映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第46弾の今回は「カート・ラッセルの腕時計」をお送りします。
*出典元:https://film-authority.com/
1980年代、ジョン・カーペンター監督とのコンビで『ニューヨーク1997』『遊星からの物体X』といったSF&ホラー映画の歴史的傑作で主役を演じ、世界的なスター俳優となったカート・ラッセル。その後は『バックドラフト』『エグゼクティヴ・デシジョン』などのアクション映画の主演を経て、還暦を越えた今でも、クエンティン・タランティーノやジェームズ・ガンら、新世代の映画監督作や、『ワイルド・スピード』といった若者に大人気のシリーズ映画にも引っ張りだこ。老若男女問わない支持を誇っています。
それでは、老いてなお、ますます人気盛んなカート・ラッセルの腕元に注目してきましょう。
- ◆ ニューヨーク1997
- ◆ ゴーストハンターズ
- ◆ テキーラ・サンライズ
- ◆ スターゲイト
- ◆ ワイルド・スピード SKY MISSION
- ◆ まとめ
ニューヨーク1997
ESCAPE FROM NEW YORK(1981)
犯罪が増加した近未来のニューヨーク。マンハッタン島は高い壁でロックアウトされ「アメリカ最大の刑務所」と化していた。そのマンハッタン島に、テロリストに乗っ取られた大統領専用機が不時着し、大統領は囚人たちに拉致されてしまう。武装強盗の罪を取り消すことを条件に、伝説のアウトロー、スネーク・プリスキン(カート・ラッセル)は、単身で大統領の救出に向かうのだった。
*出典元:https://www.syfy.fr/
ジョー・カーペンター監督とカート・ラッセルの人気を不動のものとした悪のヒーロー、スネーク・プリスキンが着けている腕時計がこちら。
*出典元:https://almostontime.com/
この映画を観た方以外、ご存知の方はいないでしょう。なぜならこれは、大統領救出までの猶予時間をカウントダウンする為の、架空の腕時計だから。作戦完了までの猶予は23時間。1秒でも過ぎれば作戦は失敗、スネークの頸動脈に埋め込まれた爆弾が爆発して一巻の終わりとなります。果たしてスネークの運命やいかに…。
ゴーストハンターズ
BIG TROUBLE IN LITTLE CHINA(1986)
博打の勝ち金の取り立ての為にサンフランシスコのチャイナタウンを訪れた、トラック運転手のジャック(カート・ラッセル)。しかしそこで謎の中国人組織に襲われ、彼女を誘拐されてしまう。彼女を取り戻す為にその組織との戦いを決意するジャックだったが、組織のボスは、実は古来より人の命を生贄に捧げて生き長らえてきた中国の魔物だった….。
*出典元:https://www.cinemablend.com/
『ニューヨーク1997』と同じく、ジョー・カーペンター監督&カート・ラッセル主演の一本。正直、かなりトンチキな映画で、どなたにでもオススメできるわけではありませんが、80年代の笑えるB級アクションホラーの傑作に数えられたり数えられなかったりする本作。鑑賞の際は、心を広くもって、ストロングゼロなどを飲みながら観ることをオススメいたします。
*出典元:https://adiveintotime.com/
この映画でカート・ラッセル演じるジャックが着けている時計は、レマニア ベンソスⅡ。エボーシュメーカーとしても知られる、今は無きレマニアのクォーツ式ダイバーズウォッチです。現代では中古市場で10万円前後で取引される、クォーツながらも「ヴィンテージ」と呼べる一本。トリチウムの焼けがいい風合いになっている個体も少なくありません。
テキーラ・サンライズ
TEQUILA SUNRISE(1988)
カート・ラッセルとメル・ギブソンの二大スター共演となるサスペンス映画。麻薬捜査官のニック(カート・ラッセル)は、元麻薬ディーラーのマック(メル・ギブソン)の身辺を捜査するうち、彼が常連となっているレストランにたどり着く。麻薬取引の現場としてマークしたレストランだが、やがてニックはレストランの女性オーナー、アン(ミシェル・ファイファー)の魅力に惹かれていく。
