映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第42弾の今回はマーク・ウォルバーグの腕時計をお送りします。

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しゃべる熊のぬいぐるみと中年男のオッサンくさい友情を描いた『テッド』では、何事にもヤル気のない、しがないサラリーマンをだらしなーく演じたかと思えば、ボディビルのトレーナー役を演じた『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』では鍛え上げた肉体美を見せつけ、『ザ・ギャンブラー』では依存症を演じるため20kg以上痩せこけ、『トランスフォーマー』シリーズでは激しいアクションに身を投じるため再び筋肉隆々に。体格を自由自在に操る「肉体改造の鬼」俳優、マーク・ウォルバーグの腕元に注目してまいります。

ミニミニ大作戦

THE ITALIAN JOB(2003)

舞台はイタリアのヴェネツィア。獲物である金塊を奪われた泥棒一味が、小回りの利くコンパクトカーで、金塊を取り戻す為に街中や地下道を疾走する、小気味の良いカーチェイス映画の傑作です。もともとは1969年に公開された、マイケル・ケイン主演の同タイトル映画のリメイク作となります。

人気が出たての頃のシャーリーズ・セロン(金庫破り担当)や、ジェイソン・ステイサム(女たらし担当)も登場し、今観ると意外なオールスターキャスト映画に仕上がっているので、お得に楽しめるオススメの一本です。

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強盗団のリーダー、チャーリーを演じるマーク・ウォルバーグが着用しているのは、CASIO G-SHOCK DW6600。1994年に発売されたG-SHOCK初のELバックライト搭載モデルです。操作性と視認性に優れ、世界中の軍人や兵士から厚い信頼を受けるリアル・ミリタリーウォッチとして有名な一本ですね。

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G-SHOCKファンの知人によると、この時計は慣れると時計を見ずとも操作ができるそうで、一瞬のよそ見が命取りとなるカーチェイスにおいて、ドライバー役のウォルバーグが着けているのは説得力があるように思います。

ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金

PAIN & GAIN(2013)

「ビッグになる」という夢を持ちながら、全くうだつの上がらないジムのトレーナー、ダニエルを演じるウォルバーグ。自己啓発セミナーに参加してテンションが上がったダニエルは、自分が専属トレーナーを務める金持ちを誘拐し、大金をせしめて「ビッグになる」ことを思いつくが…。実際に起こった誘拐事件を『アルマゲドン』のマイケル・ベイ監督がコメディ仕立てで映画化。ウォルバーグはボディビルダーを演じる為、わずか7週間で体重を20kgも増強させ、筋肉隆々の身体を作り上げたとか。

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この映画でウォルバーグが着用した腕時計は、金持ちを誘拐して手に入れた大金で購入したロレックス デイデイト(Ref.118348)。ホワイトシェル文字盤にダイヤのラグジュアリーなモデルです。「あの人、急に金回りがよくなったみたい…」という人が買うモノは洋の東西を問わないようです。しかしこの後、殺し損ねた金持ちが私立探偵を雇ってダニエルを追い詰めていくことになります。まさに「悪銭身に付かず」ですね。


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トランスフォーマー / 最後の騎士王

TRANSFORMERS: THE LAST KNIGHT(2017)

映画『トランスフォーマー』シリーズは、日本のタカラトミーとアメリカのハズブロ社が展開する変形ロボット玩具「トランスフォーマー」を原案とするSFアクション。1~3作目までのキャストを総入れ替えし、4作目『トランスフォーマー/ロストエイジ』から主役の座についたのが、発明家ケイド・イエーガーを演じるウォルバーグ。

少しドジなところもありながら、持ち前の技術力で正義のトランスフォーマー「オートボット」たちを修理したり、彼らの装備を使いこなして戦闘に加わるなど身体能力の高さも見せつけてくれます。ちなみにこの映画の撮影後、別の作品でギャンブル依存症患者を演じる為に6週間で27kgものダイエットを敢行。まさに肉体改造の鬼と化すことになります。

