明けましておめでとうございます。
2022年も変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
新年早々、私事で恐縮ではございますが、今年も元旦は話題の映画2本をハシゴして観て参りました(毎年恒例行事)。

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というわけで、2022年一発目の「Actor’s Watch」第49弾は、いずれも人気アクションシリーズ最新作『マトリックス レザレクションズ』『キングスマン ファーストエージェント』の腕時計に注目して参りたいと思います。

マトリックス レザレクションズ

まずは大ヒットSFアクション『マトリックス』シリーズ17年ぶりの最新作、『マトリックス レザレクションズ』。衝撃的だった一作目『マトリックス』の公開が1999年ですので、あれからもう23年も経っている事が信じられないというか信じたくないといいますか。時間が経つのは早いものです。

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前三部作『マトリックス』『マトリックス リローデッド』『マトリックス レヴォリューションズ』を全て劇場で観ている者としては、今作もやはり劇場で観なければという義務感に駆られ、何はともあれ映画館へ。

前三部作の頃には、ラリー&アンディ・ウォシャウスキーだった兄弟監督が、2人とも性転換してラナ&リリー・ウォシャウスキー姉妹になり、やがてコンビは解消。本作『マトリックス レザレクションズ』は、姉のラナ・ウォシャウスキーの単独脚本・監督作となっています。日本のアニメやカンフー映画のファンだったリリー・ウォシャウスキーが製作から離れ、また主演のキアヌ・リーヴスやキャリー・アン・モスが年齢を重ねたことで、映像はまさに『マトリックス』ながら、やや大人っぽく、ビターな作風に感じられました。

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☞#29『ハリウッドが誇る「いい人」キアヌ・リーヴスの腕時計』を読む

肝心の腕時計ですが、ウォシャウスキー姉妹は腕時計に対するこだわりがあまり無いのか、過去の監督作の劇中に腕時計が登場することはほとんどありませんでした。

残念ながら本作においても、明らかにそれと判る印象的な腕時計はやはり登場せず、唯一、腕時計が確認できたのは、ネオ(キアヌ・リーヴス)をカウンセリングする精神科セラピスト(ニール・パトリック・ハリス)の左腕。

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アップになるシーンが無く、巻き戻して観ることもできず、調べても情報が出てこないので確実なことは判りませんが、大ぶりケース&ストラップの腕時計で、一見するとパネライのようにも見えましたが果たして….。この時計については続報を待ちたいと思います。

キングスマン ファーストエージェント

続いて人気スパイアクション『キングスマン』シリーズの最新作、『キングスマン ファーストエージェント』。こちらも前二作『キングスマン』『キングスマン ゴールデンサークル』は劇場で観ているので、迷うことなく映画館へ。

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1914年のサラエボ事件に端を発する第一次世界大戦の勃発と終戦の裏には、世界に混乱を巻き起こそうとする謎の組織「闇の狂団」の暗躍と、平和主義者の貴族、オックスフォード家との過酷な戦いがあったという、キングスマン結成に至るまでの物語。怪僧ラスプーチン、マタ・ハリ、レーニン、ヴィルヘルム2世など、歴史上の人物たちがアクションや謀略の限りを尽くし登場する、世界史好きにはたまらないスパイ&戦争映画となっておりました。

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現代を舞台にした『キングスマン』1作目では、イギリスの新興ウォッチメーカーである「ブレモン」を、2作目の『キングスマン ゴールデンサークル』では、タグホイヤーのスマートウォッチ「コネクテッド」を着けていたキングスマンのエージェントたちですが、今作の舞台となる1910~1920年代は、まだまだ腕時計の黎明期。カルティエが世界初の市販用腕時計「サントス」を世に出したのが1904年ですので、そこからわずか十数年後の世界を描いた映画には、そのような現代的な腕時計は似つかわしくないでしょう。

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というわけで、『キングスマン ファーストエージェント』に選ばれた腕時計はジャガールクルト。今作とタイアップした限定モデル「マスター ウルトラスリム キングスマン ナイフ(Ref.3402393)」にはジャガールクルトのロゴが入っておりますが、劇中でオックスフォード公が身に着けてアップになったシーンでは、ロゴが入っていなかったように記憶しています。

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ルクルトがエドモンド・ジャガーと統合し「ジャガールクルト」になったのは、1937年。舞台となる1910~20年代に”ジャガー”ルクルトのロゴが入った時計が存在するわけはありませんので、小道具用にロゴ無しバージョンが作られたのかもしれません。

ちなみにこの腕時計は、ジャガールクルトが1907年に開発した薄型キャリバーの懐中時計「クトー」(フランス語でナイフの意味)のデザインを踏襲したもの。ケースサイドがナイフのようにシャープなエッジを持っていた為、このように名づけられました。

*出典元:https://monochrome-watches.com/

映画の舞台となる年代との整合性としては、腕時計ではなく懐中時計が正解なのですが、それを腕時計のデザインに落とし込んで用いる、という心憎い使い方と言えるのではないでしょうか。

まとめ

2022年の初Actor’s Watchはいかがでしたでしょうか?

いずれも大ヒットアクション映画の続編ながら、腕時計へのこだわりという点では『キングスマン ファーストエージェント』の圧勝ですね、これは。それにしても映画館で物語に集中しながら腕時計もチェックするのは至難の業。どアップで時計を見せてくれた『キングスマン ファーストエージェント』のマシュー・ヴォーン監督ありがとうございます!

それでは、今年も印象に残る腕時計を求め、可能な限りたくさんの映画を観ていきたいと思います。

ではまた!

Actor's watch