの間に挿入され、左側にトゥールビヨン、右側に第二タイムゾーンが配されています。

Ⅰ.PLACE VENDÔME
「Titanium “Ombres”」

【ハンドメイド彫刻】
プラチナの『プラス・ヴァンドーム』は、エングレーブの世界におけるトップ・アーティストと名高いミシェル・ローテン・レベテス(Michèle Rothen Rebetez)による、アッシジ大聖堂の絵画から着想を得たアカンサス(葉アザミ)のエングレーブ仕様でリクエストすることもできるようです。(※ケースサイドおよびリューズガードへのエングレーブ)

【出典】チャペック

【Faubourg De Cracovie】『フォーブル・ド・クラコヴィ』

【チャペック】初のクロノグラフモデルとして、2018年に登場した『フォーブル・ド・クラコヴィ』

現チャペック社の3番目のコレクションであり、1850年にポーランドのワルシャワにオープンした【チャペック】の3番目のブティックにちなんで名付けられました。

キャリバーも【チャペック】で3番目に製作されたムーブメント「Cal.SXH3」が搭載され、再設計された41.5mmの『ケ・デ・ベルク』のレボリューションケースが採用されています。独特のリューズプロテクターは健在で、プッシャーとしても機能します。

「私たちの最初の時計のロマンチックな高貴さを取り入れ、クロノグラフを追加、クラシックさを残しつつ現代風にアレンジしています。」とCEOであるザビエル・デ・ロックモーレルは語っています。

ダイヤルは18世紀後半に発明された「レゾナンス」という目新しいデザイン。フランソワ・チャペックの考案とも言われる、交差する円形の線と浅浮き彫り、ひし形のギョーシェ彫りが施されています。こちらはダイヤルサプライヤーであるメタレム社と共同で開発されています。

Ⅰ.FAUBOURG DE CRACOVI
「L’Heure Bleue」

【出典】チャペック

Ⅱ.FAUBOURG DE CRACOVIE
「Grand Feu」

【出典】チャペック

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今、ひそかに人気が出てきている【チャペック】について2週に渡ってお送りしてみました。当店では、まだまだ取り扱いが少ないブランドではございますが、今後是非注目していきたいブランドです。【チャペック】の名を初めて聞いた!という方もいらっしゃったかと思いますが、この記事を読んで頂いたことで、少しでも興味を持っていただけますと幸いです。気になった方は、是非とも公式サイトにてご確認してみてください。

ではまた!

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