映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第69弾の今回は、「アーノルド・シュワルツェネッガーの腕時計」をお送りします。

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いまや知らぬ者はいないスター俳優、アーノルド・シュワルツェネッガー。1970年代にオーストリア出身のボディビルダーとして有名になった後、俳優へと転身した彼は、ジェームズ・キャメロン監督の出世作『ターミネーター』(1982)で演じたアンドロイド役が大当たり。シルベスター・スタローンと並ぶ筋肉隆々のアクション俳優として、国際スターの仲間入りを果たします。

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その後、2003年から2011年にかけて第38代カリフォルニア州知事に就任するなど、政治の世界でも手腕を発揮したシュワルツェネッガー。俳優復帰後は『大脱出』(2013)でシルベスター・スタローンとの初共演を果たし、『ターミネーター:ニュー・フェイト』(2019)ではターミネーター役に復帰するなど、近年も映画界に話題を振りまき続けています。

今回はそんなアーノルド・シュワルツェネッガーの腕時計に迫りたいと思います。

コマンドー

COMMANDO(1985)

軍を退役し、愛娘ジェニー(アリッサ・ミラノ)と静かな山荘で暮らしていたジョン・メイトリックス(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、精鋭コマンドー部隊の元指揮官だった。ある日、武装集団が山荘を襲撃。かつて失脚させた独裁国家元首のアリアス(ダン・ヘダヤ)の一味にジェニーを誘拐されてしまう。アリアスはジェニーを人質にとり、メイトリックスに現大統領の暗殺を強要。彼はタイムリミットとなる11時間以内にジェニーを奪還するため、単身アリアスの隠れ家へと向かう。

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何が始まるんです?」「第三次世界大戦だ」など、吹き替え版のイカしたセリフが話題となり、日本ではテレビ放送されるたびにSNSなどで大盛り上がりとなる人気作。登場する武器も多彩でミリタリーマニアにも愛されており、2013年には「地上波テレビで放送された回数が最も多い洋画」の栄冠に輝いています。『ターミネーター』以外で彼の主演作を一本選べと言われたら、この作品を選ぶ人も多いのではないでしょうか。

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本作でシュワルツェネッガーが着用している腕時計は、セイコー プロスペックス(Ref.H558-5009)。「ツナ缶」の愛称で知られる、外胴プロテクターをまとった47mmの大ぶりケースが目を惹く一本です。サイズが大きすぎて悪目立ちしそうですが、さすがシュワルツェネッガー。普通サイズの腕時計をしているようにしか見えません。ちなみに彼は『プレデター』(1987)でもこの腕時計を着用しているため、このモデルは世界中の腕時計マニアから、彼のファーストネーム「アーノルド」にちなんだ「アーニー」という愛称で呼ばれています。

ターミネーター3

TERMINATOR 3: RISE OF THE MACHINES(2003)

液体金属のターミネーター「T-1000」との死闘から10年後。スカイネットが核戦争を起こすはずだった1997年8月29日は無事に過ぎ去り、人類滅亡の危機は回避されたかに思われた。しかし2032年の未来から、再び2体のターミネーターが現代に送り込まれてくる。1体は人類の救世主、ジョン・コナー(ニック・スタール)の抹殺任務を負った最新型「T-X」(クリスタナ・ローケン)。もう1体は、ジョン・コナーを守る為、彼の未来の妻が送り込んだ「T-850」(アーノルド・シュワルツェネッガー)。人類の存続を賭けて、2体のターミネーターの死闘が始まる。

*出典元:https://screenrant.com/

シュワルツェネッガーの俳優歴を代表する大ヒットシリーズの3作目で描かれるのは、初の女性型ターミネーターとの戦い。前2作を監督したジェームズ・キャメロンの手を離れたことで作風も変化し、ミリタリーアクションだけでなく、フィジカル感溢れる格闘系アクションが増した印象の作品となっています。本作は全世界で4億ドル以上の興収を記録し、シリーズ継続の足掛かりとなりました。