*出典元:https://www.spotern.com/
この作品でカート・ラッセル演じる麻薬捜査官が身に着けているのは、ロレックス デイトジャスト コンビモデル。年代から察するとRef.16013あたりではないかと思われます。刑事モノというよりは、「捜査官」と「麻薬ディーラー」と「一人の女性」の三角関係を描いたメロドラマに近い本作。大人の色気あるコンビモデルのデイトジャストが、作品に華を添えています。
スターゲイト
STARGATE(1994)
エジプトで発掘された謎の巨大な石輪は、時空を超えて地球と別の天体をつなぐ「スターゲイト」だった。スターゲイトを通って未知の惑星の調査に向かったアメリカ空軍のオニール大佐(カート・ラッセル)とジャクソン博士(ジェームズ・スペイダー)たちは、はるか昔に地球から連れ去られた人々が「神」を名乗る独裁者に支配されている様子を目の当たりにし、虐げられた人々と共に「神」との戦いに挑んでいく。
*出典元:https://datebook.sfchronicle.com/
この映画に関連してご紹介する時計は、セイコー ダイバーズ Ref.KSZ323 通称「スターゲイト」。といっても、カート・ラッセルがこの時計を着用しているわけでも、映画に登場するわけでもございません。ベゼルのデザインが、この映画の「スターゲイト石輪」に良く似ているため、この通称が付けられたそうです。
*出典元:https://strapsco.com/
映画内で着用されたことで、タイトルや着用者の名前が愛称になるセイコーの時計は「キャプテン・ウィラード」「エイリアン リプリー」「アーニー」など、少なくありませんが「登場する遺跡の形に似ているから」というのは、なかなかにレアなのではないでしょうか。
ワイルド・スピード SKY MISSION
Furious 7(2015)
全世界でメガヒットを記録し、世界で最も成功した大人気カーアクション『ワイルド・スピード』シリーズの第7作「ワイルド・スピード スカイミッション」。前作で対決した国際的犯罪組織のボス、オーウェン・ショウ(ルーク・エヴァンズ)を倒したドミニク(ヴィン・ディーゼル)とその一味は、オーウェンの兄であるデッカード(ジェイソン・ステイサム)に弟の敵討ちとして命を狙われる。最新鋭の監視システム”ゴッド・アイ”も絡み、ロンドン・東京、アゼルバイジャン、アブダビ、ロサンゼルス、果てには”空”にまで戦地を広げ、死闘を繰り広げることに…。
*出典元:https://whatculture.com/
本作で初登場を飾り、『ワイルド・スピード アイスブレイク』(2017)にも続けて登場した、アメリカ政府の秘密工作組織のトップで、大のビール好きで知られるミスター・ノーバディ(カート・ラッセル)。彼が着けている腕時計は、アメリカの新興ラグジュアリーブランド「NIALL(ナイル)」の腕時計、ナイル GMT ノワール。
*出典元:https://www.atimelyperspective.com/
「ノワール」の名の通り、引き締まった黒い文字盤のシックなドレスウォッチですが「ノワール」には「正体不明」という意味もあり、ノーバディ=誰でもない男にはピッタリのイメージではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
王道ロレックスあり、無くなったブランドあり、着用も登場もしていないのにその映画のタイトルが愛称になった腕時計あり、日本未上陸の新興ブランドありと、ありとあらゆる「映画と腕時計の関係」を軒並み網羅している感すらあります。
これはカート・ラッセルが、善でも悪でも、庶民でも政府機関でも、アクションヒーローと呼べるキャラクターであれば何でも演じてきたからこそ、それに合う腕時計もキャラクターに応じて、多種多様になったと言えるでしょう。
*出典元:https://www.programme-tv.net/
それだけの腕時計を身に着けてきたということは、それだけの役を演じ分けてきたということ。2021年には70歳の大台に乗ったカートラッセルですが、新作映画を観ればまだまだ老け込んではいない様子。今後も新たな役どころを演じるごとに、気になる腕時計を着けこなしてくれることでしょう。
ではまた!