*出典元:https://www.theguardian.com/

シリーズ5作目となる『トランスフォーマー/最後の騎士王』の劇中でウォルバーグが身に着けているのは、ブライトリング コックピット B50 DLC(Ref.。ブライトリング自社開発・製造のクォーツキャリバー「B50」を搭載した、ブラックチタン製ケースのアナデジ・クロノグラフです。

*出典元:https://oracleoftime.com/

この時計を見て、オールブラックのチタンケースとブライトリングの翼ロゴの組み合わせから、1998年に退役したSR-71偵察機、通称“ブラックバード”を思い出してしまうのは私だけでしょうか?

SR-71偵察機”ブラックバード”は、悪のトランスフォーマー「ディセプティコン」として生まれながら、非道を嫌って「オートボット」に寝返る伝説の老トランスフォーマー”ジェットファイア”として、シリーズ2作目『トランスフォーマー/リベンジ』に登場。ストーリーの美味しいところをさらっていきました。この時計には、そのイメージが投影されているように思えてなりません。

*出典元:https://ja.wikipedia.org/ *出典元:http://www.psychoform.com/

オフショット

マーク・ウォルバーグはハリウッド有数の腕時計コレクターとしても知られており、雲上ブランドの超絶モデルを多数所有していることでも有名です。ほんの一部ですが、その中から何点かご紹介してまいります。

*出典元:https://timeandtidewatches.com/

まずはパテック フィリップ グランドコンプリケーション ミニット リピーター(Ref.5207G-001)。トゥールビヨン、ミニッツリピーター、永久カレンダーの三大複雑機構を収めた、2019年新作のグランドコンプリケーションモデルです。サングラスとピースサインで着ける時計ではないように思えますが、そこは推定年収50億円以上と言われるウォルバーグ。もはや我々とは全く感覚が違うのでありましょう。

*出典元:https://www.lecalibre.com/

同じくパテックフィリップのノーチラス トラベルタイム クロノグラフ(Ref.5990/1400G)は、ベゼルからブレスレットまでびっしりとダイヤが敷き詰められた宝飾モデル。ウォルバーグはコンビニに行くような風体でカジュアルに着けこなしていますが、誘拐や襲撃に遭わないのか、他人事ながら非常に心配です。

*出典元:https://timeandtidewatches.com/

続いてはロレックス。全面パヴェダイヤの文字盤に、6・9インデックスとベゼルにエメラルドをセッティングしたデイデイト40(Ref.22896TEM)。デイデイトはどちらかといえば年配の方に人気のプレステージモデルですが、グリーンが入ると若々しく見えますね。こんなレアモデルでもなければ発見できない気づきでございます。

*出典元:https://timeandtidewatches.com/

最後はロレックス デイトナ(Ref.116576TBR)。プラチナ製デイトナの文字盤にパヴェダイヤを敷き詰め、ベゼルにもバゲットダイヤをセットしたゴージャスな一本です。ロレックスファンなら誰もが憧れるアイスブルーを、わずかにインダイヤルのみに用いるという演出が心憎いデザインです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
正直、最後のオフショットで並んだ時計たちを見た段階で、映画内で着けていた時計のことなど、記憶から吹っ飛んだ方がほとんどではないでしょうか(笑)

「ちょっとそこまで買い物に」みたいな恰好で、数千万円もの時計をカジュアルに身に着ける姿は、腕時計好きにとって永遠の憧れ。雲上時計をキズや汚れも気にせず、腕時計本来の「時間を計る道具」として使う姿には個人的に好感を持ってしまうのですが、時計屋としては「できるだけ綺麗な状態で店に並べたい!」とも思うジレンマも、そこにはあるのでございます。

出てくる時計が凄すぎて、もはや「肉体改造」というテーマとは何の関係も無くなってしまいましたが、まあ、そういうこともございます(言い訳)。次回にご期待ください!

ではまた!

Actor's watch