*出典元:https://terminator.fandom.com/

本作でシュワルツェネッガーが着用している腕時計は、ロイヤルオーク オフショアクロノグラフ T3(Ref.25863TI.OO.A001CU.01)。当作品の為にオーデマピゲがコラボした1000本限定モデルです。最大の特徴はリューズとプッシャーを囲むように備え付けられた、メリケンサックの如きプロテクター。ただでさえ大きい47mmのケース径が、よりドデカく、ゴツく見えますね。

エクスペンダブルズ2

THE EXPENDABLES 2(2012)

バーニー・ロス(シルベスター・スタローン)率いる命知らずの傭兵軍団「エクスペンダブルズ」は、アルバニア山中に墜落した輸送機の積み荷を回収する任務を負う。現地で同じ積み荷を狙う武装犯罪集団「サング」と一触即発の事態に陥り、新人メンバーのビリーを人質に取られたことで積み荷を奪われ、更にはビリーも殺されてしまう。積み荷の奪還とビリーの仇討ちの為、エクスペンダブルズは「サング」のリーダー、ジャン(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)を追う。

*出典元:https://www.vanityfair.com/

シルベスター・スタローンが脚本・監督を務めた『エクスペンダブルズ』(2010)シリーズの第2作。スタローンの他にも、ジャン=クロード・ヴァン・ダムブルース・ウィリスチャック・ノリスドルフ・ラングレンジェット・リーら、80~90年代のアクションスターが総出演の「お祭りアクション映画」となっております。シュワルツェネッガーも「エクスペンダブルズ」のライバルとなる民間軍事会社の経営者、「トレンチ」役として、オールスターキャストに華を添えています。

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本作でシュワルツェネッガーが着用しているのは、ベル&ロス BR01(Ref.BR01-92)と思われる腕時計。軍用時計を専門に製造していたドイツの腕時計ブランド「ジン」に憧れていたカルロス・A・ロシロブルーノ・ベラミッシュが、「ジン」創業者、ヘルムート・ジンの協力のもと1992年に創設した「ベル&ロス」。BR01はそのアイコンとなるスクエアケースの腕時計です。こちらもケース径46mmという大ぶりな腕時計ですが、独特のスクエア形状によって、より大きなサイズ感を演出しています。

オフショット

映画の中で47mm、47mm、46mmという大ぶりなケース径の腕時計を着け続けてきたシュワルツェネッガーですが、正直に申し上げまして「こんなのは序の口」でございます。シュワルツェネッガーが着用した腕時計の中で、おそらく最大サイズと思われるのは、パネライ ラジオミール エジツィアーノ(Ref.PAM00341)

*出典元:https://www.wristenthusiast.com/

50mm台すら越え、そのケースサイズは何と60mm!!残念ながら今のところ劇中で着けられたことはなく、オフショットでの着用になりますが、このバカデカい腕時計ですら違和感なく着けこなしてしまうのが、シュワルツェネッガーの凄いところ。望みは薄いと思いますが、彼が次回作以降でこの腕時計を着用することを期待して待ちたいと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
実にわかりやすく「ドデカくて存在感のある腕時計」がラインアップに並びました。

そして俳優としてのシュワルツェネッガーもまた、悩むことも躊躇うこともなく、ひたすら任務遂行のためだけに邁進するマッチョな『ターミネーター』や、ひたすら愛娘の救出のためだけに邁進するマッチョな『コマンドー』など、こちらも実にわかりやすいキャラクターの創造を行なっています。

*出典元:https://www.dainfernchiro.co.za/

この「わかりやすさ」こそが、まさにアーノルド・シュワルツェネッガーという俳優の魅力といっても過言ではないでしょう。ここ数年はあまりヒット作に恵まれているとは言えないシュワちゃんですが、「ドデカい腕時計を着け、一心不乱に目的に向かっていくマッチョなキャラクター」という原点に立ち返れば、再びスマッシュヒットを飛ばしてくれるのではないかと期待しております。ファンが観たいのはそういうシュワちゃんだと思いますので、映画会社さん、ぜひ宜しくお願い致します!

ではまた!

Actor's watch